2023年G20議長国のインドがCBDCと仮想通貨プロトコル策定を推進

2023年G20議長国のインドがCBDCと仮想通貨プロトコル策定を推進

2023年の「G20サミット(金融・世界経済に関する首脳会合)」議長国であるインドは、世界でも有数のIT大国でもあり、暗号資産(仮想通貨)政策にも力を入れています。仮想通貨政策の世界的合意に向けて動き出したインドの現状と、今後の展望についてレポートします。

※1ドル=132.7円で換算

デジタル・ルピーの大規模なテストが進行中

インド・ルピー

インドでは2022年に、同国のCBDC(中央銀行デジタル通貨)であるデジタル・ルピー(digital rupee)の大規模なテストが、インド準備銀行(RBI)の主導で行われました。このテストには一般消費者と商業事業者と、合わせて50,000人以上が参加しました。

RBIはCBDCの発行と使用、そして流通について管理する立場にあり、広範なデジタル資産全体に対しても慎重に扱う姿勢を見せています。さらにCBDCに関しては、急ぐことなく着実に開発を進める方針を明らかにしています。

最新の正式な情報によれば、公式のデジタル・ルピー・アプリケーション用のテスト・プログラムでは、すでに新規のテスト参加者は募集していないとのことです。

また、ICICI銀行(インド第2の市中銀行)によると、開発に必要なデータは十分に集積されており、CBDCプログラムは現在フル稼働中だとのことです。

仮想通貨運用プロトコルの策定に前向きなインド

インドの財務大臣ニルマラ・シタラマン(Nirmala Sitharaman)氏は、世界規模での仮想通貨規制について、現在基準となる運用プロトコルの策定に向けて、G20のメンバーと協議中であることを明らかにしました。

インド議会下院においてシタラマン大臣は、「我々はG20サミットで、仮想通貨の基準運用プロトコルの策定を提議し、メンバーと詳細な議論を行うことになるでしょう。

その結果、すべての参加国が同時に実行できる規制を実現するために、一貫した包括的なアプローチを進めることができるでしょう」と発言しています。

仮想通貨規制に関して、国際的な合意形成の必要性を説いてきました。その上で、仮想通貨のリスクと利益を精査し、共通の分類と基準を設けたのちに、規制もしくは禁止の法制化を目指すことが、国際協力の下で効力を発揮する有効な方法であるとも主張してきました。

この点については財務副大臣も、G20では仮想通貨規制に関する国際的な枠組み形成について、インド政府が各国と調整を進める予定であると発言しています。

仮想通貨規制に関するインド政府の展望

仮想通貨を含めたWeb3分野の規制については、まだインド国内でも議論が続いています。また仮想通貨のマイニングとトランザクションは、最新テクノロジーによって管理されているため、1国の政府だけでは効率的な規制を行うことはできません。

シタラマン大臣は、なぜインドがこの問題をG20に持ち出すのかについて、規制に関しては世界中の国々が協調して進めるべきであり、G20での議論をベースに「標準作業手順書」を作成する必要があるとも述べています。

またインド国内については、ラジーブ・チャンドラセカール(Rajeev Chandrasekhar)情報技術担当相が、法的ルールに従っている限り、インド国内での仮想通貨取り引きは保証されると明言しています。

ニュース・プラットフォームのマネーコントロール(Moneycontrol)は、インド国内Web3企業は今後発展をつづけ、2032年までには1兆1,000億ドル(約146兆円)規模にまで市場を拡大すると予測しています。

インドが積極的にWeb3分野の開発を進める中、G20サミットは9月9~10日の2日間、インドの首都デリー(ニューデリー)で開催される予定です。

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