『十三月のふたり姫』プレイレビュー!名作童話を再構築した新機軸ビジュアルノベル!
アルテマ攻略班
『十三月のふたり姫』は、講談社のインディゲームクリエイター支援プロジェクト「講談社ゲームクリエイターズラボ」のサポートタイトルとしてリリース予定の新作ビジュアルノベルです。
『女神転生』『真・女神転生』で知られる鈴木一也氏がシナリオを、増子津可燦氏が音楽を手掛けており、名作童話『眠れる森の美女』を再構築した物語が楽しめます。
新解釈の眠れる森の美女
十三月のふたり姫では、童話『眠れる森の美女』を再構築した物語が展開されます。
童話の中では描かれなかった「眠っている間の出来事」を物語の軸としており、馴染みのある物語を新解釈で楽しめます。ここからは、簡単な序盤のあらすじを紹介します。
13人目の巫女が呪いをかける
物語の序盤の流れは原典に近く、姫の生誕を祝う宴に12人の巫女が招待され、各々が姫に恩寵を授ける、という流れは同一です。本作においては12人の巫女はそれぞれ月の名前を持っており、月の女神の命を受けて祝宴に訪れました。
そんな中、突如不穏な雰囲気が流れ始めるとともに現れたのは13人目の巫女「閏月(ウルウヅキ)」でした。閏月は姫に対して、「15歳になる時、紡ぎ車の錘が指に刺さり永遠の眠りにつく」という呪いをかけてしまいます。
姫は深い眠りに落ち城は茨に包まれる
姫は王と妃の愛を一身に受けて順調に育ち、ついに15歳の誕生日を迎えます。眠りにつこうとした姫がどこからか聞こえてくる声の元に行くと、紡ぎ車で糸を紡いでいる老婆に出会いました。
紡ぎ車に興味を示した姫が近づいた途端、老婆は閏月へと変貌を遂げます。呪いに掛けられた姫や、城にいた他の人々は深い眠りに落ち、城はいばらで包まれてしまいます。
白馬の王子が訪れるも…
城がいばらに包まれてから長い年月が過ぎ、一種のおとぎ話として語られるようになった頃、隣国の王子がいばらの城を訪れます。いばらは王子を招くように道を開き、ついに姫がいる部屋までたどり着きました。
原典ならここでハッピーエンドとなるわけですが、本作ではそうはいきません。部屋にはなんと閏月も滞在しており、王子に対して真の愛を試す試練を与えます。
詳細は割愛しますが、試練でとてもひどい目に会った王子はその場から逃げ出してしまいます。そしてここから、姫を愛する真の王子を探し出す物語が始まるのです。
100年ごとに訪れる王子候補
隣国の王子が去った後、いばらの城は再び閉ざされます。そして100年経つごとに、王子候補が一人ずつ姫のもとを目指しにやってきます。ここからは完全にオリジナル展開で、原典とは全く違う方向に舵が切られていきます。
王子候補として現れるのは、修道士「ベルナール・ギー」や学者「ファウスト」、預言者「ノストラダムス」といった各世紀を代表する人物たちです。章ごとに王子候補が切り替わり、違った視点で新鮮に物語を体験できます。
選択肢でその後の展開が変化
物語の途中には、王子候補たちにとって重要な選択肢が現れます。プレイヤーは選択肢の中から一つを選び、王子候補にその行動を取らせることができます。
選択肢によってその後の展開が変化し、その選択肢を選んだせいで悲惨な末路を辿ってしまうこともあります。章はいくつかのチャプターに分かれているので、後からほかの選択肢を選んだ展開を手軽に見直せます。
再構築された名作童話を楽しもう
今回は新作ビジュアルノベル『十三月のふたり姫』についてご紹介しました。名作童話「眠れる森の美女」を再構築した物語で、馴染みがあるモチーフゆえに数々の予想できない展開には驚かされます。
絵本のようなタッチや悪魔チックな登場人物が織りなす、メルヘンのようでどこか不気味な雰囲気も魅力で、テキストの出方1つ1つにもこだわりが感じられます。興味がある方は、ぜひともいばらの城の不思議な物語を体験しましょう。
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