イーロン・マスク氏のツイッター買収劇、同時に動き出したドージ・コイン
テスラ社のCEO(最高経営責任者)であるイーロン・マスク(Elon Musk)氏がTwitter(ツイッター)社を買収したことにより、Dogecoin(DOGE:ドージコイン)ホルダーの62%が思いがけない利益を得ることになりました。同時にDogecoin価格も急速に上昇しています。
冗談から始まったDogecoin
DogecoinのDogeとは、犬(柴犬?)のことです。Dogeコインは、2013年にBitcoin(BTC:ビットコイン)のパロディとして、いわば冗談で発行されたと言われています。ただし本家のBitcoinと同等の機能を持っています。
Dogecoinは、Bitcoinと同じPoWのマイニング・アルゴリズムで構築されており、ほかの暗号資産(仮想通貨)と同様に取引所で売買できます。しかも処理能力においては、Bitcoinをはるかにしのぐ高速処理が可能です。
当初はチップ用や、商品やサービスを購入した時のおまけとして使われていましたが、マスク氏が支持するような発言を始めたことから、今では仮想通貨の時価総額でトップ10入りしているなど、冗談では済まないレベルにまで成長しました。
Twitter買収で台風の目に
マスク氏は、正式にTwitterを買収する前の10月26日、自身のTwitter名を「ツイートのチーフ」に変え、サンフランシスコのTwitter本社を訪れました。買収が完了したのはその翌日27日のことです。
その1週間前からDogecoinは急激な値上がりを見せ、仮想通貨情報サイトCoinGecko(コインゲッコー)によると、その価格は93.3%上昇し0.116ドル(約17.25円)になりました。
さらにデータ分析プラットフォームのIntoTheBlock(イントゥーザブロック)によれば、この価格上昇によりDogecoinホルダーの62%が利益を得たということです。活動的な投資家ではなく、ホルダー(長期保有者)が儲けた点がポイントです。
今回の買収劇によりDogecoinそのものの存在感が増し、仮想通貨の時価総額ランキングではCardano(ADA:カルダノ)とSolana(SOL:ソラナ)を抜いて、157億ドル(約2兆3,300億円)で8位にランクされました。
マーケットでの反響は?
Dogecoinの投資家は、「ドージの父」とも呼ばれるマスク氏が、何らかの形でDogecoinをTwitterに結合させることを望んでいたため、今回の買収劇とDogecoinの値上がりについては、驚きの声もなく当然の結果として受け入れているようです。
ほかにも長年Dogecoinを支持してきたファンからは、今後に期待する声が寄せられています。その一例を紹介しておきましょう。
「イーロン・マスクに感謝!今後TwitterはDogecoinに何ができるのかという可能性を展示するショ-ケースになるだろう」
「もしかするとDogecoinベースのチップ・システムがTwitterに実装されるかもしれない」
さらに、Cardanoの創設者でCEOでもあるチャールズ・ホスキンソン(Charles Hoskinson)氏でさえ、「今やTwitterはマスク氏の手の中にあるわけなので、DogecoinとTwitterの結合が実現するかもしれない。しかも何らかの形で、Dogecoinがプラットフォームに融合する可能性もあり得るだろう」と述べています。
またホスキンソン氏は、無料のスマート・コントラクト機能をDogecoinに付加して、それをCardanoブロックチェーンのサイドチェーンにするという提案も行っているようです。
これからのDogecoi
2022年1月にテスラ社は、商品購入の決済手段としてDogecoinの使用を承認しました。マスク氏は同様の仕組みをスペースXに適用することもほのめかしています。
一方でマスク氏は、Dogecoinのトランザクション処理の優位性を認めながらも、2021年1月にはテスラ社でのBitcoin決済を始めています。
マスク氏は、ここ数年Dogecoinを支持し続けており、マスク氏のTwitter上での発言と連動して、Dogecoinの価格が上下することは、いわば業界では常識になっていました。
今回Twitterを買収したことで、将来的にはTwitterを中心にして、さまざまな活動や機能を1つのアプリケーションに統合することがマスク氏の狙いであるようです。
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