反マネーロンダリング法の実力を検証!海外から見た日本の仮想通貨規制

ニュース107

暗号資産(仮想通貨)に対する日本の規制は、海外からも一定の評価を得ています。さらに2023年6月1日からは、「反マネーロンダリング法」が施行されます。

こうした状況を海外の業界関係者はどのように見ているのか、仮想通貨取引所最大手のBinance(バイナンス)が配信したニュースをもとに検証してみます。

※1ドル=139.5円で換算

反マネーロンダリング法とトラベルルール

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日本政府は先日、より厳格な反マネーロンダリング(AML)法の導入を決定し、同法は6月1日に施行されます。この動きは、国際的金融監視機関の「FATF(マネーロンダリングに関する金融活動作業部会)」の要請に応えたものです。

FATFは日本の現行のAMLが不十分だと見なしており、日本の法的枠組みを世界基準の仮想通貨規制に合わせることを求めています。

FATF(Financial Action Task Force)とは、1989年のG7アルシュ・サミットにおいて、マネーロンダリングとテロ資金供与に対して設立された国際組織です。日本は設立メンバーの1つで、現在FATFの規制は世界200以上の国や地域で適用されています。

新AML法の狙いは、犯罪の追跡能力を高めることにより、「トラベルルール」の実効性を強化することにあります。トラベルルールとは、資産の送付を行う仮想通貨交換業者(取引所)が、送付依頼人と受取人に関する一定の情報を、送付先の仮想通貨交換業者に通知しなければならないという規制です。

この取り決めは国際的なものであり、3,000ドル(約418,500円)を超える仮想通貨の送金に関しては、すべての金融機関にトラベルルールが適用されます。通知される情報には、利用者名・住所・顧客識別番号・送付元と送付先のアドレスなどが含まれます。

5月19日から21日にかけて広島で行われたG7サミットでも、トラベルルールを推進することと、仮想通貨に関する世界基準を策定することの重要性が強調されました。さらにDeFi(分散型金融)と個人間取引に関わるリスクについて、FATFが果たす役割の重要性も再認識されました。

厳格な日本の仮想通貨規制

仮想通貨取引所が厳守すべきルール
・国内で取引を行うためには、金融庁の許認可が必要であること
・顧客資産と企業資産とは分離して保管すること
・正当性を確認するため、年に1度保有資産に対する会計監査を行うこと
・レバレッジ取引には上限を設けること
・顧客から預かった資金の少なくとも95%はコールドウォレットに保管すること

海外の認識では、日本は早い時期から仮想通貨を採用しており、法律上でも資産として認めている仮想通貨に寛容な国です。しかし一方では仮想通貨に対して、世界で最も厳格な規制を適用している国の1つとしても知られています。

日本の金融庁は顧客保護のため、仮想通貨取引所が厳守すべきルールを設けています。

今後期待される日本の役割

4月には自由民主党のWeb3プロジェクトチームが、国内の仮想通貨関連産業の拡大戦略を明記したホワイトペーパーを公開しました。これは規制された枠組みの中で、仮想通貨関連産業の成長と発展に、日本政府が前向きに取り組んでいることの表れです。

厳格化した反マネーロンダリング法とトラベルルールの強化により、日本は仮想通貨取引における透明性と安全性の拡充を図っています。またこうした施策を通じて、日本は仮想通貨の世界基準に従い、さらに強固な規制の導入を目指すことにも取り組んでいます。

新しい規制法は、仮想通貨規制における日本のリーダーシップを高め、デジタル資産に関するAMLの枠組みづくりを目指す国々にとって、基準的なモデルになることでしょう。

アメリカをはじめ規制が不安定な国々が多い中、仮想通貨業界は今後日本に目を向けることになるかもしれません。

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