上場承認・取引開始から1ヶ月!明暗が分かれるイーサリアムETFの現状
2024年7月22日に承認され、翌23日から取引が開始されたEthereum(ETH:イーサリアム)現物ETFは、その後1ヶ月を経ても期待されたパフォーマンスを発揮していません。今後巻き返しのチャンスは訪れるのでしょうか?
※1ドル=144.8円換算
気になるイーサリアム取引額の減少
直近1ヶ月におけるEthereumネットワークの1日当たりの取引額は、かなりの減少を続けています。7日間の移動平均線を見ると、7月26日の65億6,000万ドル(約9,499億円)から、現在は29億ドル(約4,199億円)へと55%も減少しました。
7月の月間取引額は1,347億ドル(約19兆5,000億円)を記録しましたが、8月は残り5日の時点で915億ドル(約13兆2,500億円)にとどまっています。おそらく8月の取引額は大幅に減少することになるでしょう。
ETF各銘柄の取引状況
Ethereum現物ETFの取引は、銘柄ごとに異なるパフォーマンスを見せています。まずBlackRock(ブラックロック)のETHAはかなり好調で、純流入額が10億ドル(約1,448億円)を超えています。
その他にもFidelity(フィデリティ)のETFは3億9,000万ドル(約565億円)、Bitwise(ビットワイズ)のETFは3億1,200万ドル(約452億円)を記録しました。
しかしEthereumETF市場全体になると話が変わります。Grayscale(グレイスケール)のETHEから数十億ドルの資金流出があったからですこの商品の前身はすでに2017年には投資家向けに販売されており、2019年に上場されてから、今回Ethereum現物ETFとして承認されました。
しかし手数料が高額だったため、投資家は他の選択肢にシフトしたようで、取引開始から5週間で20億ドル(約2,896億円)がGrayscale以外のETFに割り当てられました。
GrayscaleのETHEは8月26日、952万ドル(約13億8,000万円)の純流出を記録しました。これまで25日間での純流出率は30.7%に達しており、11月はじめまでには50%に達する見込みです。
長期的視点では期待する意見も
ETF Storeの代表であるネイト・ジェラシ(Nate Geraci)氏は、EthereumETF市場への資金流入から判断すると、投資家の興味はかなり高まっていると述べています。
彼はEthereumETFのデビューが、Bitcoin(BTC:ビットコイン)現物ETFほど華々しくはなかったものの、その後の1ヶ月は成功といえるものであり、今後も現在のトレンドが継続すると予測しています。ただしGrayscaleからの流出が、市場全体での需要を見えにくくしており、引き続き注視する必要があるとも述べています。
暗号資産(仮想通貨)リアルタイムインデックスを提供するCF Benchmarks(CFベンチマークス)のCEOスイ・チュン(Sui Chung)氏は、今後ウェルスマネジャーやフィナンシャルアドバイザーが顧客を教育し、投資ポートフォリオにおける重要性が理解されれば、EthereumETFの成長が続くという見解を示しました。
彼は教育が浸透することにより、投資家がEthereumETFとBitcoinETFとの違いを理解しつつ、それぞれを使い分けるだろうと述べています。
一方Bitcoin現物ETFでは、第二四半期における投資アドバイザーの純購入額が11億ドル(約1,593億円)に達しており、彼らは重要な保有者としての地位を固めています。
この期間にBitcoin価格は下落しているにもかかわらず、彼らが保有するETFの価値は43億ドル(約6,226億円)にまで上昇していることから、BitcoinETFが成長を続けていることが分かるでしょう。
Bitcoin現物ETF市場全体では、取引開始からの流入額累計が180億ドル(約2兆6,060億円)に迫っています。ただし、BlackRockは200億ドル(約2兆8,960億円)を集めていますが、Grayscaleからの流出が170億ドル(約2兆4,600億円)に達しているため、全体ではほぼトントンといったところです。
現物ETF市場では総じてBlackRockが好調で、Greyscaleが極度の不調にあえいでいますが、今後勢力図が変化するのか見守る必要があるでしょう。
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