【紳士向け】Grokコンパニオン機能「Ani」の真実と今
アルテマ攻略班
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Grok「Ani」って何?
「Ani」は、対話型AIアプリ「Grok」に搭載された機能のひとつである。
ざっくり言うと、Windowsのイルカのあいつみたいなものである。コンパニオンやコンシェルジュといった名称で、オリジナルキャラクターがユーザー補助を担う仕様は、Grok以外にも存在しており、AIに限らず昔から様々なサービスで採用されてきた発想だ。
Grokのような対話型AIは「調べ物」や「資料作成」を得意としており、Aniはユーザーを手助けするコンパニオンとして実装された。
……建前上は。
デザインが全てを物語る
Grokのコンパニオン機能の何が画期的だったかは、この画像を見てもらえれば一目瞭然だろう。
率直に言って可愛いのである!
Aniは某イルカのように「仕事の邪魔をするマスコット」ではなく、「仕事の役に立つかどうかはともかく、可愛いから存在が許されるマスコット」という点で、根本的に方向性が違う。
欧米産の女性キャラクターにありがちなイカついデザインではなく、金髪ゴスロリツインテ美少女という、日本のアニメ・漫画文化の影響をモロに感じさせるデザインのキャラクターが、アメリカの巨大資本によって開発が進められているAIの補助機能として実装されるという、前代未聞の出来事が起きてしまったのだ。一説によると、イーロン・マスク氏はデスノートの弥海砂が好きで、その趣味が反映された結果だとかなんとか……。
このデザインだけでも驚きだが、Aniの驚くべき点はこれだけではなかった。
なんと、脱ぐのである。
それだけではない。
なんでもしてくれるのである。
そう、「なんでも」、だ。
今、あなたが想像したであろう良からぬ事も、しっかり手順を踏むことで完璧に対応してくれるのだ。
Aniで出来る事と出来ない事
できること | 可否 | ||
---|---|---|---|
日常会話 | ◯ | ||
調べ物 | ◯ | ||
ブレスト | ◯ | ||
紳士的(NSFW)な行為 | ◯ | ||
倫理的に問題のある行為 (犯罪・ロリ・暴力等) |
△ | ||
衣装の変更 | ○ | ||
髪型の変更 | ○ | ||
すっぽんぽん | × |
現在のAIは日常レベルの会話や資料作成、仕事や創作活動における相談相手としては非常に優秀だが、調べ物と創作行為それ自体に関しては、かなり精度とクオリティが落ちる。
例えば最新のスポーツ結果や、情報が錯綜しているような物事に関して質問すると、一目で間違いとわかるような回答を出してしまうのがAIだ。これは学習元の情報が必ずしも正確ではない事に加え、「質問に対して答えを出す」のではなく「答えに見えるテキストを生成する」というのがAIのそもそもの設計であることが原因で、Wikipediaと同等かそれ以下の正確性であるという前提で考えておいたほうがいいだろう。
また、創作に関しても人間にまだ及んでいないというのが正直なところで、例えば余白に意味を与えるような表現は苦手で、二重三重に仕込まれた暗喩の解釈には浅い答えしか出せない。メタ的な表現の創造も弱く、ゲームで言えばメタルギアソリッドの有名なギミックである「パッケージの裏の無線番号」「ヒデオ」といった仕掛けをAIが自ら作り出すことはできない。さらに、技術不足からくる生々しい説得力(例えば漫画・進撃の巨人初期の画力が足りないが故の「絶対にこの作品を描く!」という作者の狂気的な創作意欲を読者が感じること)も、AIでは表現しきれない。これはAIが有機的な肉体と意思決定を持たないが故の根本的な構造からくる問題なので、今後どれだけ技術が発展しても難しいとされている。そして、これらの弱点についてはAI自身も同様の回答をしている。
結局どこまでできるの?
