「KAMITSUBAKI STUDIO」によるスマートフォンブラウザ向け謎解き体験ARG「神椿市建設中。」ゲームレポート5
アルテマ攻略班
KAMITSUBAKI STUDIOがアフターコロナ時代における新しい“遊び“を産み出すオリジナルIPプロジェクト「神椿市建設中。」。謎解き要素をメインに『Q』と呼ばれる謎を解明しつつ、プレイヤーが協力して神椿市の復興を目指していく。
1ヶ月続いた「神椿市建設中。」もいよいよ最後となる。難解な謎解きからミニゲームまで様々な『Q』が出題され、物語が進行していくにつれて「神椿市」の謎も明かされていく過程も「神椿市建設中。」の魅力だろう。1つ目の『Q』から始まった連載も今回で最終回をむかえる。
目次
「神椿市建設中。」21~31日目振り返り
NO.21「声なき声」
あなたは放送局に着いた。
「ここは奴等がお前達の世界へ干渉するための中枢だ」 |
解説と概要
答え | とかなくてしす |
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21個目の『Q』である「声なき声」は、公式Discordサーバーを活用した謎解き。サーバー内に「デマゴギー放送局」というボイスチャンネルが突如出現したと思ったら、不気味なノイズ音が流れ始める。
ノイズ音が5分程響き渡ると変化が訪れて、謎の断片的な音声が流れ始めた。正直、この謎の音声が全然聴き取れなくて、Discord内の共創者で言葉を集めながら解読していく姿が印象的だった。
① | 今日未明、荒牧総理は最近の細瑾につき声明を発表。 近年の様々の問題につき「ごめん」を言いまひた。 |
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② | 山登るマン、不明に。日記の記載には「我誤った」。警察や兵隊は殺された、もう来ませんよ。 |
③ | プロ魔球は、超大魔法、ハンター星団にめっちゃ大差。一位のゴールインを決める。 |
④ | 昨日午後、政府は民全員を恍惚に導きたい旨を発表。「誰も不幸にせん」を前面に。エフェヌリン配布。飲め。 |
⑤ | 今日の相場は1ミル1008ケン。プロ相場マンたちは大もうけ。市場は大荒れ。殺されんようにね。 |
⑥ | 今日午前、中央の道、急に割れる。お馬さん3体不明に。あんまり歩いたバチみたい。気をつけよう。 |
約5分おきに流れた断片的な言葉は、6種類のメッセージをループしながら聴き取れる箇所を変えていく。それを解読して漢字に起こした言葉が上記のものとなるが、「...それで?」となってしまった。ここから使われていない仮名を割り出すと「かくしすてとな」の7文字が浮かび上がる。文字を並べ直すと、いろは歌の縦読み文字である「とかなくてしす(咎無くて死す)」となり、まさに「声なき声」のタイトル通りの答えが導き出されたのだ。
あなたは放送局へ入り込んだ。
「悪くないな」 ※一部抜粋 |
公開された物語
「――っ!」
わたしははっと我に返った。 「どうしたの化歩ちゃん!?」 ※一部抜粋 |
そう言ったのは10歳くらいの、 可愛い男の子だった。 この子も移住者だろうか? ※一部抜粋 |
NO.22「絵画の真実」
あなたは放送局の中を進んだ。
「制御室は奴等に隠されている。オレもずっと探しているが、まだ見つけられていない」 |
解説と概要
答え | 星の快楽死とキルケの最後 |
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22個目の『Q』は、再びARアプリ「真実の鏡」を使った謎解きだった。謎の記号が12個あり、恐らくこの記号に文字を当てはめて1つの言葉にする必要がある。そして、「真実の鏡」の中にうっすらと浮かび上がる「星月夜」がヒントのようだ。
① | 星月夜(ゴッホ) |
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② | アテナイの学堂(ラファエロ・サンティ) |
③ | 快楽の園(ヒエロニムス・ボス) |
④ | 死と生(グスタフ・クリムト) |
⑤ | オデュッセウスに杯を差し出すキルケ(ジョン・ウィリアム・ウォーターハウス) |
