2026年は流動性の年に?ビットフィネックス2025年を総括

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暗号資産(仮想通貨)市場関係者は、すでに2026年の予測を始めています。相場が大きく変動して、ビットコイン(BTC:Bitcoin)が過去最高値(ATH)を大幅に更新した2025年。

では2026年はどのような年になるのか、大手取引所ビットフィネックス(Bitfinex)の年内最終レポートを紹介しましょう。

※1ドル=155.9円で換算

市場構造が大きく変化した2025年

2025年、ビットコインは伝統的な4年周期の、しかも半減期に依存する構造的なサイクルから脱却しました。今年の市場動向は、過去のサイクル・ベースでは予測できないほど複雑で変化に富んでいました。

ビットコインの発行量は、現在1年あたり1%以下にまで下がっているため、半減期によるショックは以前ほど顕著ではなくなっています。価格を決めるのは供給側よりも需要側にシフトし、マクロ経済の影響が以前よりもはるかに大きくなりました。

その背景にあるのは、ETF(上場投資信託)への資金流入や、企業および政府系金融などによる需要が、マイニングによる供給を吸収している現状です。結果的に市場のボラティリティが圧縮され、回復力が以前よりも向上しているのです。

現在の市場は短期の投機的資本よりも、長期的かつ継続的な資本により支えられていると言えるでしょう。

仮想通貨に影響するマクロ経済

仮想通貨市場は成熟するにつれ、ゴールドや株式と同様に、マクロ経済の影響を強く受けるようになってきています。中でもアメリカ経済の影響は無視できません。

2025年になって、アメリカ国内のインフレは減速傾向にあると言われています。しかしインフレ率にはばらつきがあり、生活必需品や住宅、サービスなどのインフレ率は高いままで、個人消費支出(PCE)も消費者物価指数(CPI)を下回ったままです。

こうした状況下において、米連邦準備制度理事会(FRB)が利下げを決めるなど、金融政策を緩和する動きも見られ、この傾向は2026年にも持ち越されると考えられます。

一方で労働市場の弱体化やインフレにもかかわらず、金融市場は金融政策緩和に前向きです。2026年も株式市場は堅調な伸びを見せ、S&P500は7,500~8,000ポイントのレンジで動くかもしれません。ただしアメリカ国債の利率は、10年もので4%未満に下がる可能性があります。

流動性が高まる2026年

では2026年、仮想通貨市場はどのような展開を見せるのでしょうか?

まず考えられるのは、マクロ経済の転換点におけるゴールドの動きを、ビットコインなどの主要な通貨が追いかける可能性です。これは伝統的なリスク資産と、主要仮想通貨がリンクすることを意味します。

もう1つ重要なポイントは、流動性がビットコインのパフォーマンスに大きく影響することです。2026年にはアメリカ国債の発行と金融引き締め策は、共に縮小すると思われます。その結果、流動性がビットコインのサポートに好ましい状況になる可能性があるのです。

さらに、機関投資家などによる仮想通貨取り引きが増加する点も見逃せません。規制が明確になり、政府系機関の興味が高まるにつれ、仮想通貨ETP(上場取引型金融商品)への資金流入は、ますます増えると考えられます。

現在仮想通貨ETPのAUM(資産運用残高)はおよそ31兆円ですが、2026年にはその倍の62兆円に達するかもしれません。いずれにせよ、ビットコインはよりボラティリティの低いサイクルで、成熟した長期運用型の資産になるでしょう。

ただし、トランプ関税や中国経済の失速など、世界経済は多くの不安定な要素を抱えています。それは日本でも同じことです。2026年の経済がどのように動くのかは、まだ誰にも分かりません。今回紹介したレポートも、あくまでも参考意見として役立ててください。

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