メルセデスベンツがWeb3に参入｜新トレードマークでシフトアップ！

高級車の代名詞であるMercedes Benz(メルセデスベンツ)社は、「Mercedes Benz」「Mercedes」「S-Class」「G-Class」「Maybach」という新規の商標出願を行いました。トレードマーク(商標)により、一気にWeb3への取り組みを加速させる狙いがあるようです。

※1ドル＝139.4円で換算

新規商標出願リストの中身は？

12月14日付けでアメリカ特許商標庁に申請された商標出願は、ダウンロ－ド可能なバーチャルグッズや金融サービスに関する包括的なリストでした。リストの内容は、NFTやコンピューター・プログラムも含めて様々な商標があります。

商標出願のジャンルは、すべてオンライン環境下、もしくはバーチャル世界で利用可能なグッズであり、同時にこれらを販売するオンライン・ストアやマーケットプレイスも含まれています。

サービス一覧

金融サービスがカバーするのは、オンライン・コミュニティのメンバーが、コンピューター・ネットワークを通じてやりとりする、暗号資産(仮想通貨)やデジタル・トークンに関わるサービスです。

今年1月、Mercedes Benzは初めてNFTプロジェクトをローンチしました。

「NF-G」と呼ばれるこのプロジェクトは、5人の著名なアーティストが「ART2PEOPLE」として、Mercedes BenzのG-Classをモデルにデジタルアートを作成し、それをNFT化するというものでした。「NF-G」は「NFT」にかけたネーミングだそうです。

プロジェクトの狙いは、G-Classの愛好家たちと、伸展するNFTコミュニティとをつなぐことです。

Mercedes BenzのNF-Gコレクション第一弾は、1月にNifty Gateway(ニフティ・ゲートウェイ)のNFTマーケットプレイスで、222ドル(約29,400円)から1,554ドル(約20万5,600円)の価格帯で、1時間だけの限定で販売されました。

Nifty Gatewayでは2021年12月に、Pakというアーティストの作品が9,180万ドル(約121億4,500万円)という、デジタルアートとしては過去最高の価格で販売されたばかりでした。

G-Classは40年にもわたる歴史を誇る名車であり、幅広い層の愛好家によって支持されています。G-Classのオーナーになるという特別な体験を、NFTという新しい楽しみと融合させることは、これからの自動車メーカーにとって重要な戦略になるかもしれません。

Mercedes Benzは今年5月、PRADA(プラダ)やCartier(カルティエ)などが創設した、ラグジュアリー業界に特化した「Aura Blockchain Consortium(オーラ・ブロックチェーン協会)」の創立メンバーになりました。

2022年にはその他の高級自動車メーカーも、Web3スペースに進出しています。フランスのRenault(ルノー)は、「産業用メタバース」をローンチしました。

さらにBentley(ベントレー)、Chevrolet(シボレー)、Lamborghini(ランボルギーニ)、Alfa Romeo(アルファロメオ)なども、NFTを通じてWeb3スペースに進出しました。

日本車メーカーも、この流れに乗り遅れてはいません。ホンダの高級車ブランドAcura(アキュラ)は、メタバースでのショールームを開設しています。

また、日産自動車もメタバース上にバーチャルギャラリーを設けたほか、高級スポーツカーGTRのNFTも販売しています。お隣の韓国でも、ヒュンダイ自動車がNFTをリリースしています。

自動車からNFTを連想することは、すぐには難しいかもしれません。しかし自動車業界の将来を考えると、今のうちに自動車ファンとNFTを結びつけておくことが、生き残りのための戦略になるのではないでしょうか。