⑥ | サーカスの客寄せ(ジョルジュ・スーラ) |
⑦ | ポンペイ最後の日(カール・ブリューロフ) |
今回の『Q』は、絵画のタイトルから言葉を抽出して1つの言葉を作り出すものだった。「星月夜」は、ゴッホの作品で、絵画の画像をインターネット等で探して鏡で読み取るごとに次の絵画の一部が浮かび上がる。浮かび上がる画像に書かれたヒントの文字はそれぞれどこかしらが黒塗りになっていて、絵画のタイトルをそこに当てはめて、黒塗り部分を抜粋して全てを繋げると答えとなる。勝手な偏見かもしれないが、絵画がでてくると謎解き感がすごくて、全然推理に貢献することはできなかったけれど考察を見ていて興奮した。
鏡に映した様々な名画が、あなたに道を 指し示した。 携帯電話は沈黙したまま。 ※一部抜粋 |
公開された物語
それからわたしたちは、 『記憶の卵』を探し始めた。 あの男の子の言う通り、 ※一部抜粋 |
此処ちゃんの言う通り、 そこが少し不気味だった。 いろんな人たちの記憶を見て来たけど、 住民が消えた理由に関する記憶は、 一つもなかった。 派流ちゃんも さすがに気になるという風に言う。 ※一部抜粋 |
NO.23「少年」
あなたは放送局の中を進んだ。
曲がりくねった通路を抜け、ついに制御室へ ※一部抜粋 |
解説と概要
23個目の『Q』は、YouTube Live「神椿市建設中。都市開発通信Vol.4〜鳴動〜」にて花譜と理芽が麻雀に挑戦。視聴者達との協力によって『Q』が解かれた。解かれたが、解いたというよりはあがった、という方が正しいのかもしれない。
生きている間に花譜と理芽が麻雀を打つ姿をお目にかかれるとは思わなかった。見たいようで見たくないような、よくわからない光景に圧倒されながら、「麻雀で5回あがる」ミッションを遠目から見守った。
YouTube Live「神椿市建設中。都市開発通信Vol.4〜鳴動〜」
ガチャン。 黒い錠前が開き、床に落ちて消えていく。 制御室への扉は開いた。 ※一部抜粋 |
公開された物語
わたしたちは、 教会らしき建物に足を踏み入れた。 内部は普通の教会とは違っていた。 ※一部抜粋 |
そうして像を見つめていると、 やがて狸眼ちゃんが声を上げた。 「・・・・・・あ、見て。そこにも記憶の卵がある」 見れば狸眼ちゃんが指さす先、 ※一部抜粋 |
STORY MOVIE「奪回」
公園で少女は振り返った。 もう追ってくる黒い影はいない。 安堵の息をもらす少女。 「何とか逃げ切れたみたいだな。よかったよかった」 ※一部抜粋 |
NO.24「歌」
あなたは、公会堂にやって来た。
ステージの上で、少女が歌っている。 ※一部抜粋 |
解説と概要
答え | 祭壇の歌詞を埋める |
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24個目の『Q』は、1つ目の『Q』と同じく、黒塗りになった箇所を位置情報を使って解放していく謎解きだった。黒塗りになった文字を解放すると、V.W.Pのオリジナル楽曲である「祭壇」の歌詞が現れた。
あなたは歌った。
その『想い』が届いたのだろうか。 ※一部抜粋 |
公開された物語
――私がこの神椿市に来てから、 どれくらいが経つのだろう? 時間の感覚は、とうに消えた。 ※一部抜粋 |
この手記まで辿り着いた貴方なら、 もうわかっていると思う。 神椿市は謎に満ちている。 ※一部抜粋 |
STORY MOVIE「鍵」
少女は歌い切った。
いつの間にか、暖かな光が少女の 虚空から神秘的な形をした鍵のような ※一部抜粋 |
NO.25「捜索」
「少しまずいことになった」 少年からの連絡を受けて、あなたは放送局へ戻ってきた。 ※一部抜粋 |
解説と概要
25個目の『Q』では、NO.7「捜しもの」でプレイした「神椿市立アーカーシャ書籍館」の続きをプレイできた。前回同様、紙片を集めて本の修理をしていくというものだったが、ゲーム自体の完成度がとにかく高い。
謎解き要素も難しすぎず、どちらかというと終始ワクワクしながらプレイできた。これは「神椿市立アーカーシャ書籍館」を実際にプレイして体験してほしいのだが、1つ1つの本の物語自体がどれも面白く、「ミニゲーム」というにはもったいないほどのクオリティだった。
