「KAMITSUBAKI STUDIO」によるスマートフォンブラウザ向け謎解き体験ARG「神椿市建設中。」ゲームレポート
アルテマ攻略班
2021年10月4日、KAMITSUBAKI STUDIOがアフターコロナ時代における新しい“遊び“を産み出すオリジナルIPプロジェクト「神椿市建設中。」をリリース。「神椿市建設中。」が何なのかというと、「離れていても繋がっている」体験と物語を軸に、仮想都市「神椿市」の隠された謎をプレイヤーが読み解いていく新感覚のARGなのだが、正直これだけでは全貌がまるでわからない。
「神椿市建設中。」を全力で楽しむにはまず、「KAMITSUBAKI STUDIO」が何なのかを理解する必要があると個人的に思っている。
1ヶ月間、「KAMITSUBAKI STUDIO」の魅力を語りつつ、「神椿市建設中。」のプレイレポートをしていこうと思う。
「神椿市建設中。」の始まり
KAMITSUBAKI STUDIOとは
「KAMITSUBAKI STUDIO」とは、簡単に言うと"YouTube発のクリエイティブレーベル"だ。それでも「いや、わからん...」となる人もいるだろうからまずは公式の説明を読んでほしい。
KAMITSUBAKI STUDIOは、「YouTube発のクリエイティブレーベル」として、バーチャルシンガー、ボカロP、音楽アーティスト、イラストレーター、映像クリエイター、小説家など多種多様な”異能”たちが集結し、音楽から物語を生み出していく集団として2019年に発足しました。 所属アーティストたちとともに、日々研鑽しながら様々なクリエイティブ、音楽、物語を生み出しています。 |
入りとしては、「様々なアーティストが所属する事務所」だと認識してもらえればいい。しかし、KAMITSUBAKI STUDIOには他の事務所とは違う点や、特徴が存在する。
バーチャルアーティストの存在
KAMITSUBAKI STUDIOには、「花譜」「理芽」「春猿火」「ヰ世界情緒」「幸祜」「te'resa」「CIEL」の計7名のバーチャルアーティストが所属している。今となっては、バーチャルな存在がアーティストとして活動したり、レーベルに所属することなどそこまで珍しくもない。しかし、KAMITSUBAKI STUDIOが発足した2019年当時では、そこまでバーチャルアーティストが"アーティスト"として世間的に躍動する姿はそこまで確認できていなかった記憶がある。
そんなKAMITSUBAKI STUDIOは、今ではバーチャルに留まらず、音楽的な側面からクリエイティブな側面まで幅広い年齢層の幅広いジャンルの人達から支持されたレーベルになっている。
その中でも特にV.W.Pと呼ばれる「花譜」「理芽」「春猿火」「ヰ世界情緒」「幸祜」の5名が今回ゲームに絡んでいるようだが、実際はどうなんだろうか。
花譜
日本の何処かに棲む、何処にでもいる、何処にもいない17才。 様々な偶然により発見された類い稀な歌声を持つ次世代型バーチャルシンガー。 2018年10月、バーチャルアーティスト・バーチャルインスタグラマーとして、仮想世界を拠点としながら現実世界への活動を本格始動。以来、彼女の歌声とSNSにアップされるリアルとバーチャルが融合されたミュージックビデオや写真が話題を呼び、フォロワーが急増。現在、YouTubeチャンネル登録者数は50万人を超え、累計再生数は1億回を突破した。 |
理芽
日本の何処かにいる19歳。 日本語の歌、英語の歌、韓国語の歌が好きな謎めいた目をした女の子。 透明感と艶やかさが同居する不思議な歌声を持つ、ジャンルと国境を横断する可能性を秘めた次世代バーチャルシンガー。 |
春猿火
10代、20代の若者が抱える想い、エモーションを歌とラップに込める、バーチャルラップシンガー。 時に台風のように力強く、時にあどけない少女のように、パワフルで変幻自在な歌唱力で聴き手の心を引き込む。 |
ヰ世界情緒
自らの歌と創作で世界を表現することを夢見る、バーチャルダークシンガー。 力強く儚い歌声で、"ヰ世界情緒"というキャンバスの上に闇と光、新しい物語を紡ぐ。 |
幸祜
ロングトーンの美しさと浮遊感のある歌声が魅力のバーチャルロックシンガー。 唇からこぼれる歌は、言葉の代わりに彼女の秘めた想いを世界に届ける。 |
ゲームの特徴
依頼(『Q』)をこなして荒廃した神椿市を復建する
「神椿市建設中。」がどんなゲームなのかおさらいしておこう。上でも説明したが「仮想都市「神椿市」の隠された謎をプレイヤーが読み解いていく新感覚のARG」というのがゲーム内容なのだが、それだけじゃ正直掴めない。
プレイヤーはスマートフォンを利用して、神椿市に潜む様々な『Q』に挑戦。 中には、1人だけでは解決出来ない、仲間達と協力をしなければならない『Q』も立ちはだかります。 |
公式からも明言されている通り、プレイヤーは協力して『Q(問題)』を解いていく。『Q』を解く度に、「神椿市」という仮想都市の全貌が明かされていく、という仕組みだ。筆者自身、ARGというゲームジャンルに触れたことがないこともあり、とにかくARGというジャンルを深掘って、「神椿市建設中。」の概要を何度も読み直して「神椿市建設中。」というゲームを1番わかりやすく説明する文言に辿り着いた。
