Googleの新ゲームプラットフォーム「Stadia」とは?アクセス方法や性能まとめ
アルテマ攻略班
Googleが発表したゲームプラットフォーム「Stadia(スタディア)」の情報、性能をまとめています。Stadiaでできることや今後の展開など、ゲーム業界に及ぼす影響なども紹介していますので、Stadiaを知りたい人は参考にしてください。
目次
「Stadia Connect」で価格や対応タイトルが発表
日本時間6月7日午前1時から配信された「Stadia Connect」にて、「Google Stadia」に関する多くの最新情報が発表されました。購買サービスとなる「Stadia Pro」の月額の価格や対応タイトルの一部が明かされましたほか、サービス開始時期も判明しました。
サービス開始は2019年11月
Stadiaのサービス開始時期は2019年11月と発表されました。サービスを受けれる地域はアメリカやイギリスを含めた16ヶ国で、日本は最新発表でも2019年のローンチ地域に含まれていませんでしたが、日本を含めた他の地域では2020年に順次サービスを開始すると発表されました。
「Stadia Pro」は日本円にして約1,100円
「Google Stadia」の購読サービスとなる「Stadia Pro」は月額9.99ドル、日本円にして約1,100円と発表されました。「Stadia Pro」は月額の料金を支払うことになりますが、無料で登録できる「Stadia Base」とは違い画質やサウンドの質が大きく異なります。
更に「Stadia Pro」に登録すると、ディスカウント価格で購入できる特典がある他、毎月いくつかのゲームタイトルがフリーで遊ぶことができます。
3色のSTADIAコントローラーは約7,500円
Wifi接続が可能で、ゲーム画面のシェアができるボタンやGoogleのアシスタントボタンが搭載されているStdiaの専用コントローラーの価格が69.99ドル、日本円にして約7,500円と判明しました。
配信ゲームタイトルの一部が判明
Googleは世界中の100を超えるパブリッシャーと連携していることが判明していますが、サービス開始時に対応したタイトルがいくつか発表されました。Ubisoftの「Ghost Recon: Breakpoint」や「Destiny 2」などの世界的に有名なシリーズの対応が明らかになりました。
特に「Destiny 2」は、Xbox One版とPC版からキャラクターが移行でき、「Stadia Pro」のサービス購読時に特典としてフルパックが同梱されていることが発表されました。
更に「ファイナルファンタジーXV」や「ドラゴンボール ゼノバース2」といった日本にも馴染み深いタイトルや、Stadia独占の新作ゲーム「Gylt」などのタイトルも発表されています。
ゲーム機不要のストリーミングプラットフォーム
Googleが発表したゲームプラットフォーム「Stadia」はゲームストリーミングプラットフォームとなっており、普段コンシューマーをプレイしているPS4やXbox Oneといったをゲーム機を使わずにゲームをプレイすることが可能です。
各ゲームをプレイする際、その対応しているハードウェアを所持しているか、所持していなければプレイできないという弊害がStadiaにより全て解決されます。それがStadiaのストリーミングの大きなメリットであり、革新的と言われる要因となっています。
ストリーミングがサービスの覇権を握る時代
現在音楽や動画は「Netflix」や「Spotify」などのストリーミングサービスが覇権を握る時代となっています。Stadiaでもそれらと同様にストリーミングサービスとしてゲーム業界の覇権を握る可能性を多く秘めています。
しかし、ゲームは音楽や動画とは違い、ユーザー側の動作に応じて環境が変わり、コンテンツの変動が頻繁に行われるものなので、遅延といった問題が気になる点ではあります。カンファレンスでは、低遅延で高クオリティのゲーミングの体験と発表されていましたが、少しの遅延で大きな影響を及ぼすFPSなどのシューティングゲームへの影響は不明となっています。
ハイスペックPCは必要ない
Googleのデータセンターでゲームを動かし、PCやスマホ(タブレット)、テレビで最新のハイエンドゲームを手軽にプレイすることができます。200以上の国に設置したデータセンターで動作や映像・音声の入力を全てインターネット上を通じてデバイスとやり取りを行うため、従来のようなゲーム機による性能の格差が生まれません。