あなたは脱出口を捜し当て、少年と共に飛び込んだ。
気が付くと、あなたと少年は打ち捨てられた地下道に居た。 ※一部抜粋 |
公開された物語
・・・・・・どうやら終わりの時が来たらしい。 今私がいる教会の周囲は、 実体化した影の群れに囲まれている。 ※一部抜粋 |
――その手記を読み終えたわたしは、我に返った。
恐ろしい内容に、体がカタカタと震えていた。 ※一部抜粋 |
NO.26「かみつばき☆学園、再び」
地下道の中、溢れ出る闇から逃げる少年とあなた。
迫り来る闇を背に走りながら少年は言う。 ※一部抜粋 |
解説と概要
「かみつばき☆学園、再び」のタイトル通り、NO.16で登場した「かみつばき☆学園」の続きをプレイすることができた。プレイ内容は基本的に変わっておらず、4人の女の子と交流しながら会話の中で最善の選択肢を選んでポイントを獲得していく。
狸眼 | 此処 | 世界 | 派流 |
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「神椿市立アーカーシャ書籍館」にも言えることだが、この「かみつばき☆学園」も息抜きでやるミニゲームの枠を遥かに超えている。しっかりと各キャラごとのトゥルーエンドも用意されていて、物語として続きが気になる上に、化歩視点ではあるがちゃんと没入して最後までプレイすることができた。
あなたは学園を駆け抜けた。
振り返る。 ※一部抜粋 |
公開された物語
狸眼ちゃんの言葉に、派流ちゃんもうなずいた。
「この手記が本当なら、そういう事になるね・・・・・・!そして街が崩壊した原因は、前に私たちも見た、空が黒く染まる現象のせい・・・・・・!」 ※一部抜粋 |
「メール!?」
びくっとしてスマホを取り出すと、復興課からのメールが来ていた。 ----------------------------------------- ※一部抜粋 |
NO.27「走る」
あなたと少年は、地下道を走り続けている。
背後から迫る蠢く闇。 ※一部抜粋 |
解説と概要
NO.20「反攻」で登場した「神椿学園大運動会」が再び開催された。連打をして1位を狙うというシンプルな競技性に、条件を達成していくことで得られるキーワードを届けることでポイントを多く獲得できるこちらのゲームはルール自体は前回と変わらなかった。
前回は、連打の苦手な筆者は人任せですぐ2~3回ほどプレイしてリタイアしたのだが、今回は刻印ごとでポイントを競うルールとなっていて、なんとしてでも頑張らねばいけない状況だった。
ポイントを多く獲得できる条件がさらに増えていて、基本的に1位を獲得する前提のものが多かったので、鬼の連打は必須。最終的に指の感覚はなくなり、謎に腕全体も動かなくなったが、日常生活で連打する機会なんてないからまさに運動会後の達成感のような気持ちになった。
あなたは走り切った。
息を整えて気づく。 ※一部抜粋 |
公開された物語
零番街のビルに向けて、わたしたちは急ぐ。 その途上で、空に異変が起きた。 (あれは・・・・・・!) ※一部抜粋 |
やがて、メールに記されていた住所に着いた。 そこにあった廃ビルに入り、 地下に続く階段を駆け降りる。 降りた先には、施錠された鉄扉があった。 |
NO.28「反撃」
溢れかえる闇から逃げ、地下街のゲームショップに辿り着いたあなたと少年。
少年が店の奥から古い段ボール箱を持って来た。 ※一部抜粋 |
解説と概要
答え | all your base are belong to us |
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28個目の『Q』は、まさかの協力ブロック崩し。一体どこまでミニゲームが仕込まれてるのだろうか、とにかくゲームのバリエーションが豊富すぎる。ブロック崩しは、30個のステージに分かれており、クリア後に提示されるアルファベットや記号を組み合わせることで答えの「all your base are belong to us」が完成した。