「復興課からの依頼(『Q』)をこなして、荒廃した神椿市をどうにか復建させてくれ」
もうこれしかない。あまり難しくゲーム性を理解しようとすると逆にわからなくなる。難解に見えてシンプル。ただ、依頼自体はかなり難解だったことはあとで記載しよう。
Discordを使ってプレイヤーと繋がる
「神椿市建設中。」最大の特徴と言ってもいいだろう。復興課からの依頼(『Q』)をDiscordを使って他のプレイヤーと協力して解いていくのだ。これを最初知った時「そんなことできるんです?!」と思ったけど、実際1万人近いユーザーがDiscord内で協議をしている様子を目の当たりにして衝撃を受けた。
Discordサーバーには、考察スレから各『Q』を解明し合うスレ、そして運営からのリアルタイムでのお知らせが流れてくる。「神椿市建設中。」をプレイする人は、絶対Discordに参加してみてほしい。
物語が進んでいく
『Q』を解くことで物語が進んでいく。個人的にかなり気になっている部分で、神椿市に具体的に何が起きたのか、そして復興課とは、この少女達は何者なのかがゲーム序盤の時点で気になって仕方なかった。しかし、物語を解明していくには、『Q』を解いていかないといけないため、「みんなまかせた...」と真剣な眼差しでこのゲームを見守っていこうと思う。
実際やってみた
2021年10月4日の12時、「神椿市建設中。」の公式HPにQRコードが提示された。本作は、スマートフォンを使ったブラウザゲームであり、PCからの操作はできない。早速QRコードを読み込む。
こんなお洒落なスマホのゲームトップ画面が今まであっただろうか。いや、お洒落以前に、ゲームの世界観の作り込みが凄すぎる。このトップ画面で一気にゲームの世界観へ引き込まれたような気がする。
トップ画面を抜けると、自身のアイコンと名前を設定していく。選べるキャラは男女合わせて8名。性別によって物語に何か変更があるかはこの時点では不明。誰かに見られることないんだし女の子キャラにしようと全てが決定した後に、このゲームのレビューを書くことを思い出す。
滞在登録標が発行されたのだが、なぜか「土」の字が印字されている。ちなみに「火」「水」「土」「風」の4種類で、この属性的なものが現状『Q』を解いていく上でどう関係していくのかはわからない。
キャラ設定が終わると、「神椿市建設中。」のOP「痛みを」が流れ始める。断片的にゲームの場面が散りばめられていて、世界観と楽曲の組み合わせが妙にマッチしている。
神椿市建設中。#04「神椿市建設中。」 OP
OPが終わると早速ストーリームービー「星が落ちる前に」が流れ始める。会話自体が断片的なワードがあったり、抽象的な表現が多く、理解するのが難しかった。恐らくゲームを進めていけば、会話の意味や物語の繋がりが垣間見えてくると思っている。みんなまかせた...。
そしていよいよ『Q』について触れていこう。1つ目の『Q』は、「二律背反の広場」。ドキドキしながらタップすると、まだ解決可能ではないと表示されている。解決できる時間は18時ということで時間まで待つことに。
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何が起きたんです?そして、これはなに?『Q』の開始が18時、そして『Q』が解かれたのが18時6分、驚異のスピードで謎が解かれていて、何が起きたのかわからなかった。
Discordのスレを確認して何が起きたのかわかる範囲で解説しようと思う。
Q1「想い出の場所」は、位置情報による単語当て。「十二月二十八日に一人歌う」が答えなのだが、地名の頭文字が「十二月二十八日一人で歌う」になるそれぞれの箇所で位置情報を確認するとクリアになるみたいだ。
Q1の写真 |
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心臓と絡繰のワンシーン |
写真の場所は「渋谷ハチ公口自転車駐輪場」で、これは花譜の「心臓と絡繰」のMVのワンシーンに使われた場所。「十二月二十八日」というのはまさしく「心臓と絡繰」のMVの投稿日となっている。
これはKAMITSUBAKI STUDIOを、花譜を知らないとピンとこない問題であったが、どっちみち正解を導き出すには位置情報が必要であって、プレイヤー同士の協力がないと解けなかった。しかし、いきなり位置情報を使った問題とか、本当に1人の力じゃ『Q』は解読されていかないんだなと開幕から思い知らされる結果となった。
「心臓と絡繰」 【オリジナルMV】
「神椿市建設中。」レポート1回目のまとめ
楽しみで仕方なかった「神椿市建設中。」だが、筆者自身今まで体験したことないゲーム性に驚かされることばっかりだった。元々KAMITSUBAKI STUDIO自体のファンということもあって、ゲームの開幕から一気に没入することができた。問題を解ける自信はないが、どのような過程で『Q』が解かれ、神椿市の謎が紐解かれていくのかこれから最後までレポートしていければと思う。