強気市場到来を予測した戦略!?ビットコイン蓄積を進める企業
3月の過去最高値更新以降、複数の企業がBitcoin(BTC:ビットコイン)の保有量を増やしています。こうした動きと同調するように、テクニカル指標も市場の活動低下傾向を示しています。市場が強気トレンドに向かう前兆なのでしょうか?
※1ドル=143.9円で換算
戦略的にビットコインを蓄える企業
資産としてBitcoinの保有量を増やしている企業は、MicroStrategy(マイクロストラテジー)やBlock(ブロック)など複数に及び、3月以降の購入額は約48,836BTCで、およそ31億ドル(約4,461億円)に達しています。
中でもMicroStrategyの購入額は突出しており、上記のうち約30億ドル(約4,317億円)は同社が購入したものです。正確な購入金額は明らかになっていませんが、1BTCあたり平均63,250ドル(約910万円)程度に見積もられています。
これで同社が保有するBitcoinは、総額で166億8,000万ドル(約2兆4,000億円)という巨大資本になりました。
MicroStrategyが購入を開始した2020年以降、少なくとも15の上場企業がBitcoinを資産計上しています。これらの企業はすべて購入の情報開示をしており、しかもマイニング企業やデジタル資産運用企業は含まれていません。
こうした企業は総額で277,503BTCを購入していますが、この保有量は流通しているBitcoinの1.4%にあたります。ただしTesla(テスラ)のように、2021年から2022年の間に33,480BTCを売却した企業もあります。
一方でBlockは、ドルコスト平均法(dollar-cost averaging)という手法を用いて、Bitcoinを新しい経営戦略の一部として採用しています。同社はキャッシュアプリで得たBitcoin関連の利益から、毎月10%を新規Bitcoin購入に充当しています。
2024年の第二四半期には、およそ6,700万ドル(約96億4,000万円)のBitcoin関連総利益を計上したため、毎月平均220万ドル(約3億1,700万円)でBitcoinを購入している計算になるでしょう。
Bitcoin購入の情報開示をする企業は増加傾向にあります。2020年は5社だったものが、2023年には9社になり、2024年には現時点で少なくとも32社にまで一気に増加しました。多くの企業が、資産としてBitcoinを保有することに、戦略的価値を見出したといえるでしょう。
【ドルコスト平均法とは】 一定の間隔で同額の資産を購入し続ける投資戦略。ボラティリティの影響を緩和することができ、長期的に購入することにより、購入価格を平準化する作用がある。 |
テクニカル指標が示す強気の到来
CryptoQuant(クリプトクアント)のアナリストであるアクセル・アドラー(Axel Adler)氏は、Bitcoinの取引フローマルチプル指標(Exchange Flow Multiple)が、年初来の最低レベルに下がっている点を指摘しています。
この指標はBitcoinの暗号資産(仮想通貨)取引所への流入と流出について、短期と長期の比率を計測するものであり、現在のレベルは投資家が蓄積を進めていることを示唆しています。
マルチプル指標が低い場合、長期の取引量に比べて大幅に短期の取引量が少ないことを意味しており、ボラティリティの低下を反映していると考えられます。歴史的にこのパターンが形成されると、市場は蓄積フェーズに入ることになり、新たな強気市場の引き金になる可能性が高まります。
おそらく現在は長期的保有者がBitcoinを蓄積しており、アクティブな取引が減少している状況です。経験豊富な投資家が価格上昇を予測して、Bitcoinを長期的に保有している可能性があります。
また市場に修正が入ると、価格が安定するまで取引活動が停滞することがあります。現在の低レベルなマルチプル指標は、活発な取引の回復を見越して、投資家が待ちの姿勢に入っていることを示しているのかもしれません。
同様の状況は、2023年の強気市場の前にも現れていました。企業と投資家の行動パターンも合わせて考えると、市場関係者は次の強気が近いと予測しているのではないでしょうか。
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