「all your base are belong to us」は、2000年初頭に流行したネットミームで、所謂「AYB」というやつだ。最近ネットでちょこちょこバズったりしてる日本語の稚拙な英訳の元祖みたいなもので、当時は間違いを指摘する時に使われていたりしたそうだ。
あなたはブロックを崩し切った。 どこか下の方から悲鳴が聞こえた気がする。 少年が額の汗をぬぐった。 ※一部抜粋 |
公開された物語
「情報集積デバイス・・・・・・!?あんた人間じゃなかったの!?」
復興課を名乗る鳥に、派流ちゃんが尋ねる。 ※一部抜粋 |
ー『この街が崩壊し、全ての住民が消滅する』ー その事実を聞かされたわたしたちは、言葉を失っていた。 やがてかすれた声が、わたしの口から洩れる。 ※一部抜粋 |
NO.29「『想い』を集めて」
あなたと少年は地下街を走り抜け、中央通りに辿り着いた。
少年は、街の中央にそびえ立つ巨大な建物を見上げる。 ※一部抜粋 |
解説と概要
謎が解かれるまでに20時間以上を要した29個目の『Q』。『Q』が出現してから解読されるまで、リアルタイムでも見ていたし、解読後の解説も読んだのだが、全然理解できていない。解説スレを何度も読んだけど、それでも1ミリもわからない状態なので、公式サーバーの解説スレを参考に超簡潔に分かる範囲で解説する。
解読までの流れ
① | プレイヤーに配られた1089個の数字を集め、33×33マスの表を作ることになる |
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② | 表からQRコードが作成できることが判明 |
③ | QRに必要な数字は共創者にランダムで配られているため困難なんじゃないかとざわつく(QRコードはマスの約85%が必要) |
④ | 85%未満の状態で無理やりデータを読み出そうとする技術班が現れる(かっこよすぎる) |
⑤ | 技術班がノイズの中から「key:asteroids」という文字を見つけ出す |
⑥ | asteroidsは「小惑星」で、共創者に配られた数字(28~555292)と実際に存在する小惑星の小惑星番号が合致することが判明 |
⑦ | そして、合致する小惑星の全ての名前がB(black)あるいはW(white)から始まっていることも判明 |
⑧ | B(black)とW(white)という側面から、「名前の頭文字を使って白黒の絵を描く」ことで新しいQRコードができることが判明(何を言ってるの...?) |
⑨ | 新しいQRコードから出力される文字列が不安定すぎて読み取れず解析班は就寝 |
⑩ | 深夜になってSNSなどから数字を集め、自身でも別アカウントを作成してとにかく数字を集めだす真夜中の解析班が突如現れる(だからかっこよすぎるって) |
⑪ | 朝になって94%の数字が集まるが、そこから解析された文字列は「【:ay~pmu; `tqv〟ぶ彥弡で尡惤昣ィ筢ぐる」で絶望する |
⑫ | 絶望の中、新たな暗号解析班が登場し、1つ目のQRコードから解読した「key:asteroids」から別の文字列が解読できるんじゃないかと解析が始まる |
⑬ | 試行錯誤していく内に「ヴィジュネル暗号」で解析できることが判明 |
⑭ | 「ヴィジュネル暗号」を使って「【:ay~pmu; `tqv〟ぶ彥弡で尡惤昣ィ筢ぐる」を解読すると、「【(Number) Name】の型式で小惑星を答えよ」という文字が浮かび上がる |
これが解読までの流れなのだが、終始何を言っているのかわからない状況が続いた。というか、未だに続いている。「ヴィジュネル暗号」なんて学校で習ってないよ。
あなたは『想い』を集めた。
暖かな輝きが辺りを満たす。 ※一部抜粋 |
公開された物語
――輪廻此処はその光景を見て、戦慄した。 突如現れた魚の影が、実体化して復興課を襲い、丸呑みにしたのだ。 「しま、った・・・・・・!」 ※一部抜粋 |
テセラクターの群れは、周囲の建物も住民たちも、全てを喰らっていた。 谷置狸眼はその様子を、信じがたい思いで見ていた。 (う、嘘でしょ・・・・・・!?) ※一部抜粋 |
STORY MOVIE「決戦」
黒い霧に覆われたかつての市庁舎を、 少女は決然として見上げる。 「・・・・・・」 少女の周りに集まった『想い』が ※一部抜粋 |
