拡大する東南アジアの仮想通貨市場!インドネシアとタイからリポート
東南アジア諸国は1997年に、法定通貨価値の大幅な下落と経済危機を経験しました。それから20数年を経て現在東南アジアは、世界中で最も暗号資産(仮想通貨)にフレンドリーな地域と言われています。その現状を、インドネシアとタイを例にしてリポートします。
※1ドル=141.9円で換算
インドネシア政府が利用可能な500の仮想通貨をリストアップ
インドネシアの仮想通貨保有者は、対人口割合が世界でもトップクラスであり、仮想通貨市場の拡大が最も活発な国の1つです。そして今回同国政府は、デジタル資産の受け入れ態勢を強化するため、国内で取引可能な仮想通貨の拡張版リストを公表しました。
政府の公式資料では、Bitcoin(BTC:ビットコイン)やEthereum(ETH:イーサリアム)などの主要通貨をはじめ、市場で取引できる500種類以上の仮想通貨とトークンが明らかにされています。
著名な中国のアナリストであるウー・ブロックチェーン(Wu Blockchain)氏によれば、コミュニティではインドネシアの仮想通貨に対するフレンドリーな姿勢と、仮想通貨を法的な決済手段として認めるかどうかが議論されているそうです。
独自の仮想通貨取引所開設の取り組み
今回のリストには、米証券取引委員会(SEC)により証券に分類されたトークンも含まれています。インドネシアの著名なユーチューバーは、同国が現在仮想通貨をコモディティとして認めている点を強調しています。
その一方で彼は、仮想通貨が未だに決済手段としては認可されていないことも付け加えています。ただしそのプロセスは現在進行中であり、まずはBitcoinが法的決済手段として認可される可能性があるという見解です。
広く知られている通り、インドネシアは仮想通貨の普及に前向きな国です。2023年1月には規制の変更に伴い、仮想通貨取引所をローンチ。2月末には、国営のデジタル資産取引所開設計画も提案しています。
いずれにせよ、インドネシア政府が取引可能な仮想通貨リストを公表したことで、デジタル資産に対する取り組みはさらに前進するでしょう。今後仮想通貨規制に関する議論が進めば、同国の仮想通貨熱は一段と高まるはずです。
タイでは中央銀行デジタル通貨計画が進行中
タイ銀行は金融トランザクションの効率化向上を目指し、3つの法人と共同で小売り向けの中央銀行デジタル通貨(CBDC)の開発テストを進めています。協力している決済サービス・プロバイダーは、アユタヤ銀行(クルンシイ)、サイアム商業銀行(SCB)、2C2P(オンライン決済代行会社)の3つです。
デジタル通貨のテストは、6月から8月までを予定していて、アユタヤ銀行のスタッフと、その本店周辺にある100の商業施設を中心に行われます。タイ銀行によると、今後スタッフの数は2,000人にまで増員され、参加者全体は10,000人を超えると見積もられています。
アユタヤ銀行は、トランザクション数に制限を設けていませんが、決済システムの安定性、特に取引ピーク時の動作環境に焦点を当てているようです。CBDCのユーザーは、商品やサービスの決済が可能になるほか、社会的給付の支払いにもデジタル・バーツが使われる可能性があります。
デジタル・バーツの採用は、長期的なタイのデジタル経済に利益をもたらすはずであり、タイ銀行は今回のテストを、CBDCの全面導入に向けたプロセスと、教育的過程であると見なしています。
タイ当局がCBDCに取り組み始めた2019年には、タイ銀行と香港金融管理局との間で基本合意書が取り交わされ、CBDCの国境を越えた決済を可能にする、インタノン・ライオンロック・プロジェクトがスタートしました。
東南アジアでは、シンガポールやベトナムでも、仮想通貨やブロックチェーンの普及が進んでおり、今後はデジタル経済の先進地として発展する可能性があります。
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