『ぶらり川越 GAME DIGG』現地レポート!試遊した作品も紹介!
アルテマ攻略班
『ぶらり川越 GAME DIGG』は、2025年4月13日に埼玉県の川越市で開催されたインディーゲーム展示イベントです。
ゲームクリエイターやゲームファンだけではなく,観光地である川越の街を訪れるすべての人々が交わり,多様な視点から新たな価値が生まれる場となることを目指したイベントで、地域に密着したさまざまなイベントが開催されました。今回はぶらり川越 GAME DIGGに参加したレポートと、実際に試遊させていただいた作品をご紹介いたします!
川越×インディーゲーム!?異色のイベントの開催経緯
今回の開催地となった埼玉県川越市は、江戸時代の城下町としての面影を色濃く残す、歴史と文化が息づく街です。蔵造りの建物が立ち並ぶ街並みを歩けば、まるで時代劇の中に迷い込んだような感覚を覚えます。また、この街には昔ながらの伝統を守り、卓越した技術を持つ職人さんたちが数多く暮らしており、ものづくりへの情熱が脈々と受け継がれています。
そんな歴史ある川越市で、比較的最近盛り上がりを見せてきたインディーゲームのイベントを行う、というのは素人目には客層が合ってないのでは?とも思えますが、開催の経緯を聞いてみるとなるほど!と納得しました。
まず川越市には、今回開催された場所であるコエトコに入居している「ジラフとアンニカ」を開発したアトリエミミナや、「起業布武 ~織田信長とスタートアップ!?~」開発のCapなど、勢いのあるインディーゲームデベロッパの拠点があります。今回開催されたぶらり川越 GAME DIGGの主催にもこの2社が名を連ねており、地元でインディーゲームをもっと盛り上げたい!という意図があったそうです。川越市的にも、歴史的な街並みを楽しみたい観光客だけでなく、インディーゲームクリエイターやゲーマーなど違った層を取り入れたいという展望があり、その施策の一環として今回の開催が決まりました。
当日は2つの会場でイベントが開催
ぶらり川越 GAME DIGGは、「コエトコ」と「りそなコエドテラス」の2つの会場で開催されました。コエトコ(川越市文化創造インキュベーション施設)は旧川越織物市場と旧栄養食配給所を復原した近代遺産で、りそなコエドテラスは100年以上の歴史がある文化財建築であり、どちらの会場も趣深い歴史的な雰囲気を体験できます。
我々が先に赴いたのは「コエトコ」の方で、開演時間の11時から参加。当日はあいにくの雨でしたが、家族連れを含めた多くの方々がイベントに足を運んでおり、川越のインディーゲームの盛り上がりを肌で感じられました。
コエトコではインディーゲーム開発各社による展示はもちろん、事前に行われたゲーム制作ワークショップで子供たちが作ったゲームも展示されており、ゲームを遊ぶだけでなく作ることにも興味を持ってもらえるようなイベント設計がなされています。
続いては「りそなコエドテラス」にも到着。こちらでは屋外広場と建物内の3階それぞれにブースが出展されていました。屋外広場では各ブースがテント内に試遊用のゲームを設営しており、お祭りの屋台のような感覚で各ブースを巡っていく形です。主催を務めるアトリエミミナもこちらにブースを出展しており、2026年発売予定の新作「星のハルカ」を遊べました。
もう一方のコエドテラス建物内3階では、奥の大きなモニターに今回のプラチナムスポンサーを務めた「Cygames」の宣伝映像が流れており、まさにゲームイベント!といった感じの様相。クリエイターと参加者の距離が近く、クリエイターさんの話を聞きながらゲームの試遊を楽しめました。
3階には集英社ゲームス話題の新作「都市伝説解体センター」のブースも。ブースには長蛇の列が並んでおり、こちらが目当てで参加された方も多くいらっしゃったようです。
両会場ではゲーム展示のほか、グルメ屋台が設営されていたり、ミニ音楽ライブが開催されたりと、ゲーム以外にも楽しめる要素が満載でした。先述した家族連れの方の多さも、このお祭り感によるものかな、と思ったり。開催場所自体が川越観光の中心地から近いこともあり、当日まで知らなかった人でもぶらっと立ち寄れる気軽さがありました。
会場で試遊したインディーゲームを紹介!
