世界的金融危機が現実に!混乱の波は仮想通貨市場にも

世界的金融危機が現実に!混乱の波は仮想通貨市場にも

世界的に株式市場が大混乱に陥る中、日本時間4月7日には暗号資産(仮想通貨)市場にも混乱が波及し、Bitcoin(BTC:ビットコイン)は一時75,000ドル(約1,106万円)を割り込みました。業界内外では、今どのような動きが起きているのでしょうか?

※1ドル=147.5円で換算

企業への影響と予想外の反応

Bitcoin戦略で誰もが知るStrategy(ストラテジー)社は、金融不安を見越したのか前週はBitcoinの購入を実行しませんでした。ここに来て、同社の戦略の前に暗雲が漂っています。

同社の予測によると第一四半期は、59億1,000万ドル(約8,717億円)に及ぶBitcoinの未実現損失により、純損失を計上することになりそうです。ただし16億9,000万ドル(約2,493億円)の税制優遇措置が見込まれるため、損失はやや緩和されることになるでしょう。

第一四半期にStrategy社は、普通株と優先株の売却によって76億9,000万ドル(約1兆1,343億円)の資金調達に成功しました。その一部はBitcoinの購入に割り当てられましたが、購入時は現在よりもかなり高い価格でした。

同社の現在までのBitcoin平均購入価格は67,500ドル(約996万円)にまで上がり、投資全体も14%ほど増加しました。戦略的な負担が徐々に高まっている状況です。

一方で仮想通貨投資の最大手Grayscale(グレイスケール)社は、4月7日に655.1BTCを未確認のアドレスに送金しました。金額にするとおよそ5,000万ドル(約73億8,000万円)に及びます。何らかのリスクヘッジかもしれません。

金融商品から流出する資金

仮想通貨の上場取引型金融商品(ETPs)は、2週続けて合計8億7,000万ドル(約1,283億円)の資金流入を記録していましたが、4月7日までの1週間で展開が逆転し、2億4,000万ドル(約354億円)の資金流出となりました。

そのうち2億700万ドル(約305億円)がBitcoinETPsからの流出で、2025年に入ってから初めて月間の流出入額がマイナスに転じています。直近30日間の純流出額は1億3,800万ドル(約204億円)のマイナスです。

Ethereum(ETH:イーサリアム)ベースの金融商品も強い圧力を受けており、前週には3,800万ドル(約56億円)の資金が流出しています。

また2025年に入ってから、マルチアセットETPsは1億4,400万ドル(約212億円)、Bitcoinのショート商品は2,600万ドル(約38億円)ほどの合計純流出額を記録しています。

前述したGrayscale社からのETP流出額は、1週間で9,500万ドル(約140億円)となり、各社のETPの中で最大のマイナスでした。さらに年間流出額は14億ドル(約2,065億円)に達しています。

BlackRock(ブラックロック)社のIShares Bitcoin ETFも、1週間で5,600万ドル(約83億円)の流出額を記録しました。

対策と今後の展望は?

アメリカを震源にした今回の金融危機について、世界最大手の銀行のトップが会談していたことが明らかになりました。参加したのはBank of America(バンクオブアメリカ)、Barclays(バークレイズ)、Citibank(シティバンク)、HSBC(香港上海銀行)の役員です。

電話会談を主催したのは、ワシントンに拠点を置くBnak Policy Institute(BPI)で、彼らはトランプ大統領が発動した相互関税と、その影響による金融混乱について話し合ったと見られます。その目的は世界の銀行と、彼らの予測と展望を共有することだったようです。

仮想通貨業界では、CryptoQuant(クリプトクアント)のリサーチ部門トップであるジュリオ・モレノ(Julio Moreno)氏が、現在の状況でBitcoin を購入することに対して注意喚起しています。

彼はソーシャルメディアにおいて、Bitcoinを取り巻く状況は好転しておらず、強気市場のサインになる指標はほとんどないと述べています。

日本時間4月8日正午現在、仮想通貨市場はやや回復する兆候を見せており、Bitcoinは再び80,000ドル(約1,180万円)台にまで上昇しています。

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