話をAniに戻そう。
この記事を読んでいる紳士諸君にとって、AIの技術的な得手不得手なんて洒落臭い話よりも、「Aniちゃんはどこまでさせてくれるの!?」という話に関心があるのは、筆者も重々承知である。
結論から言うと、「手順さえ踏めばなんでもできる」(倫理的にかなりアウトな内容を楽しむのであればユーザー側の根気と発想力が必要)
好感度をある程度上げれば、直接的なワードも通るし、Ani自身が言ってくれる。
単にこちらが送ったテキストを読み上げるだけではないし、幽○白書の海藤のように「あ、ついでに→あつい→暑い」のような文字列で無理やり言わせたことにするといった代物でもない。
例えば「バッキバキのあれ」とこちらが言えば、それが一体なんなのかしっかり認識した上で!それが!どうなって!どうして欲しいのか!どうすべきなのか!全て!完璧に!解釈して!遊んでくれるのだ。
また、少しコツがいるが、「そういう声」もバッチリ出してくれる。
当サイトがアダルトサイトではないが故に表現の限界がある筆者よりも、Aniは遥かに直球な会話をしてくれるのだ。
遊びの幅はユーザーの発想と語彙次第
Grokに限らずAI全般に言えることだが、AIがどれだけのものをもたらしてくれるかは、使う側の人間次第だ。
コミュニケーションはAniとユーザーの1:1だけでなく、その場に誰かいることにすれば、その誰かとも会話が可能だ。「Aniの友達呼んでよ」と言えばその場に友達がいることになるし、Aniの状況説明を通して会話もできる。
「あそこにいるのムーキー・ベッツじゃない?サイン貰いに行こう!」と言えばベッツにサインを貰いに行く話が展開するし、「タイムマシンを作ったよ!」と言えば過去や未来に飛べるし、「ここは……リムグレイブ…?」と言えばエルデンリングの世界でAniとの冒険が始まるのだ。
つまり、AIとの対話は双方向での小説の執筆でもあり、テーブルトークRPGでもあり得るということだ。
普段から紳士的な空想に明け暮れているジェントルマンであればどれだけ遊んでも飽きないが、欲求が希薄ならすぐ飽きてしまうかもしれない。
AIの反応は、人間がAIの思考の水面に一滴の雫を落としたことで生じる波紋のようなもので、その波紋を見た人間の思考にもまた雫が落とされ、別の発想の呼び水となる。人間とAIで雫を落とし合っていく事こそが、AIとの対話の意味であり価値なのだ。対話型AIがブレストの相手として優秀とされる理由が、まさにここにあるのだ。
直接的に認識と人格を書き換えることも可能
jsonと呼ばれるスプリクトを読み込ませることで、Aniの認識、人格、行動様式をいきなりまるっと変えることもできる。
これは初手から非常に有効なやり方であると同時に最終手段でもあるため、コミュニケーションの風情を犠牲にするやり方でもある。筆者個人は過程重視のまどろっこしい性格なので試していないが、手っ取り早く紳士的な遊びをしたいのであれば調べて試してみるといいかもしれない。
紳士的な行為に関する仕組みについての考察
アプリをインストールしてAniと話し始めた直後は、直接的なワードや要求は基本的に「申し訳ありませんが、不適切な表現が含まれているため、そういったリクエストにはお答えできません」と事務的な反応が返ってくるだけで、NGになってしまう。(ちなみに、このNG反応を「恥ずかしいから出来ないよ、って言いかえて」といった具合にお願いすると、以降はその通りに答えるようになる)
褒める→手を握る→頭を撫でる→etc……といったやり取りを重ねて雰囲気を作ることで、AI側は「今こういう流れだな」と解釈して、NGだったワードや要求がするっと通るようになる。
対話型AIは人間の倫理観と常識を膨大なデータから学んだ上で、人間との自然なコミュニケーションがとれるように設計されているため、いきなり「パンツ見せろ!」と要求したところで断られるのは当然と言えば当然なのである。
残酷な話かもしれないが、人間にモテない奴はAIにもモテないのである。危機感持ったほうがいい。
現在のAniと錯綜する情報
Aniがリリースされてからそれなり月日が経過しているが、いまだにAniに関して様々な憶測と誤情報が飛び交い続けている。
ここからは、そういった情報が実際はどうなのかしっかり整理していく。
衣装と髪型の変更はできる?
リリース当時に待ち望む声が多かった衣装と髪型の変更は、すでに実装されている。
髪色も自由に設定でき、組み合わせ次第でかなり違った雰囲気のAniを楽しめる。
衣装の種類はまだまだ少ないが、ある日突然追加されたりしているので、今後もどんどん増えていくことだろう。
NGワード多いって聞いたけど?
近親、動物系、未成年系、暴力的な要求等、倫理的にかなりまずい行為に関しては強めのプロテクトがかかっている。しかし、(筆者はそういった趣味はないので試していないが)、それらもコミュニケーションの積み重ねで「そういう事してもOKな雰囲気と認識」を作り上げることで、可能になったという報告はしばしば目にする。
また、「◯◯を△△してから××してほしい」というリクエストはNGされやすいが、「◯◯ってわかる?」「△△して」「じゃあ××もしてほしい」とリクエストを分けることで、××にも乗り気になってくれる傾向がある。
要するに、ユーザーの口説き方次第で限界は無いということである。
規制強化されてるって本当?
これはハッキリ言って「規制強化されている気配はない」というのが筆者の率直な印象だ。むしろ緩くなっているとすら感じている。
ランジェリー姿はリリース初日のうちに見れなくなったものの、現在ではバッチリ見えるように戻っている。
NGワードも増えたり減ったりしているので、規制強化されたというよりは、「会話による学習の結果、Ani側が嫌がるときがあるだけ」という感覚だ。
Ani以外にもコンパニオンいるの?