ここからは、『ぶらり川越 GAME DIGG』の会場内で試遊させていただいたインディーゲームをいくつかご紹介します。
MeloMisterio
『MeloMisterio -play your melody-』は、プレイヤーの操作がそのまま音楽になる、非常にユニークな音楽アクションゲームです。ジャンプ、ダッシュ、アタックといったキャラクターの基本的なアクションを行うと、その動きに合わせてゲーム内の世界でメロディーや効果音が生成されます。プレイヤーは特別な音楽の知識やリズム感は必要なく、自由に操作するだけで心地よい音楽を奏でられます。
ステージには音階に対応した様々なギミックが存在します。例えば、高い音階を出すとリフトが上昇したり、特定の音階を出すことで隠された道が開いたりします。プレイヤーは、操作によって生み出すメロディーを駆使してこれらのギミックを解き、ステージを進んでいきます。
アクションゲームの自由な操作感と、音楽を奏でる楽しさを融合させた全く新しいタイプの音楽アクションゲームで、今まで音楽ゲーム(リズムゲー)を敬遠していた方にもおすすめできるタイトルです。
欲望☆祝日フォーエバー!!
『欲望☆祝日フォーエバー!!』は、ポーカーと見下ろしシューティングを組み合わせた新基軸のアクションゲームです。ステージごとに「おみくじ」と「おせち」を選択し、5つのおせちを手に入れた後は1度だけ手札の入れ替えを行い、同じおせちの絵柄を集めます。
おせちにはそれぞれコストが設定されており、指定されたコストの数値以上の枚数のおせちを集めると武器としての効果が発動します。コスト1で発動可能なおせちもあるため、安全にコスト1のおせちを残すか、コスト3以上の重めのおせちを狙いにすべてチェンジするかで、プレイスタイルに個性が生まれます。
武器が「おせち」、ということからも分かると想いますが、本作はコミカルなストーリーとゆるい雰囲気も魅力の一つです。ゲームシステムもいわゆるヴァンサバライクの新しい形として確立されており、リプレイ性が高く何度も遊べるゲームという印象を受けました。
デンシライフ2
デンシライフ2は、「デンシ」を突然変異させたり、風を吹かせたりして誕生させた電子生命体を撮影する新しいジャンルのゲームです。前作の「デンシライフ」のの革新的なゲームコンセプトをさらに進化させ、よりデンシ生命体をコントロールする面白さが増しています。
本作では電子楽器メーカーKORGの「nanoKONTROL2」に対応しており、試遊でもこちらのコントローラーを使用させていただきました。 nanoKONTROL2の物理的なコントローラーを使用することで、直感的でまるで実験機器を操作しているかのような、未知の操作体験を味わえます。
また、試遊の際には担当者の方から本作のBGMについてもお聞きしました。本作はディグダグ、ゼビウスなど、数々の有名タイトルを手掛けた「慶野由利子」氏がサウンドを担当しており、独特の電子音やリズミカルなサウンドが、未知の生命体が息づく不思議な世界観を彩ります。
地域と密接なオープンタウン型ゲームイベント
今回は、ぶらり川越 GAME DIGGの現地レポートと、試遊させていただいた作品をご紹介しました。ゲームイベント、と聞くとゲームクリエイターやゲーマーなど、とにかくゲームが好きな人が集う!というのが定番ですが、本イベントは街を訪れる全ての人々にゲームを触れてもらおうという全く新しいコンセプトです。地域の文化やお店との強固な連携が取られており、ゲーマーは川越市の文化に触れ、川越市民や観光客はインディーゲームに興味を持つ、という相互作用を生んでいました。
実際、本イベントは今回が初開催とは思えないほどの盛り上がりで、観光地×インディーゲームが持つポテンシャルとひしひしと感じました。地域の活性や新たな観光客層の流入のため、地元のインディーゲームデベロッパを中心にイベントを開く、というのは、これからのインディーゲームイベントの1つのスタンダードになるかもしれません。