2023～2024年に変化するゲーム市場！ゲームチェンジャーはナイキ？

仮想通貨の冬が続いた2023年は、ブロックチェーン・ゲームにとっても厳しい年となりました。しかしBitcoin(BTC：ビットコイン)現物ETFの承認などの明るい材料で、ようやく冬を越して春の季節が到来しそうです。

そんな中で、ゲーム市場にスポーツシューズのNike(ナイキ)が本格参入を決めました。

※1ドル＝145.2円で換算

厳しかった2023年のゲーム市場

ブロックチェーン・ゲーム市場を分析するBig Blockchain Game List(以下、ビッグリスト)のデータによれば、2021年からリストアップされたゲームのうち、約30%のゲームが2023年に活動を停止しているということです。

2024年1月現在でビッグリストが把握している911のゲームのうち、稼働しているものは334で開発中のものが577であり、活動を停止したゲームについては、資金の問題と仮想通貨の冬の影響を解消できなかったと見られています。

しかし2023年の第四四半期に、新たにビッグリストに追加されたゲームも65あり、そのうち11%がマルチチェーン・ゲームでした。マルチチェーンへの統合が進むトレンドが続いているようです。

シングルチェーン・ゲームではArbitrum(アービトラム)系が最も多くデビューし、ほかにOptimism(オプティミズム)、Immutable(イミュータブル)、Ethereum(ETH：イーサリアム)などが続いています。

ブロックチェーン・ゲーム企業の多くは2024年について、実績のあるゲーム・スタジオがWeb3ゲームに参入し、市場に大きな影響を与えると予測しています。

Web3企業Animoca Brands(アニモカブランズ)の共同創業者兼会長であるYat Siu(ヤット・シウ)氏も、ブロックチェーン・ゲーム市場については楽観的な見解を示し、2024年は業界復活の年になるという前向きな発言をしています。

早速年明けの1月17日には、NFT制作スタジオのYuga Labs(ユガラボ)が、人気ゲームDookey Dash(ドーキーダッシュ)の続編として、2024年第一四半期にDookey Dash Unclogged(ドーキーダッシュ・アンクロッグド)をリリースすると発表しました。

基本的に無料でプレイでき、前作に比べてモバイル利用を強く意識しているようです。この発表を受けて、Yuga LabsのトークンApeCoin(APE：エイプコイン)は1日で10%以上値上がりしています。

Nike(ナイキ)のブロックチェーンとデジタル・ウェアラブル部門であるSwoosh(スウッシュ)は、「Nike In-Game Wearables」という新たなバーチャル商品をローンチして、ビデオ・ゲーム業界に本格参入することを発表しました。

Nike In-Game Wearablesは仮想通貨ウォレットを必要とせず、ゲーム・アカウントにリンクするだけで直接ゲームを始めることが可能です。ただしNFTを採用するのかどうかは未だ明かされていません。

NikeはRTFKTとSwooshを買収したことにより、ブロックチェーン分野に参入しました。その後Polygonチェーンで多くのデジタル・スニーカーNFTをリリースし、EA Sports(EAスポーツ)やFortnite(フォートナイト)とのコラボレーションも示唆しています。

特にFortniteとのコラボレーションに関しては、ブロックチェーンを利用しない初のデジタル・コレクションになると見られています。さらにNike In-Game Wearableについては、仮想通貨ネットワークを利用しない可能性もあります。

Nikeでは2024年中に、NFTなどのデジタル・コレクションを、それぞれのオーナーの仮想通貨ウォレットに移送できるようにする予定です。このオプションで、NikeのNFTをマーケットプレイスで取引できるようになり、同時にロイヤリティも保証されることになるでしょう。

しかしNikeは現在の商品開発やストーリーテリングを重視しており、今後も独自のNFTマーケットプレイスを立ち上げる予定はないようです。今のところ、今後リリースされるNikeのビデオ・ゲームに、どれだけNFTが採用されるのかは明らかになっていません。

Dookey Dashの新作はNFTオーナー以外にも開放される予定であり、Nikeでもブロックチェーンを利用しないゲームの企画が進むなど、2024年以降はゲームの多様化が進むかもしれません。