アジアで進むCBDC商業化プロジェクト!主役はやはり中国?

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国際CBDC(中央銀行デジタル通貨)プロジェクトのmBridge(エムブリッジ)は、国際決済銀行(BIS)と共同で、CBDCの商業化を進めています。香港金融管理局(HKMA)長官の余偉文(エディー・ユー)氏が、上海での講演でその現況を説明しました。

※1ドル=149.0円で換算

mBridgeプロジェクトの進行状況

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2021年に設立されたmBridgeプロジェクトには現在、中国、タイ、香港、アラブ首長国連邦の中央銀行が参加しており、クロスボーダー決済に対応するブロックチェーン・ベースのデジタル・プラットフォーム構築を進めています。

一部ではこのプラットフォームが、既存の米ドルによる国際決済システムのライバルになるという声も上がっています。

9月に上海で開かれた外灘(バンド)金融サミットの基調講演で、ユー氏はプロジェクトの詳細について語りました。

ユー氏は「我々はこのオープンなプラットフォームに、より多くの中央銀行が参加することを歓迎するだろう」と述べ、mBridgeの商業化という当面の目標のため、「実現可能な最小限の製品」のローンチを目指すことを明らかにしました。

このCBDCプラットフォームの最新テストでは、コスト削減と透明性の向上を両立させながら、クロスボーダー決済のスピードアップが可能であることが実証されています。

またブルームバーグ(Bloomberg)のレポートによれば、mBridgeプラットフォームを利用することで、デジタルバージョンの中国元での大規模な企業間取引が可能になり、デジタル元がドルに代わって世界通貨になる可能性もあるということです。

未だに不透明なCBDCの正式導入

先進国中で中国は、CBDCの実験を最も積極的に推進している国です。しかし江蘇省常熟(チャンシュー)市において、公務員給与をCBDCで支払う試みが2023年6月に始まる予定でしたが、今のところ先行きは不透明なままです。

CBDCトラッカー協会(CBDCTracker.org.)の分析によると、中国を含めて現在およそ12のCBDCプロジェクトが試験段階にあるとのことです。その中にはロシア、フランス、インド、シンガポールなども含まれています。

一方でアメリカでも再三にわたりCBDCの導入が議論されていますが、実際のプラットフォーム構築やテストについての詳細は未だに明確ではありません。

上海の講演で香港金融管理局のユー長官は、mBridgeプロジェクトがクロスボーダー決済の問題を解決し、世界的なバリュー・チェーンの効率化に貢献する可能性を強調しました。

さらにその安定的な輸出実績と、地域経済における市場シェアの増大を背景に、中国がアジアのサプライ・チェーンで、より大きな影響力を発揮することも予測しています。

日本ではIEO規制が一歩前進

日本では、暗号資産(仮想通貨)取引所を介した新規通貨公開であるIEO(Initial Exchange Offering)規制に動きがありました。日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)は9月26日に、IEOの包括的改正に関する予備的な提案内容を明らかにしました。

その提案では、IEOによる資金調達の健全性、流動性の確保、発行価格計算方法の変更、安定的なオペレートなどをより高めることが強調されています。

また取引プラットフォームや参加者など、すべてのIEOステークホルダーに対する、ロックアップシステムの実装が提案されています。

このシステムではIEO参加後に、少なくとも3ヶ月間は仮想通貨の売買を留保することが義務づけられており、仮想通貨による資金調達の安全性を高める役割が期待されます。

こうした取り組みが、より厳格な規制と透明性の構築に貢献し、進化を続ける日本の仮想通貨市場の拡大につながることになるでしょう。

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