ビットコインはインフレ・ヘッジになり得るのか?その可能性を検証する
ビットコイン(BTC:Bitcoin)のセールス・ポイントの1つが、その利益がしばしばインフレ率を上回ることです。そのため「デジタル・ゴールド」という皮肉な名前も冠されていますが、コミュニティの大部分は、他の資産よりも優れたインフレ・ヘッジであると考えています。
インフレ・ヘッジとは
インフレ・ヘッジとはインフレの回避資産のことです。現在世界の平均インフレ率は約8.8%(参考:JETRO)ですが、ビットコイン投資による利益がこれらの数値を上回っていれば、インフレの状況下でも資産を減らさずに済みます。
しかしすべての支持者が、ビットコインはインフレ・ヘッジになると信じているわけではありません。その中の1人がスカイブリッジ・キャピタル(Skybridge Capital)のCEO(最高経営責任者)であるアンソニー・スカラムーチ(Anthony Scaramuccci)氏です。ここから、米ニュース専用チャンネルCNBCのインタビューをもとに、スカラムーチ氏の見解を紹介します。
リスク・ヘッジのカギを握るのはウォレット数
誕生から10数年を経て、ビットコインは驚異的な成長を遂げました。今やこのデジタル資産は、長い歴史を誇る金融資産、例えば投資家にとっては不動のインフレ・ヘッジである純金などと肩を並べる存在になっています。
ビットコインの知名度が高まるにつれ、潜在的なインフレ・ヘッジとして認識されるようになり、多くの投資家はそれを事実として受け入れていますが、スカラムーチ氏の考えは異なっており、すべては暗号資産(仮想通貨)の普及率拡大にかかっていると考えています。
CNBCの経済ニュース「スクワーク・ボックス(Squawk Box)」の中でスカラムーチ氏は、ビットコインが潜在的なインフレ・ヘッジになる可能性は認めつつも、現在はまだその状況からほど遠いと説明しています。その理由の1つが、未だ10億に届かないビットコイン・ウォレットの数です。
現在世界中に約3億のビットコイン・ウォレットがありますが、その数が10億を超えるようになるまでは、インフレ・ヘッジとして機能することはありえないというのです。
まだまだ未熟な資産であるビットコイン
誕生からわずか13年という点から見れば、ビットコインがまだ非常に未熟な資産であることは疑うまでもありません。それに加えてデジタル資産であることを考慮すると、仮想通貨にはもう1つ別の不確実性がつきまといます。このビットコインの未熟さこそが、スカラムーチ氏が指摘する重要なポイントなのです。
彼の説明するところでは、テクニカル資産としての未熟さが、ビットコインがインフレ・ヘッジになることを妨げる要因として考えられます。ただし、その潜在的機能からすると、完全にインフレ・ヘッジとして失格だとも言えないようです。
ビットコインの供給量が制限されていることは、投資家にとっては非常に大きな魅力です。スカラムーチ氏もそれが重要な論点だと指摘しており、もしも普及率拡大に充分な時間があれば、ビットコインは数千年という歴史を持つ純金という資産のライバルになるか、もしくはそれを超える可能性があると考えています。その最大の理由は、ビットコインの移動や保管の容易さにあると言います。
最後に1つ別な意見を紹介します。現在ビットコインの保有者は、世界人口の5%以下と言われていますが、大胆な資産運用で有名なアーク・インベスト(ARK Invest)のCEOキャサリン・ウッド(Catherine Wood)氏は、もし全機関投資家の資金の5%ががビットコインに流れ込んだとすると、その価格は50万ドル(約6,835万円)に届くこともあり得ると述べています。
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