Visaの仮想通貨戦略!ステーブルコインUSDCでの決済テストが進行中

Visaの仮想通貨戦略!ステーブルコインUSDCでの決済テストが進行中

決済大手のVisa(ビザ)は、自社のプラットフォーム内で暗号資産(仮想通貨)と法定通貨との交換が可能なシステムの構築を進めています。Visaは筋肉トレーニングの用語を引用して、このシステムを「マッスル・メモリー(muscle memory)」と呼んでいます。

※1ドル=132.3円で換算

Visaの決済システム拡大戦略

Visa

2月5日と6日の2日間、イスラエル第二の都市テルアビブで、Ethereum(イーサリアム)のコミュニティによるイベント「STARWARE SESSIONS 23(スターウェア・セッション23)」が行われました。

その席でVisaの仮想通貨部門責任者であるカイ・シェフィールド(Cuy Sheffield)氏が、Visaが推進する仮想通貨決済システムの構築について発言しました。

シェフィールド氏は、「我々VisaはEthereum上でUSDC(USDコイン)を発行し、そしてUSDCで支払いを行う決済システムのテストを継続しています。現在は大口の決済についてのテストが進行中です」と述べています。

Visaが決済システムの中に仮想通貨を導入する方針であることを明らかにしました。

現在Visaにとって、仮想通貨と法定通貨による世界規模の決済システム構築は、戦略上欠かせないものであり資本投資の重要な対象にもなっています。その点についてもシェフィールド氏は、「この分野は、我々がマッスル・メモリーを構築するための重要なポイントです。

国境を越えてドルからユーロへ通貨が交換できるように、これからはデジタルトークン化されたドルと、法定通貨のドルとが交換できるようになることが求められているのです」と、仮想通貨を介した決済システムの重要性を強調しています。

国際送金の課題と解決策

これまでもVisaは、高速な送金システムの開発を目指して、ブロックチェーン技術を既存のネットワークに統合する最適な方法を模索してきました。

しかし現時点では、国際送金はSWIFT(Society for Worldwide Interbank Financial Telecommunications:国際銀行間通信協会)が運営するSWIFTネットワークが主流です。

SWIFTはヨーロッパの銀行が主体になって構成される非営利団体であり、メンバー間での安全で規格統一された取引を可能にしています。

しかし現状はVisaにとって満足なものではなく、シェフィールド氏は、「SWIFTに頼る現状では、このネットワークに関わるさまざまな制限によって、我々は本来求められるべき速さでの送金処理を行うことができません」と述べて、現在の国際間送金の課題を挙げています。

その解決策としてVisaは各種の実験を重ねており、ステーブルコインを利用した決済が実際に可能かどうかのテストを続けているということです。

直近の年次株主総会において、前CEO(最高経営責任者)のアル・ケリー(Al Kelly)氏は、同社の中央銀行デジタル通貨(CBDC)と専用ステーブルコインに関する構想について短い声明を発表しました。

ケリー氏は、「ステーブルコインとCBDCは、決済事業において非常に重要な役割を演じる可能性を秘めています。そして現在我々Visaは、その可能性を拓くためにさまざまな取り組みを進めています」と述べています。

Visaは2021年3月に、すでにUSDCによる決済サービスを開始しており、USDC対応カードも発行しています。今回の仮想通貨部門責任者の発言は、今後のVisaの決済システム拡大と、仮想通貨との連携を裏付けるものになるでしょう。

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