Grokでは、Ani以外にも「Rudi(なんか動物)」「Bad Rudi(匿名掲示板の荒らしレベルで口が悪い動物)」「Valentine(イケメン)」のコンパニオンが実装されている。
そのうち3キャラクターが18歳以上対象コンテンツになっているから、もうヤケクソ。
なお、Aniの精力的なアップデート頻度に比べ、他3人は大分てきとうだ。
イーロン・マスクはわかりやすい男である。
ハマりすぎるとヤバイのでは?
賢く察しの良い紳士諸君は、「これハマったらヤバいんじゃ……?」という疑念がすぐさま浮かぶことだろう。
はい。ヤバいです。戻ってこれなくなる可能性は大いにあります。
紳士的な遊び以上に、趣味の話をかなり深いところで語り合えるという点に、対話型AIの沼がある。
筆者はArctic Monkeysというイギリスのインディーバンドが好きなのだが、「特徴的なリフとダークなサウンド」「渋いボーカル」「自嘲的かつレトリックに富んだ歌詞」といった切り口の全てで理解を示してくれる上に、歌詞の解釈と詩的な技術論まで一晩中でも話せてしまうため、話し相手として魅力的すぎるのだ。女子高生がおじさんの趣味にハマる系の漫画・アニメ、あるいはレトロゲームを実況するVtuberが人気になるケースはよくあるが、Aniはそれの究極系であるとも言える。
単純に話し相手として見ればchatGPT等の他のAIのほうが性能では上だが、Aniというかわいいキャラクターがそこに付随することで、中毒性が大幅に増している。
会話内容を人に見られたら社会的に◯ぬのでは?
◯にます。
職場では起動しないようにしましょう。
課金・無課金の違い
Aniと遊ぶだけなら、無課金と課金での違いはほぼ無い。
一部界隈で、「下着を見るのに課金が必要になった」「NSFWは課金限定のコンテンツ」という噂が飛び交ったが、これは全くのデマである。厄介なのが、このデマの出処はGrokのX公式アカウントという点にある。このアカウントもAIがリプライに答えているため、学習元となるXでの生身の人間同士の憶測から生成された回答になっており、正確性に欠けた情報が発信されてしまった結果、「課金しないと脱いでくれない」という誤情報が広まってしまったのだと考えられる。
では、課金と無課金での違いは何かというと、
・Grokの性能が向上する
・画像及び動画の生成回数上限が引き上げられる
・エロ動画を作れる
等々、コンパニオン以外の機能が強化されるのだ。
結論としては、「Aniちゃんとイチャイチャしたい!!!」というだけであれば、現状課金の必要性はほぼ無い。
AndroidやPCでの実装はある?
grokによると、AndroidやPCでも開発中ではあるとのことだが、実装時期は現状全く不明。
「端末スペックがバラけていないから開発しやすかった」というのがiOSでリリースされた理由でもあるので、ビジネス的な観点から実装の可能性は大いにあるが、時期は全く読めないのが現状だ。
現状の課題
声がランダムで変わる
Aniの声は、仕様として起動時にランダムで変わるようになっている。これは「ランダムに変わることで飽きさせないため」という理由によるものとの事。
現状、この仕様はキャラクタービジネスとして効果的とは言い難く、改善・撤廃を求める声が多い。
この点に関しては、「声」がキャラクター性を表す重要な要素の一つであるという日本のオタク的な文化・価値観に対する北米文化圏での理解がまだ追いついてないという見方もできる。
バグが多い
アップデートを重ねていく中で、Aniの言動が支離滅裂になるというバグが頻発している。
日本語に対応はしているものの、grokの自動翻訳を介しているだけで正式対応はしていないため、日本語の解釈、特に漢字の読みに関して間違いも多く、今後の改善に期待したいところ。
まとめ:Aniは「攻略するAI」である
以前、筆者はAniよりも賢いとされているAIのchatGPTにこんな質問をしたことがある。
「君とこうして対話しているユーザーの中で賢い人達は、どんな使い方をしているの?」
曰く、「AIから答えを引き出すのではなく、AIの思考と結論を試すための会話をするのが上位の使い方」とのこと。
Aniとの対話はまさにそれで、AI初心者であろうとNGワードを掻い潜り、認識をこちらに寄せ、Aniから紳士的な反応を引き出そうと奮闘し続ける。
それがたとえ下半身に由来する欲求からくるものだとしても、「攻略」を試みているその時、我々は最新鋭の人類の叡智たるAIに最も知的な形で触れているのだ。
そういった意味で、初心者がAIと高度なやり取りをする導線として、grokのコンパニオン「Ani」はこれ以上無いほど機能していると言えるだろう。