最速5秒でゲームが起動
異なるデバイスをつなぐストリーミングプラットフォーム「Stadia」のメリットとして、遊びたい時に即座にゲームにアクセスできる利点があります。Stadiaでは、リンクを踏めば最速5秒でゲームを起動することが可能で、ゲームのダウンロードやアップロードも一切必要なく、端末から端末へ一瞬でゲームを移行することが可能です。
YouTubeキャプチャなどの共有に対応し、GDC2019でもアクセスの様子をデモンストレーションして見せました。
日本でのリリースは2020年以降
Stadiaの日本でのリリースは早くとも2020年だと判明しました。アメリカやイギリスなどの16ヶ国では、2019年よりサービスが開始されます。2020年より、日本を含めたその他の国では、順次サービスが開始されていく形式となっています。
開始時期と配信地域まとめ
開始時期 | 配信地域 |
---|---|
2019年 | ・アメリカ ・イギリス ・ノルウェー ・スペイン ・スウェーデン ・イギリス ・ベルギー ・フィンランド ・カナダ ・デンマーク ・フランス ・オランダ ・ドイツ ・アイルランド |
2020年 | 日本などその他の地域 |
2020年より16ヶ国以外の地域に順次サービスが開始されることは判明しましたが、日本ではいつ頃配信されるのかは不明です。アジアでいえば、中国や韓国といったゲーム大国が優先して配信されるのではないかと予想されます。
Stadiaへのアクセス方法
Stadiaへのアクセスにハードウェアは必要ありませんが、全てのデバイスからアクセスできるとも限りません。今後デバイスへの普及は広がっていくと思いますが、Googleでは、Chromeブラウザー、Chromecast、Pixelなどのデバイスで数十億人の人がアクセスすることが可能だと言われています。
スマホやタブレット、PCではもちろんのこと、Chromecastをテレビにつけている場合は、テレビからのアクセスも可能です。しかしカンファレンスでは、アップルへのデバイスの話が出てこなかったため、iPhoneなどのアップル製品のデバイスはどうなるか現状わかっていません。
最終的には、ほとんどのスマホでStadiaに繋げることも可能になってくると思うので、初期段階ではPCでのアクセスが主流になってくると思われます。
YouTubeとの連携
最近のバズるゲームの特徴としてYouTubeなどの動画配信や実況を皮切りに流行っていく傾向があります。最近で言うと、発表と同時にリリースされ、今もなお爆発的人気を誇る『Apex Legends』では、世界的人気ストリーマー「Ninja」に対しておよそ100万ドル(約1億円)を報酬を払い24時間の配信を行い大きな話題を集めました。
このNinjaの24時間配信は、リリースと同時に多くの人に『Apex Legends』というゲームを知り渡らせた大きな要因であり、SNSまたは動画配信サイトの流行が売れるゲームを生み出していることに間違いはありません。
ストリーミング自体「4K 60FPS」での配信になり、最終的には「8K 120fps」に対応するそうです。Stadiaが流行れば、自動的にYouTubeのストリームも並行して盛んになっていくため、ハードがなくても誰でも流行りのゲームをすぐにYouTubeを通してプレイできるようになります。
誰でも気軽に配信を行うことによって、ユーザーがよりゲームを発見できる環境が整います。YouTubeの普及は今やテレビを凌ぐと言われていますが、ゲームを普段プレイしない人にもゲームを目にする機会が増えていくことになります。
State Share
Stadiaには「State Share」という機能も搭載されています。世界中のプレイヤーとそのままプレイできる形でシェアができる機能で、リンクを踏むだけで全く同じ場所からゲームをプレイすることが可能です。
YouTubeで配信しているストリーマーのゲームの中に入り込むことができ、手軽にストリーマーと一緒にゲームをプレイすることが可能です。
ゲームタイトル
現状発表されているゲームタイトルはUbisoftの「Ghost Recon: Breakpoint」や「Destiny 2」、「ファイナルファンタジーXV」や「ドラゴンボール ゼノバース2」といったお馴染みの人気作品に加え、「Gylt」などのStadia独占タイトルが発表されています。
