『Whispers in the Moss』プレイレビュー!レトロな雰囲気が魅力のRPG!
アルテマ攻略班
『Whispers in the Moss』は、フィンランドを拠点とするゲーム開発者「Uncultured Games」が手掛ける、PC向けRPGです。
90年代の日本のRPGを多大にリスペクトした作品で、8bitや16bitで描かれるグラフィック、JRPGからインスピレーションを得た多数のBGMが、懐かしさを感じさせてくれます。今回は、そんなWhispers in the Mossのプレイレビューをお届けします!
JRPGの魅力を凝縮
Whispers in the Mossは、90年代JRPGの魅力をふんだん詰め込だRPGです。物語は小さな漁村から始まり、やがては世界を巡る大きな冒険へと広がっていきます。
パーティメンバーは、主人公の「オリオン」とヒロインの「ヴェーダ」、そして用心棒の「ベリン」の3名です。オリオンとヴェーダに関してはプレイ開始時に簡単なキャラメイクができ、愛着を持ちやすい容姿でゲームを進められます。
レトロな雰囲気が満点のグラフィック
本作のグラフィックは、すべて8ビットまたは16ビットのドット絵で描かれています。ドット絵の魅力を感じる部分は人によって違うとは思いますが、筆者は「制限がある中で洗練された表現」と「プレイヤーの想像の余地がある」の2つが魅力と捉えており、本作ではそれが存分に感じられました。
何より特徴的なのは、本作はただのドット絵ではなく、ANSIの文字コードでグラフィックを描いている点です。これは恐らくですがRPGでは初の試みで、ただドット絵が懐かしいだけではなく、「文字コードでこんな表現までできるのか」という驚きまで与えてくれます。
世界を彩るBGMにも注目
JRPGといえば、世界観を彩るBGMも魅力の1つに挙がります。本作のBGMはUncultured Gamesの『Tapio』氏が50曲以上を描き下ろしており、 それぞれの状況で流れる多様なBGMによってゲームの世界に命を吹き込んでいます。
BGMの良さはゲームを進めるうえでのモチベーションに繋がり、「次の街ではどんなBGMが聞けるんだろう」という期待感を持ちながらプレイできます。
また、Steamの公式紹介ページに「植松伸夫」氏や「下村陽子」氏の名前が上がっている通り、本作では旧スクウェアのRPG(ファイナルファンタジー、キングダムハーツ、ライブアライブ等)のテイストをリスペクトしたBGMが多い印象でした。これらのゲームが好きだった方は、より本作のBGMにハマると思います。
バトルはFF風のATB方式
Whispers in the Mossのバトルは、行動ゲージが溜まったキャラから順番に行動するアクティブターンバトルです。味方キャラにターンが回ってきたら、攻撃や固有アクション、黒/白魔法といったコマンドの中から最適な行動を選び、バトルを進めていきます。
戦闘画面がサイドビューである点も含め、バトルの遊び心地はドット時代のFFに近いです。敵の行動パターンを読んだり、複数の属性の中から弱点を見つけるといった、コマンドRPGの原点的な面白さを体験できます。
自由度の高い冒険を楽しめる
本作は、自由度が高くプレイヤーの選択によってさまざまな冒険が楽しめるのも魅力の1つです。ここからは、自由度の高いゲーム性を実現している3つの要素をご紹介します。
サイドクエストや釣りなどのミニゲームが充実
本筋であるメインストーリー以外に、世界の人々から受けられる「サイドクエスト」を進めたり、モンスター狩りや釣りなどのミニゲームを遊ぶなどの寄り道要素が豊富に存在します。ストーリー攻略に詰まった時は、一度寄り道してみると強力な装備や魔法を入手できるかもしれません。
レベルアップ時に上げるステータスを選べる
パーティメンバーがレベルアップした際には、HPやMP、攻撃力といったステータスの中から1つ選び、そのステータスをさらに強化できます。バランスよく割り振って安定した戦闘を求める、攻撃力に特化させて短期決戦を狙うといった戦略をステータスの割振りの段階から考えられます。
選択肢や行動によってカルマ値が変化
会話でどの選択肢を選ぶか、ストーリー中においてどんな行動を取るかによって、主人公の「カルマ値」がLIGHTまたはDARKに変化します。主に善性な行動や選択肢を選ぶとLIGHTに、邪な行動や選択肢を選ぶとDARKに傾きます。
「女神転生」や「タクティクスオウガ」などをプレイ済みの方なら、カルマ値によって何が変わるかはある程度予想がつくことかと思いますが、詳細はぜひ自分でプレイして確かめてみることをおすすめします。
現代に蘇ったクラシックRPGを体験
今回は「Whispers in the Moss」のプレイレビューをお送りしました。往年のJRPGの要素をふんだんに取り入れて現代に蘇らせた作品で、懐かしさがありながらアートの独自性による目新しさも兼ね備えています。
現在は日本語非対応なのがややネックですが、今後日本語パッチが開発される可能性は十分あるので、とりあえずウィッシュリストに入れておくのが良いかもしれません。全編英語でも気にならないという方は、すぐにでも遊んでみる価値があるでしょう!