モミボスプレイレビュー!メトロヴァニア型の高難易度2Dアクション!
アルテマ攻略班
MOMIBOSU(モミボス)とは
タイトル | MOMIBOSU(モミボス) |
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ジャンル | 精密2Dプラットフォーマー |
発売日 | 2025/1/16(木) |
プラットフォーム | steam |
開発 | Peng氏 |
『MOMIBOSU』(以下モミボス)は、Peng氏が6年かけて開発した個人制作の2Dアクションゲームです。
主人公は地底世界の村で暮らす少年アッシュ。アッシュと幼馴染の少女インガーが、共に村を出て外の世界を目指す場面からゲームは始まります。
フワリとしたビジュアルですが、描写の端々に見え隠れするダークな倫理観とSF的な世界観、そしてゲーマーを腕まくりさせる高難易度アクションが特徴の作品です。
こんな人におすすめ
- アクションゲームのRTA走者
- 正確なアクションの操作を求められるゲームです
- アクションゲーマーとしてのプライドがある
- 挑戦しがいのある難所が多数存在します
- LIMBOやStray等のストーリーテリングが好き
- 背景やセリフの端々で匂わせる不穏な世界観が魅力
メトロヴァニア型の2Dアクション
モミボスは、いわゆる「メトロヴァニア」に属する探索型の2Dアクションゲームです。
マップを探索しながら、移動方法を増やすアイテムや鍵を集めて新たなエリアを開拓していく……といったオーソドックスな形式を本作は採用しています。
ただし、本作の肝はメトロヴァニア形式よりも、「精密な操作を求められるアクション」にこそあります。
本作のアクションは、走る、ジャンプ、ダッシュ(空中可)、攻撃といったシンプルなものです。それらのアクションを方向の入力、あるいはニュートラルで正確かつ素早く制御することで難所を抜けていくという、2Dアクションの原点的な部分に特化した作風となっています。
つい意地になってトライしてしまう構成
本作に登場する難所では、その場所で有効なアクションのヒントが用意されています。
序盤は特にヒントのある場所が多く、「どうやって進めばいいのかわからない」という状況に陥ることはほぼありませんでした。
おおよそ求められているアクションを把握した上で何度か試して、「このタイミングで横入力、その後はニュートラルか」といった具合に、プレイヤー自身が気づきやすい構成でステージは作られています。
が、実際に指がその通りに動くかは別。
何度も即死トゲにぶつかりながら、「だから今のところはニュートラルからの空中ダッシュやろがい!何回ミスってんねん俺は!!」と叫びつつ、進み方はわかっているからこそ、成功するまでムキになって挑戦してしまう作りになっている点が本作の魅力。
そして成功ムーブはRTA走者になったかのような流麗な動きをしてくれます。そこで得られる成功体験と成長の実感の心地よさも、本作の醍醐味です。
ゲームスピード変更で初心者でもプレイできる
デフォルトの状態では非常に難しいゲームですが、コンフィグからゲームスピードを変更できるため、アクションゲームに不慣れでもクリア可能です。
連続した精密なアクションを求められる場面でも、ゲームスピードを下げることでゲーム側から求められる操作をしっかりこなした上で、障害を乗り越えていく面白さをしっかり味わえます。
かく言う筆者も、ゲーマーのはしくれ。しばらくはゲームスピードを落とさずに挑戦を続けていましたが、中盤あたりでその安いプライドはへし折られ、ゲームスピードをちょっと……いや大分下げてどうにか越えたエリアが徐々に増えていくことに……。
アクションに集中できるリトライ&耐久システム
本作には、いわゆる残機という概念はなく、失敗しても遷移したエリアの最初からすぐに何度でもリトライできます。
また、耐久についてはFPSのように被弾してから時間経過で回復していくシステムを採用しており、即死系のトゲを除けばワンミスまでは可、連続で被弾しなければゲーム続行できる仕組みです。
残機や回復リソースを気にせず、目の前のアクションにひたすら集中できる設計です。
アイテムによる救済措置もあり
本作では探索を通して様々なアイテムを入手でき、それによって主人公の攻撃力、耐久力、機動性を向上させます。
アイテムの多くは寄り道エリアに救済措置的な意味合いで配置されているため、RTAとして遊ぶ場合、アイテムの取捨選択も重要になりそうです。
パリィを駆使するボス戦
各エリアの要所ではバリエーション豊かなボスが配置されており、ギミックへの対応やパリィを使った戦闘が繰り広げられます。
パリィの成功判定は緩めなので、トライ&エラーの中で「わかってるのに判定が厳しすぎて……」という状況にはならない程よい塩梅。
パリィ後はスタンが発生し、そこから連続攻撃を叩き込めるという意外と(?)モダンな仕組みも用意されています。
ネタバレになるため詳細は避けますが、中盤あたりからのボスのデザインと設定もなかなかブッ飛んでおり、本作の独特な世界観の表現に一役買っています。
不穏さが見え隠れする独特な世界観
主人公アッシュが暮らすのは、暗い地下世界です。住民達はモグラを主食として生活しており、ゲーム開始数秒後にはモグラを解体している住民を確認できます。
が、そこから数歩進むと、モグラが友達のノリで接してきて、「僕のこと食べたりしないで」と語りかけてきます。この時点で既にちょっと不穏な世界観です。
ゲームを進めていくにつれて、この「ちょっと不穏な世界観」は、「いや結構ヤバイな?」「大分ヤバイな?」「相当ヤバイな?」「制作者さん????」といった具合に不穏さの段階が上がっていきます。
奇怪な植物が生い茂るフィールド 地下鉄にしか見えない意味深なエリアもまた、各エリアの背景もバリエーションがあり、コンパクトながらも二人旅をしている感覚をしっかり体験できます。
パッド操作では斜め入力に注意が必要
ゲーム内でのヒントがパッドでの表記になっていることから、本作はパッドでの操作を推奨しているタイトルです。
筆者もXboxコントローラーのスティック操作主体でプレイしましたが、本作は斜め方向への入力判定がかなり広めにとられているため、意図せず斜めに判定を吸われる事が多々あり、この点に慣れるのに時間がかかってしまいました。
パッドを使う場合は十字キー主体で操作したほうが良いでしょう。
アクションに自信アリならぜひプレイを
モミボスは、アイテムや設定で難易度を下げられるとはいえ、総合的にはコアなアクションゲーマー向けのタイトルです。
もしあなたが、アクションの腕に自信がある「我こそは」というゲーマーなら、ぜひプレイしてみましょう。