NO.30「重ね合わせの迷宮」
少女が市庁舎に入っていくのが見えた。 少女を追い、あなたと少年も市庁舎の中へ踏み込む。 ――眩暈――。 ※一部抜粋 |
解説と概要
30個目の『Q』も解読までに相当な時間がかかった。とにかく解読までに複雑な道のりを進んでいくのだが、まさに迷宮。「神椿市建設中。」のスタート当初からプレイヤーたちが「クロスワード」と呼んでいた画像があった。この「クロスワード」は今までに神椿のpixivや、noteのQ&Aなどで登場しており、さらには「神椿市建設中。」の公式Twitterからも『Q』の始まりに合わせて新たなクロスワードが提示された。
過去に提示された「クロスワード」を色ごとに重ねて解読すると「パンダ、パトカー、罪」という3つのワードが浮かび上がることが判明。わかっているとは思うが、筆者はすでについて行けていないので解説スレやみんなの解説を参考に書いている。
3つのワードを今度はオウムに質問形式で投げかけると、「カフネ」という楽曲の歌詞の一部を返してくることが判明。過去に花譜が「カフネ」のカバーをしているため、そのYouTubeに飛んでみると、概要欄に謎のURLが貼ってあるのが判明する。そこからV.W.Pのメンバーそれぞれが過去に投稿したカバーの動画に辿り着いていく。
カフネ covered by 花譜 |
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ピースサインCovered by 理芽 |
空白 RAP VERSION covered by 春猿火 |
蜜月アン・ドゥ・トロワ covered by ヰ世界情緒 |
アトラクトライト / covered by 幸祜 |
幸祜の「アトラクトライト」の概要欄のURLから落とせるファイルから、「2d=1s」という文字列が入手できた。その後、共創者宛に以前の『Q』のグループにメールが届く。届いた音声ファイルをスペクトログラムという形式にすると「2days=1second」という文字が浮かび上がった。「2d=1s」は「2days=1second」だよということらしい。
では、「2days=1second」とは何なのか。日本語にすると2日と1秒なのだが、全く意味がわからない。そこで共創者は、今までに入手したクラシックの音源を、「花譜、理芽、春猿火、ヰ世界情緒、幸祜のデビュー日から2日あたり1秒」の長さに変換しだす。なぜその結論に辿り着いたのか本当に謎というかもう同じ人間だとは思えなかった。すごすぎる。
変換して、同様にスペクトログラムにすると「3-1、4-2、21-3、24-6、19-1、2-1」という数字が現れるのだが、これは「Qの番号-最終貢献者の名前の何番目の文字か」ということが判明する。これに沿って文字を当てはめていくと「そらがくらく」という文字が出現。
「そらがくらく」をV.W.PのYouTubeの「魔女(真)」の概要欄で発見されたリンク先に入力すると、また謎の画像が出現。全く意味がわからないが、この謎の画像を参考に、今まで集めてきたファイルの中に残っていたノイズ画像を合成して、立体視すると「//運命は変えられる」の文字が出現。よって、答えは「//運命は変えられる」だ。うん、わからん。
あなたと少年は、重なり合った迷宮を抜けた。
辿り着いたのは、市庁舎の最上階。 少女が立っていた。 ※一部抜粋 |
公開された物語
走る狸眼たちを追いながら、 朝主派流は考えていた。 狸眼は ※一部抜粋 |
『逃げられないなら、立ち向かえばいい』 その言葉は夜河世界の胸を、強く震わせた。 テセラクターの大群を見た時から、彼女は確信していた。 ※一部抜粋 |
NO.31「扉」
市庁舎の最上階に辿り着いたあなたと少年。
そこであなたが見たのは、そびえ立つ巨大な扉。 ※一部抜粋 |
解説と概要
31個目の『Q』は、タイトルの「扉」そのままに謎の数字が並んだ扉のような画像が貼られていた。この数字は物語の断片の上下左右に記載されていたモールス信号を解くことで答えが導き出せるものだった。