配信が決定しているタイトル一覧
タイトル一覧 | ||
---|---|---|
Darksiders: Genesis | ボーダーランズ3 | Destiny 2 |
Ghost Recon: Breakpoint |
トライアルズ ライジング |
ザ クルー2 |
Rage 2 | ウルフェンシュタイン: YOUNGBLOOD |
アサシンクリード オデッセイ |
Power Rangers: Battle For The Grid |
FINAL FANTASY XV | ドラゴンボール ゼノバース2 |
Gylt (Stadia独占) |
Get Packed (Stadia独占) |
参加企業
UBISOFTがサポートを発表しましたが、今後サポートを名乗るゲーム企業のタイトルが移行されていくと予想されます。UBISOFTはアクションゲームやアドベンチャーなどeスポーツタイトルも持っている企業ですので、幅広いタイトルを展開している企業が今後名乗りあげていくのではないでしょうか。
他の企業では、Unity、Havok、id softwareといった様々なデベロッパーとのパートナーシップを組んでいると発表しました。多くのゲームデベロッパーのサポートにより、ゲームストリーミングという革新さを飛び越えた新時代のゲームを多く生み出せるプラットフォームとして今後の展開が期待されています。
遅延問題
Stadiaの問題点として真っ先に気になったのが「遅延」の問題です。低遅延と発表されていますが、低遅延とはどのくらいの遅延なのかで快適にプレイできるゲームの幅が変わってきます。
FPS、TPS全般、「ニーア オートマタ」といった激しいアクションゲームはしばらくはPS4やSteamでのプレイが推奨される可能性があります。
遅延が影響しないStadiaに向いてるゲームは?
ターン制コマンドバトル・RPG |
---|
<主なタイトル> ・ポケモン ・ドラクエ ・FF ・ペルソナ ・.hack etc |
ストラテジー・SRPG |
<主なタイトル> ・ファイアーエンブレム ・XCOM 2 ・スパロボシリーズ ・ディスガイア ・サモンナイト etc |
TCG |
<主なタイトル> ・ハースストーン ・シャドーバース ・GODS UNCHAINED ・コントラクトサーヴァント ・ノヴァブリッツ etc |
おすすめのゲームジャンルは、数フレームの遅延が多発した場合でも影響が少ない同時ターン制バトルのゲームや、戦略性の高いストラテジー系のゲームなどが上げられます。
予想ではありますが、こういった遅延の影響を受けにくいジャンルのゲームから順次Stadiaへ移行していくのではないでしょうか。
料金は?
「Stadia Pro」は月額約1,100円
「Google Stadia」の購読サービスとなる「Stadia Pro」は月額9.99ドル、日本円にして約1,100円と判明しました。「Stadia Pro」は月額で料金が発生するものの、画質や音質など、無料サービスの「Stadia Base」と比べると高性能です。
そして「Stadia Pro」に登録することでディスカウント価格でタイトルの購入ができ、毎月複数タイトルのプレイが無料でできる仕様となっています。
「Stadia Pro」と「Stadia Base」の違い
Pro | Base | |
---|---|---|
価格 | 月額1,100円 | 無料 |
開始時期 | 2019年11月 | 2020年 |
画質 | 4k | 1080p |
サウンド | 5.1サラウンド | ステレオ |
フレーム レート |
60fps | 60fps |
特典 | ・ディスカウント ・毎月フリーゲーム |
不明 |
Proは月額の値段が発生するものの、最大4Kや5.1サラウンドなどPS4と同等のクオリティでゲームをプレイすることが可能です。一方Baseは月額は発生しないものの、Proと比べると低いクオリティとなっています。
月額の料金とゲームソフト代は別物であるため、Baseに登録したとしても、ゲームをプレイするにはゲーム代を払わないとプレイができません。Proでは毎月いくつかのフリープレイができるほか、ディスカウント価格での購入ができる特典があります。
