仮想通貨取引所のアメリカ離れが加速?10月の仮想通貨マーケット・レポート

仮想通貨取引所のアメリカ離れが加速?10月の仮想通貨マーケット・レポート

アメリカ国内では、米証券取引委員会(SEC)の強気の姿勢や、先の見えない仮想通貨規制方針に業を煮やして、多くの暗号資産(仮想通貨)取引所が運営の見直しを進めています。その中から、脱アメリカを進める2つの取引所の動きをレポートします。

※1ドル=149.7円で換算

クラーケンはEUでの基盤を拡大中

ニュース134

老舗の仮想通貨取引所Kraken(クラーケン)は9月26日、アイルランド中央銀行から電子マネー機関(EMI)とし承認されたことを発表しました。またスペイン銀行にも、バーチャル資産サービスプロバイダー(VASP)として登録されたことを明らかにしています。

EMIライセンスを取得したことにより、KrakenはEU内の各金融機関と提携して、法定通貨ユーロによるサービスを拡張できます。この戦略でKrakenは、27ヶ国のEUメンバーと周辺諸国で、さらに多くの顧客を獲得することになるでしょう。

スペインでは仮想通貨取引所開設の申請が可能になり、カストディのウォレット・サービスも提供できるようになります。こうしたライセンスを取得したことは、規制に対するコンプライアンスの証拠になり、今後KrakenはEUでの活動を加速させることになると考えられます。

Krakenは長い実績と強固なセキュリティで定評があり、2022年にはNFTマーケットプレイスと拡張版取引インターフェースのKraken Proをローンチしています。

これらのサービスも含めて、24時間体制で取引所を運営することにより、EUと周辺諸国での仮想通貨利用拡大を目指すことになるでしょう。

カナダでも活動を広げるクラーケン

Krakenが提供開始する8つの仮想通貨
・アスター(ASTR:Astar)
・オーディアス(AUDIO:Audius)
・セントリフュージ(CFG:Centrifuge)
・ムーンビーム(GLMR:Moonbeam)
・ゲンソキシ・メタバース(MV:GensoKishi Metaverse)
・パーペチュアル・プロトコル(PERP:Perpetual Protocol)
・スイ(SUI:Sui)
・ウー・ネットワーク(WOO:Woo Network)

カナダでのKrakenはすでに業界のリーダー的存在であり、180以上の資産とカナダドルによる5つの現物取引ペアを提供しています。さらにカナダ独自のインタラック・イートランスファー(Interac e-Transfer)も、投資のオプションとしてサービスしています。

インタラック・イートランスファーは、カナダ人の90%が利用しており、1年間に10億件以上の送金を安全に実行しています。Krakenでは0.95%という低い手数料で送金できるため、このサービスをベースに仮想通貨取引の顧客獲得を目指すと見られます。

さらにKrakenは近日中に、新たに8つの仮想通貨の提供を開始します。このようにKrakenはカナダでのサービスを拡充しており、同時に隣国アメリカの動向を注視するものと考えられます。

【インタラック・イートランスファーとは】
銀行口座を持っていれば、メールアドレスを使って誰でもカナダ国内で送金ができるサービス。異なる銀行間でも、安い手数料でスピーディーに送金できる。

コインベースも脱アメリカの動き

一方同じく大手仮想通貨取引所のCoinbase(コインベース)は、2023年5月にCoinbase国際取引所を開設しました。アメリカ以外の国の顧客が対象で、永続的先物取引を行うために、世界の金融拠点の1つバミューダ金融庁(BMA)からクラスFのライセンスを取得しています。

さらに9月28日にCoinbaseは、アメリカ以外の小口投資家に向けた永続的先物取引の追加的な規制承認を、BMAに認められたことを発表しました。

今後数週間の内に、Coinbase Advancedプラットフォームを通じて、規制に合致した永続的先物取引契約が提供されることになるでしょう。

現在世界中の仮想通貨取引で、そのおよそ75%はデリバティブ市場が占めています。しかし多くの取引所は各地域の規制に阻まれて、撤退を余儀なくされています。その中でCoinbaseは、完全に規制に適合した安全な取引を提供できるわけです。

このように、大手の仮想通貨取引所は10月を前にして、アメリカ以外での活動を活性化させています。アメリカ当局が明確な方針を示せないと、仮想通貨市場は今後アメリカを除いた地域で発展することになるかもしれません。

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