仮想通貨規制が遅れるEU!フランス銀行が独自のDeFi規制を提案

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EU内での暗号資産(仮想通貨)規制が進展を見せない中で、フランスの中央銀行にあたるフランス銀行は、DeFi(分散型金融)とステーブルコインに関する、独自の規制を模索する動きを見せています。

※1ドル=133.1円で換算

フランス銀行が公開した協議文書

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フランス経済・財務省とフランス銀行(Banque de France)は4月11日付けで、ヨーロッパでの暗号資産規制とメタバースの展開に関する、2通の協議文書を独自に公開しました。

フランス銀行はDeFiに関する非公開調査も進めており、金融部門におけるトークン利用の拡大と、ほかの部門でのブロックチェーンの活用についても協議が進められています。

協議文書を発行したのは、フランス銀行の健全性監督・解決機関(Prudential Supervision and Resolution Authority)に属するFintech-Innovation Hubで、DeFiには異なる暗号資産サービスと、テクノロジーやそれに付随するリスクが含まれると定義しています。

※Fintech-Innovation Hub(フィンテック・イノベーション・ハブ):
フィンテックの最新状況や傾向を分析し、金融行政に役立てることを目的に設置された組織で、日本でも2018年に設立されている。

協議文書が示す新たな規制の必要性

この文書の主旨は、「DeFiのように仲介者が存在しない金融サービスは、既存の金融サービスに対する規制では管理できない」ということです。

さらに、信頼性の高い規制を構築すれば、ブロックチェーンの安全性強化が可能になり、DAO(分散型自律組織)の管理も容易になるとしており、これらの仕組みを統合することや、DeFiサービスにアクセスする仲介者を管理することも可能になると述べています。

EUの暗号資産規制法案(MiCA)は、完全には分散型サービスに対応しておらず、DeFiサービスの仲介者にまで規制を広げるためには、暗号資産サービス・プロバイダーを再定義する必要があります。

今回の文書では、ブロックチェーン・コ-ドが最低基準の問題になることにも言及しています。ブロックチェーンは信頼性に優れた仕組みではあるものの、今後はより強固な規制の枠組みが必要になるということです。

さらに、スマートコントラクトに含まれるコードも、さまざまなサービスの信頼性を証明する上で問題になると指摘しています。

フランスが主導するEU独自のメタバース

DeFiの規制を補完するためには、ステーブルコインに対する規制も必要です。この点に関してEUの暗号資産規制法案は、仲介者のいない完全に分散化された仕組みの中では、サービス提供者に効力を発揮できません。

そこで今回の協議文書では、DAOにおけるステーブルコインの利用に対しても、規制を追加することを提案しています。

フランス経済・財務省は同じく4月11日に、メタバース界において、世界的規模のインターネット企業が、独占的にシェアを広げることを規制する協議文書も公開しました。

フランスのマクロン政権は、プライバシー、健康分野、バーチャル世界における環境リスクに関する政策問題を重視しています。

同政権はヨーロッパでのデジタル自治権の創設を目指しており、協議文書には、「没入型のバーチャル世界はさまざまな形態に進化する可能性があるため、現在巨大企業が提供しているサービスにとって代わる、新しいバーチャル世界を提供する必要がある」ということも明示されています。

2022年の選挙期間中、エマニュエル・マクロン(Emanuel Macron)フランス大統領は、ヨーロッパ独自のメタバースを構築することにも言及していました。来月5月には、EUがバーチャル世界に関する独自の戦略を公表することになっています。

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