PUBGと荒野行動の法廷闘争再燃
アルテマ攻略班
PUBG(KRAFTON)が荒野行動(NetEase)に対して、ゲームの模倣を理由に争い、和解したはずの裁判が再度勃発。海外の情報を基にまとめてみた。
PUBG開発元とNetEaseが再度裁判
世界的認知を持つバトルロイヤルゲーム(以下バトロワ)の「PUBG: BATTLEGROUNDS(以下PUBG)」の開発元を子会社に持つ「KRAFTON」が、日本で人気のバトロワである「荒野行動」の配信元である「NetEase」と再度紛争が発生したようだ。
今回の裁判は過去に「NetEaseのゲームがPUBGを模倣している」という理由で知的財産権の侵害についての裁判を行い結果和解したが、今回その和解の際に締結された条約を守っていないとの事で再度KRAFTONとNetEase両社間で紛争が発生した模様。
海外のゲームメディアである「GamesIndustry.biz」に本件の情報が出ているので、気になる方は見てみよう。
最初の訴訟は2018年
KRAFTON社がNetEase社に対して最初となる訴訟を起こしたのは、時を遡ること2018年4月頃である。
内容はNetEase社が配信する「荒野行動」「ルールオブサバイバル」の2タイトルにおいて、自社のタイトル「PUBG」と内容が酷似しており、NetEase社が知的財産権を侵害しているとの内容であった。
「PCゲーマーならば名前を知らない人間はいない」といっても過言では無いほど、世界的にも名を馳せているゲームであったことも有り、またタイトルを比較した際、恐らくだが誰の目から見ても「PUBGと同じ」という反応だったため、海外で起きた訴訟だが、日本国内でも大きく取り上げられ話題となった。
タイトルの類似点
PUBGとの類似点は、ゲームをやるだけであった私として「色々かなり似ている」といっても差し支えがなく、ゲームシステム、マップ、アイテム、100人で同時に戦い、最後の1人になるまでというコンセプトも一緒。
荒野行動において言えば、PUBGのキービジュアルと、当時の荒野行動のキービジュアルすらも似ていたと記憶している。
当時、KRAFTON社も「PUBG MOBILE」のリリースが、訴えを起こした同年5月に控えていた事もあり、バトロワというジャンルの本家としては、ここまでゲームが酷似しているゲームの存在はたまったものではない状況だったろう。
荒野行動は広く認知される結果に
訴訟の情報が流れた結果、「荒野行動」の認知度は爆破的な広がりを見せ、今現在でも日本ゲームアプリの中でも人気タイトルの一つで有り続けている。
「荒野行動」がリリースされたのは2017年の11月であり、当初は当然今ほど知られているわけではなかったが、2018年に本件が発生した事をきっかけに大量のユーザーがプレイを始めた。
そして、モンストやパズドラなど強豪ひしめく日本国内アプリのセールスランキングにおいても、TOPラインに常に君臨するようなほどの売上もついてきた印象だ。
PUBG模倣についての裁判開始
PUBG模倣についての裁判は、米カルフォルニア州の連邦裁判所で裁判が行われた。
KRAFTON社側としては、損害賠償請求と「荒野行動」「ルールオブサバイバル」2タイトルの配信差し止めを希望し、NetEase社と争う展開。
両社の言い分
海外の情報を追ってみると、両社間の言い分は以下の通りである。だが、海外の英字ニュース参照のため、すべて文面通りの表現ではない事を補足で付け加えておく。
KRAFTON社は2タイトルのゲーム画像を参照、PUBGとの類似点を挙げ「NetEase社はPUBGの模倣品を作り、安価な価格設定で市場展開する違法行為を行っている」と主張。
対するNetEase側の主張としては「KRAFTON社が著作権を利用して、同ジャンルの独占に動き、市場競争を阻害しようとしており、恥知らずである」との反論を述べた。
KRAFTON社の伝えたかったこと
しかし、KRAFTON社側が本件の裁判でNetEase側の主張を真っ向から反論、言いたいことが違うと伝えた。
内容を「ジャンルの独占という話をしていなく、PUBGというゲームの中にあるユニークや特徴、表現を守りたいだけだが、NetEase社が言っていることは、今回の著作の侵害を隠すための反論だ」と言っているようだ。
更に、「荒野行動のリリース後にNetEaseは数多くの不正を起こしている」と主張し、NetEase社と法廷で戦ったとのこと。
和解まで
前述の様な流れで2018年4月から始まった法廷闘争は、2019年3月に和解の情報が流れ、決着を迎えた、当時はどうやったら和解の流れになるのだと大変興味があり調べたものだが、
結果としてどういうやり取りが両社間で行われ和解に至ったのかの経緯は、今現在においても開示されていないため不明なままである。
そして2023年現在再度の法廷闘争開始
今回冒頭で述べたように「和解の条約が守られなかった」という報道が成されたので、NetEase社が当時守ることを約束した契約があり、反故にされたことで再度法廷闘争が開始される。
現在の状況として、NetEase社は「条約を破ったことを認め、すでに是正済み」とすでに発表をしているが、KRAFTON社は「複数個の条約を守っていない」と、すでに主張に食い違いが起きている。
裁判は米カルフォルニア州の裁判所で、開始されるとのことで、前回和解した事もあり今回の裁判は一体どの様な決着を成すのかが、非常に気にあるところである。
裁判所側の見解
本件において、サンフランシスコ裁判所が「両社で決めたことの表現の曖昧さが起因」と見解を述べており、裁判官は「本件はKRAFTON社側の勝訴する可能性が高い」と判断しているようだ。
今後について
今後も、裁判の行方はとても気になる所であり、もともと「これは大変な裁判になるだろう」と思っていた先のまさかの和解による決着だったため、次に大変興味がある。
ただのゲーム好きの人間である私としては「平和に済めばいい」と思う反面、荒野行動がPUBGを模倣しているという認識をもっている人間ではあるため然るべき結果が訪れたら納得するだろう。
ゲーム市場が国を問わず、良い広がりを見せるためにも、再度の裁判になった本件は、今後仮に類似した問題が発生した際に、結果次第では一つの重要ケースとなると考えている。