2024年はドージコインに注目！DRC-20規格でトークンの可能性が拡大

ミームコインの1つだったDogecoin(DOGE：ドージコイン)は、独自のDRC-20トークン規格をローンチしたことで、独立した主要アルトコインとしての評価を高めています。では、このDRC-20は、ERC-20やBRC-20とは何が違うのでしょうか？その真相に迫ってみましょう。

※1ドル＝144.8円で換算

ドージコインに特化したDRC-20規格

DRC-20はEthereum(ETH：イーサリアム)のERC-20規格とよく似た、Dogecoinネットワーク内で利用できるトークン規格です。そのためデジタル通貨やDApps(分散型アプリケーション)としても幅広い用途が見込まれています。

さらにDRC-20はNFTもサポートしており、さまざまなデジタル商品のほか、アート作品やコレクションなどを扱うこともできます。

またERC-20やBitcoin(BTC：ビットコイン)のBRC-20と比較して、高速で低コストという特徴があり、今後はDRC-20の大きなメリットになる可能性があります。

ERC-20やBRC-20との違い

先発組のERC-20やBRC-20と比べると、DRC-20はより高速なトランザクション処理が可能です。しかも手数料が安いという特徴があり、頻繁な取引や多額の送金処理でも高いコストパフォーマンスを発揮します。

その一方でDRC-20は、あくまでもDogecoinのユーザーを対象にしているため、幅広いネットワークでの取引はできません。ただしNFTの扱いに関しては、ERC-20が別なプロトコルを必要とするのに対し、DRC-20では単独でNFTをサポートできます。

DRC-20の主要な機能

DRC-20には、トークンを発行して送金する機能があります。まずトークン発行準備は「deploy function(展開機能)」を使って、トークンの名前・シンボル・総発行数などを設定できます。トークンの特徴や、ブロックチェーン上での運用方法なども設定可能です。

実際のトークン発行には「mint function(発行機能)」を使用します。トークンの発行は最大供給量を超えない限り複数回可能で、発行されたトークンはすぐに総流通量に加えられます。

発行したトークンを送金する時には「transfer function(送金機能)」で実行します。この機能で簡単に、しかも安全にトークンを送金できます。

さらにDRC-20には「one-time transfer(1回限定送金)」という独自の機能があり、これを利用すると1つの送金コマンドは再使用できなくなり、二重支払いを防止するなど取引の安全性と安心感を高めることが可能です。

DRC-20規格に設けられた制限

DRC-20でサポートされる小数点は、最大で18ケタに制限されています。この制限はトークンの分割に上限を設けることになりますが、ユーザーにとっては十分な数値だと言えます。

一方でトークンのスマートコントラクト・コードで使用されるデータタイプは、符号なし整数128ビットに制限されています。またトークンの総発行数にも、符号なし整数64ビットの制限が設けられています。

これらは技術的な理由もありますが、効率的なコンピュータ処理を保証することと、トークンの価値と希少性を保つという重要な意味もあります。

DRC-20規格による実際の取引

Dogecoinネットワークで送金を行う場合、相手側のアドレスを特定して送金額を決めた後、システムが自動的にトークン残高をチェックします。残高が十分であれば、ネットワークのブロックチェーン技術により安全性が保たれ、相手先にトークンが送金されます。

取引はブロックチェーンに記録されるため、トランザクションの透明性と信頼性の証明が可能です。

送金プロセスでは、コスト面に留意する必要があります。DRC-20には手数料が安いというメリットがありますが、無計画に送金すると無駄なコストが発生するからです。また誤送金は直接損失につながるため、相手側のアドレスを慎重に確認する必要があります。

DRC-20規格はDogecoinネットワークを対象にしており、ERC-20やBRC-20のような汎用性が望めないかもしれません。しかし現在Dogecoinは、暗号資産(仮想通貨)時価総額で第10位にランクする主要アルトコインです。

DRC-20のメリットを活かして、2024年にDogecoinが飛躍する可能性は否定できないでしょう。