eスポーツの普及
様々なゲームを快適にプレイできる利点として、eスポーツの普及が考えられます。Stadiaは敷居の高いハイスペックPCが必要ないため、スマホやタブレットなどでも気軽に対戦ゲーム(eスポーツ)をプレイすることが可能です。
やってみたいけど、環境がないというユーザーは多く存在していますが、その問題をStadiaでは解決されており、eスポーツに触れる機会が増えることによって、eスポーツへの関心が高まる可能性が高いです。
eスポーツタイトルはStadiaへ移行するのか
eスポーツは、ゲーム業界の市場へ大きな可能性を秘めたコンテンツでもあります。今後eスポーツタイトルがStadiaへ移行されていけば、プロゲーマーを目指すユーザー、またはプロゲーマー自体も増えていく可能性があります。
eスポーツというコンテンツを担うプレイヤーが増えることにより、市場は膨らんでいき、賞金が出る大会自体も増えていくことになります。プロゲーマーになったものの、生活が苦しいといった問題もStadiaにより改善されていく未来になっていく可能性があります。
VR・ARの関連性
Unityのサポート
マルチプラットフォーム「Unity」がStadiaをサポートするという発表がありました。UnityはこれまでもスマートフォンやVR・ARデバイスなど25以上のプラットフォームへの出力をサポートしており、StadiaでもVRやARの展開も期待されています。
これまで通りUnityエディタを使いStadia向けゲームの開発や公開をすることが可能になり、既存のUnityゲームをStadiaへ移植することも考えられます。2D画面のゲームで使えるStadiaでは、2D画面を多様したVR等のゲームもUnityのサポートによりHRへ多くの可能性を秘めたプラットフォームとなる可能性があります。
Stadia Controller
Stadiaにアクセスするためには、Chromeブラウザーがメインのインターフェイスとなり、同時にゲームをプレイするコントローラーも必要となります。PS4やXbox One、Nintendo Switchなどの既存コントローラーも使用可能ですが、「Stadia Controller」というGoogle独自のコントローラーも存在します。
Stadiaでは、「Stadia Controller」にあるYouTubeシェアボタン1つですぐに配信することができます。そして、「Stadia Controller」はWi-Fiに接続して使用するため、室内外問わず自由に活用することが可能となっています。
不明点まとめ
・日本でのリリース ・料金 ・インターネット接続 ・ゲームの種類 |
日本でのリリース
ローンチは2019年から開始されますが、アメリカ、カナダ、イギリス、ヨーロッパで、日本は現状未定となっています。年内中にローンチされるかは不明ではありますが、ゲーム市場で大きな影響力を持つ中国など、アジアへのローンチはそう遠くない未来だと考えます。
料金
とても便利で革新的だということはわかりましたが、Stadiaでゲームをプレイする際の料金はいくらなのか気になっている人も多いと思います。今回のカンファレンスでは明かされませんでしたが、そもそもサブスクリプションなのか、買い切りなのかも不明です。
音楽や動画といったストリーミングサービスは、サブスクリプションが主流ではありますが、値段次第で使用するユーザーが大きく変動していくと思われます。
インターネット接続
従来のゲームハードウェアは必要なくなりますが、どの程度のインターネット接続が必要なのかも発表されていません。ISPとGoogleサーバー間ではダイレクトに接続されるようですが、快適にプレイできる環境が明白にはわかっていません。
ゲームの種類
ストリーミングで手軽にゲームができてしまう、では何のゲームがプレイできるのか、種類や数なども明かされていません。サポートを発表したUBISOFTのタイトルは実装されると思われますが、今後どのようなゲームがプレイできるのか非常に気になります。
最新ゲームから、過去のゲームまで幅広く展開されていくことが期待されていますが、初期段階では移行しやすいゲームなど、ある程度の厳選が行われると予想されます。
6月のE3で発表されるか?
6月12日に開催されるE3でさらなる詳細が発表されるかもしれません。不明点で上げた項目はもちろん、新情報の追加も期待されます。