マイナー・クジラ・ETF・利下げ!ビットコインを取り巻く不安要素
前回の記事ではEthereum(ETH:イーサリアム)ネットワークに、日本円で4,000億円近い巨額の資金が流入しているというレポートを紹介しました。ところが、Bitcoin(BTC:ビットコイン)に関しては、それとほぼ反対の動きが起こっています。
※1ドル=158.0円換算
長期保有者による大規模な売却
オンチェーン分析企業CryptoQuant(クリプトクアント)によると、Bitcoinクジラと見られる長期保有者が、直近2週間で12億ドル(約1,896億円)のBitcoinを売却していたことが明らかになりました。同時期にBitcoin現物ETFからも、4億6,000万ドル(約727億円)の資金が流出しています。
この2,600億円を超える価値のBitcoinを、OTCマーケットが吸収できないとしたら、ブローカーは暗号資産(仮想通貨)取引所に預けることになるでしょう。その場合価格へのインパクトが大きくなるはずです。
こうした巨額の資金移動は、市場力学の潜在的なシフトを意味する可能性があります。しかし実際には、OTCマーケットがこの流動性に対処できるかどうかが、Bitcoin価格の動向を決めることになるでしょう。
迷走するクジラとマイナーたち
6月の第三週、BitcoinETFへの20日連続の流入超過がストップし、一転して流出超過になりました。過去のパターンからすると、ETFの資金フローは投資家心理の目安になり、市場の予測よりも敏感にBitcoin価格に反応します。
Bitcoin価格が70,000ドル(約1,106万円)のラインを越えるたび、1日あたりのETFへの純資金流入は10億ドル(約1,580億円)近くを記録してきました。反対に前週の価格下落トレンドでは、ETFの資金フローは5日のうち4日は非常ににぶい状況でした。
オンチェーン指標を見ると、直近のBitcoin売却はETF投資家よりも、クジラやマイナーなどの長期保有者によるものだったようです。長期保有者のポジション(建玉)変化を測る指数は、主にクジラの保有資産を表しますが、直近9日間は連続してマイナスの値でした。
一方でBitcoin取引所クジラ比率は、クジラが取引所に預託する資金が増えるに従って上昇を続けています。この比率が高まると、市場への売り圧力が高まると言われています。
マイナーの資産は半減期以降も減少を続けています。彼らは何とか利益を維持しなければならず、施設の運用効率を高めてマイニングマシンのアップグレードを進めるため、Bitcoinを売却して投資にまわしています。
マイナーの保有資産は4年ぶりの低水準にあり、彼らからの売り圧力は極めて低い可能性があります。
アメリカの市場動向の影響は?
現在のBitcoin価格動向には、米国連邦準備制度(FED)による利下げの引き延ばしも関わっています。現状利上げは12月まで延期されると見込まれています。
しかしアメリカの消費者物価指数(CPI)と生産者物価指数(PPI)は月ごとに緩和されており、歴史的に厳しい労働市場も上向きの兆しを見せ始めています。こうした要素を加えると、FEDが9月に1回目の利下げを行い、12月に再度利下げを実施する可能性もないとは言えないでしょう。
Bitcoinとは対照的に、米国証券取引委員会(SEC)が承認に前向きな姿勢を見せたことで、EthereumのETFには楽観的なムードが漂っています。今後SECが申請に微調整を求めるとしても、早ければ7月2日にはEthereumの現物ETFが承認されるとアナリストは予測しています。
最後にもう1つ注目すべき話題ですが、国際決済銀行(BIS)の分析結果によると、各国の中央銀行によるCBDC(中央銀行デジタル通貨)の試験運用が進展を見せているようです。特に先進経済圏では2022年から2023年にかけて、概念実証プロジェクトが35%増加し、各種テストは3倍にまで増加したということです。
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