最大の危機を乗り切ったSolana！2023年のさらなる飛躍を宣言

経営破綻したFTXと密接な関わりがあったことから、暗号資産(仮想通貨)Solana(ソラナ)にもリスクが波及することが見込まれ、2022年12月30日には、Solanaの価格はわずか8.4ドル(約1,105円)にまで急落しました。

しかし年が開けて2023年1月10日には、17.3ドル(約2,275円)へと急騰し、10日余りで2倍以上も値を上げています。この値動きの裏には、Solana財団とコミュニティ(以下、Solanaと表記)が掲げた新年への抱負があるようです。

※1ドル＝131.5円で換算

年初にも発売予定のモバイル端末

Solanaはすでに「Solana Mobile Stack」と呼ばれるソフトウェア開発キットを公開しており、近日中にAndroidスマートフォン「Saga(サーガ)」を発売することも発表しています。

Sagaはハードウェア・ウォレットに匹敵する機能性と安全性を備えていて、これら2つを組み合わせれば、モバイル環境で簡単にdApps(分散型アプリ)を扱えるようになるでしょう。

Solana Mobile Stackは、SolanaのエコシステムをWeb3環境に広げるための最重要プロジェクトで、他社のAndroid端末やiPhoneへの採用も見込まれていますが、Solanaではオリジナルの端末を提供することで、Web3市場でのシェア拡大を狙っているようです。

開発者育成プログラムの強化

Solanaでは2022年末の時点で、2053人の開発者がさまざまなプロジェクトに取り組んでいます。さらに、「SolanaU」と呼ばれる教育プログラムを展開して、カリフォルニア大学やベオグラード大学(セルビア)を中心に、大学教授や大学生による開発のサポートを行っています。

この教育システムを拡充することにより、Solanaの技術をベースにした多様なプロジェクトが生まれ、Solanaに精通した開発者が増えることになるでしょう。

大手ディベロッパーとの提携

2022年には、Google Cloud(グーグルクラウド)がバリデータとしてSolana のネットワークに参加、両者は提携関係に入りました。

さらに2023年には、Googleのビッグデータ解析サービス「BIGQuery(ビッグクエリ)」とブロックチェーン・ノード・エンジンにも、Solanaの技術を統合する計画です。

また、オープンソースのWebブラウザBrave(ブレイブ)も、ウォレット・サービスにSolanaを採用したほか、スポーツ用品のアシックス、ボイスチャットのDiscordもすでにSolanaと提携しています。2023年には、さらに多くの企業にSolanaの技術が提供されるでしょう。

Solana自身が分析するSolanaの強み

現在までにSolanaのエコシステムでは、集中的な改善作業が進められており、ネットワークはますます強化されています。ここで、Solana自身が分析したレポートの中から、現時点でのSolanaが持つ強みをまとめておきましょう。

さらに現在Solanaは、Web3企業のJump Crypto(ジャンプクリプト)と共同で、2番目のクライアント「Firedancer(ファイアダンサー)」を構築中です。Firedancerが稼働を始めると、システムダウンなどの障害が回避でき、安全性と安定性が一段と高まることになります。

現時点のテストでは、Firedancerでのトランザクション処理スピードは、1秒間に60万件にも達しているそうです。

今後の目標は現実世界(IRL)との融合

2023年にSolanaが目指すのは、インターネット世界を飛び越えて、現実世界と融合したネットワークを構築することです。すでにSolanaはマイアミに実店舗を構えており、SpaceDAOシステムで分散型フランチャイズのサポートも始めています。

こうした新しい取り組みを次々と打ち出すことで、Solanaはほかの仮想通貨とは一線を画したWeb3ネットワークを構築するかもしれません。ピンチを切り抜けたSolanaがどこまで成長するのか、2023年はその動きから目が離せないでしょう。