9月の仮想通貨マーケットレポート!不安定なアメリカ市場と広がるアジア市場

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9月13日にはアメリカの8月消費者物価指数(CPI)が発表される予定で、現状では依然として上昇傾向にあると予測されています。この発表がアメリカ国内の暗号資産(仮想通貨)市場にも、大きな影響を与えると見られています。

一方で仮想通貨市場が順調に拡大を続けているのが、アジアからオセアニアの地域です。

※1ドル=147.3円で換算

上昇を続ける米消費者物価指数

ニュース131

米国内外エコノミストは8月のCPIに関して、7月の3倍にあたる0.6%の上昇を予測しています。前年同月比でも7月の3.2%から、8月は3.6%に上昇すると予測されます。

インフレの主な要因は石油価格にあり、WTI原油先物価格は7月初旬から33%も値上がりして、1バレル(約159リットル)あたり89ドル(約13,110円)に迫り、2023年の最高値を記録しています。

一方で食品とエネルギーを除いたコアCPIは、前年同月比で7月の4.7%から8月は4.3%にいくぶん低下する見込みです。これは2021年半ば以降で、最も低い伸び率になるでしょう。

こうした8月の物価は、Bitcoin(BTC:ビットコイン)と広範な仮想通貨市場に大きな影響を与えました。Bitcoinは一時25,000ドル(約368万3,000円)を割り込み、Ethereum(ETH:イーサリアム)も6ヶ月ぶりの安値を付けています。

アメリカ市場の今後の見込み

仮想通貨アナリストは、予想よりも長期的に高止まりしている金利が、市場にマイナスに働いていると見ています。米連邦準備制度理事会(FRB)が9月末の会議において、政策金利を調整する可能性はあるものの、現在の強い経済とインフレから、利下げに対する投資家の期待はしぼんでいます。

わずか数ヶ月前には、市場関係者は最初の利下げが2023年末には実施されると予測していました。しかし予測は2024年はじめにずれ込み、今では2024年後半にまで延期されると見られています。

コアCPIは4.3%に低下したものの、FRBの目標である2%には到底及びません。消費者が続く物価高に直面しているままでは、中央銀行がインフレ終息を宣言することはありえません。9月の仮想通貨市場も、8月と同様の値動きが続くことになるでしょう。

熱を帯びるアジア~オセアニア市場の動向

中央および南アジアとオセアニア(CSAO)が、仮想通貨市場で重要なポジションを占めつつあります。世界仮想通貨普及指数(Global Crypto Adoption Index)では、トップ10のうち6つの国がこの地域に属しています。

中でもインドの仮想通貨資産は2,689億ドル(約39兆6,100億円)と見積もられ、それにベトナム、フィリピン、インドネシア、パキスタン、タイが続く情勢です。CSAOは現在世界第三位の仮想通貨市場であり、世界市場の20%近くがこの地域で流通しています。

特にCSAOでは昨年来DeFi(分散型金融)の需要が伸びており、2022年7月から2023年6月までの全取引量の、実に55.8%をDeFiが占めていました。その前年は35.2%だったので、1年で大幅に拡大したことが分かります。

また機関投資家による取引も増大しており、全取引量の68.8%は100万ドル(約1億4,730万円)を超える送金額でした。その前年は57.6%だったため、1件あたりの取引額も伸びていることが確認できます。

ただしCSAOにおける仮想通貨利用は特徴的で、フィリピンでは仮想通貨ゲームが熱気を帯びており、パキスタンやベトナムではP2P(ピアツーピア)の取引が人気です。

フィリピンでは、ゲームやギャンブル向けプラットフォームへのウェブトラフィック(ユーザーのアクセス総数)が19.9%と非常に高く、ベトナムの10.8%がそれに続いています。ベトナムのようなP2P取引所は、新興市場や資本規制のある国々で好まれます。

先進国の経済が混迷を深める中で、今後は経済的な新興国がさまざまな需要を喚起して、仮想通貨市場の拡大に大きな役割を果たす可能性があるでしょう。

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