29,30個目の『Q』の印象が強いのもあって、一瞬で解読されることになった。モールス信号を読み解くと「5人の魔女すなわち花譜理芽春猿火ヰ世界情緒幸祜が歌う歌の名を唱えよ」と解明されるので、花譜、理芽、春猿火、ヰ世界情緒、幸祜それぞれのオリジナル楽曲、またはV.W.Pの楽曲のタイトルを入力していくことでクリアされた。
『Q』の進行は「神椿市建設中。都市開発通信Vol.5〜終局〜」の放送内で実況されていた。
少女は『鍵』を扉の鍵穴へ差し込んだ。
『鍵』は光になって扉へ吸い込まれ、そして―― ※一部抜粋 |
公開された物語
世界ちゃんの言葉を聞いて、わたしは決意した。 わたしも諦めずに、最後まで抗おうと。 わたしは自分の意志で、 ※一部抜粋 |
STORY MOVIE「扉の向こう側」
扉が重いきしり声を上げながら、 ゆっくりと開いていく。 「いよいよだな」 傍らに立った少年の声に少女は頷く。 扉をくぐった。 ※一部抜粋 |
STORY MOVIE「もう一度星が落ちる前に」
荒廃した街並。
「ありがとう。来てくれて」 不意に後ろから声をかけられ、あなたは振り向く。 ※一部抜粋 |
NO.32「もう一度、あの場所から」
あなたは街の中央にある広場を訪れた。
ひび割れた記念碑。 ※一部抜粋 |
解説と概要
答え | 三月十三日に五人歌う |
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最終日、生放送と同時に、ここから怒涛のスピードで残りの『Q』が解かれていく。32個目の『Q』は、Q1「想い出の場所」と同じように位置情報を使って文字を割り出していく。1つ目の『Q』の「十二月二十八日に一人歌う」は花譜の「心臓と絡繰」のMVの投稿日であるのに対し、今回の答えは「三月十三日に五人歌う」。これは花譜の2nd ONE-MAN LIVE「不可解弐Q2」を指している。
あなたはその場所の『想い』を届けた。
広場を覆っていた黒い煤が消えていき、 ※一部抜粋 |
NO.33「共に」
図書館は、ねばつくような暗闇に 覆い尽くされていた。 「ハラヘッタ! ハラヘッタ!」 ※一部抜粋 |
解説と概要
答え | コノ世界ハ私タチノモノダ |
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「神椿市建設中。」でずっとお世話になったオウムを使った謎解き。これでオウムとの絡みがなくなると考えると少し寂しい気持ちになった。とんでもない人数に同時に話しかけられても対応するとんでもない対応力を持つオウムの言葉によって33個目の『Q』も一瞬で解かれた(少しバグってしまったようだが)。
「ソレダ! ソレダ!」 オウムが羽をばたつかせた。 図書館を覆っていた暗闇が晴れていく。 ※一部抜粋 |
NO.34「鏡と想い出」
あなたは中央通りに面した画廊を訪れた。
店の壁に飾られた、たくさんの絵。 ※一部抜粋 |
解説と概要
答え | 世界を見るうそは世界 |
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「神椿市建設中。」の『Q』の中でも特殊であり特徴でもあるARカメラ「真実の鏡」を使った『Q』。この辺からなんとなく感じていたが、今まで活用したギミックや謎解きの手法の総集編のような展開が最終日に展開されていた。
鏡は真実の姿を映した。
画廊の中に充満していた黒い埃が消えていく。 ※一部抜粋 |
NO.35「声二つ」
あなたは放送局に着いた。 その周りを夥しい数の黒い影がうろついている。 少女が呟く。 ※一部抜粋 |
解説と概要
答え | とりなくうた |
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Q21「声なき声」同様に、「デマゴギー放送局」がDiscordに現れる『Q』。こちらも一瞬で解読されてしまったので簡潔に解説するが、「声なき声」はいろは唄の「とかなくてしす」が答えだった。いろは唄にはもう1つキーワードがあり、それが「とりなくうた」だったということだ。本当に一瞬で解読されていたから何が起きたかわからなかった。
あなたと少女は放送局へ入り込んだ。
「悪くない」 ※一部抜粋 |
NO.36「再戦」
あなた達は市庁舎の最上階に辿り着いた。 そびえ立つ巨大な扉へ踏み出す少女。 「この向こうに祭壇がある」 ※一部抜粋 |
解説と概要
答え | V.W.P! |
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36個目の『Q』は、「扉」同様に物語の断片の上下左右に記載されていたモールス信号を使って解読していく。答えは「V.W.P !」。カードのモールス信号を綺麗にまとめたものが公式Discord内にプレイヤーが貼り付けているスプレッドシートなどに上がっているのだが、かなり絶景なので興味ある人はスレを覗いて一度見てみてほしい。
少女は『鍵』を扉の鍵穴へ差し込んだ。
※一部抜粋 |
STORY MOVIE「祭壇」
扉が重いきしり声を上げながら、 ゆっくりと開いていく。 少女は扉をくぐる。 そこにはやはり何もなかった。 ※一部抜粋 |
NO.37「わたしたちのうた」
あなたは『想い』を伝えた。
集まった『想い』が輝きながらカタチをなしていく。 それは祭壇――。 ※一部抜粋 |
解説と概要
最後の『Q』は、見たことのない楽曲の歌詞を、地名の文字を用いて埋めていく『Q』だった。NO.32~NO.37はこれまでの『Q』を解決してきた方法や知識を使ったラスボス戦のようだった。しかし、共創者たちは慣れた感じで全ての『Q』を一瞬で解いていく。
生放送でラストスパートのように解かれていく『Q』を眺めながら、まるでRPGの最後のような感覚に浸ってしまった。いや、謎解き参戦しろよと言われそうだが、本当にとんでもないスピードで解かれていたため、入るスキがなかったのだ。
あなたも歌った。
たくさんの『想い』が彼女達に集い、 ※一部抜粋 |
公開された物語
みんなにもわたしの想いは、 伝わったようだった。 それがわたしたちの戦いなのだと。 狸眼ちゃん、派流ちゃん、 世界ちゃん、此処ちゃん。 ※一部抜粋 |
『Q』の進行は「神椿市建設中。都市開発通信Vol.6〜再生〜」の放送内で実況されていた。
「神椿市建設中。」を1ヶ月プレイして
わりと早い段階から謎解きは諦めてしまっていたため、果たして1ヶ月プレイできたのかと言われると疑問だが、1ヶ月間、共創者たちの謎解きを見ていて思ったことを少し振り返ってみようと思う。
『Q』の謎解きは「位置情報」「ARカメラ」「暗号」「伏せ字のアナグラム」「オウム」「モールス信号」の6つがメインだった。どれもスマホやSNSなどをフル活用したゲームシステムで、謎解きというシンプルなゲーム性にとどまらず常に新しいものに触れる感覚を味わうことが出来た。
本当は物語や神椿市に隠された様々な謎についても書いていきたかったのだが、『Q』のことを書くだけでボリュームが多すぎて手が回らなかった。物語の考察や、解明された『Q』の考察は今でも公式Discordサーバーで行われているため、気になる人は見てみてほしい。
作り込まれた『Q』と物語、そしてミニゲーム1つ1つのクオリティの高さは言うまでもないが、これまで活動してきたV.W.Pのメンバーの軌跡を上手く絡めたシステムがとにかくすごかった。花譜のデビュー時から「神椿市建設中。」を想定していたんじゃないかと考えてしまうほどよくできていて、KAMITSUBAKI STUDIOのファンはもちろん、初めてKAMITSUBAKI STUDIOに触れた人も楽しめる作品だろう。
神椿市建設中。DIVERGENCE
今回の謎解き体験は実は「神椿市建設中。EMERGENCE」というタイトルだったことがエンドロールで明かされ、今後、ここから「KAMITSUBAKI CITY UNDER CONSTRUCTION DIVERGENCE」として分岐し、複数のプロジェクトが展開されることが発表された。小説やTRPG、そしてノベルゲームとして「神椿市」はさらなる世界線へ展開していく。
神椿市建設中。CHRONICLE
「神椿市建設中。」を題材にした小説化が決定。
神椿市建設中。NARRATIVE
「神椿市建設中。」TRPG化決定。クリエイターのまだら牛さんの全面協力によるTRPG化が進行中。
神椿市建設中。REGENERATE
「神椿市建設中。」のノベルゲーム化が決定。グラフィックデザイナーのオクソラ ケイタさんがImage Visualを手掛ける。