コインベースが利益モデル見直しの可能性、手数料収入からサブスクリプションへ

コインベース利益モデル見直し

アメリカに本拠を構える世界最大手の暗号資産（仮想通貨）取引所、コインベース（Coinbase）のCEO（最高経営責任者）であるブライアン・アームストロング（Brian Armstrong）氏は、米ニュース専用チャンネルCNBCのインタビューに対して、現在の弱気市場を見越した上で、今後はコスト削減と利益モデルのシフトに着手するという意向を示しました。

▼サブスクリプションへの利益シフト計画
▼コインベースが解決すべき新たな問題

サブスクリプションへの利益シフト計画

Hope you brought a jacket ❄️️❄️️❄️️ @coinbase CEO @brian_armstrong sat down with CNBC's @Kr00ney for an exclusive interview, saying he's hoping the crypto winter lasts 12-18 months but bracing for the downturn to extend even longer. pic.twitter.com/BwnYt1muxt

— TechCheck (@CNBCTechCheck) August 23, 2022

今年の第二四半期にコインベースの利益は60%下落し、純損失は11億ドル（約1,508億円）に上ったということです。8月23日に公開されたCNBCのインタビューにおいて、アームストロング氏は10年にわたる同社の歴史と、今後の計画についてじっくりと語りました。

アームストロング氏が述べた最も重要な点は、同社の主な利益の源泉になっている取引手数料について考え直したいということです。手数料は強気市場では利益を生み出すものの、市場心理が弱気に傾くとすぐに干上がってしまいます。

「現在すでに多くの人々が、サブスクリプションとサービスの利益に多大な投資をしている」と語るアームストロング氏は、「10年後、いや、もしかすると20年後も、取引手数料は我々のビジネスにおいて主要な位置を占めているかもしれない。しかし私はその頃までには、利益の50%はサブスクリプションとサービスから得られるようなビジネスモデルに移行したいと考えている」と近い将来の計画についても述べています。

その上で、現状でもコインベースの利益のうち18%が、サブスクリプションにより得られていることを明らかにしました。

今後のサブスクリプションについて

サブスクリプションへの利益シフト計画

今後どのような種類のサブスクリプションをオファーするのかという問いに対しては、「それはかなりの種類になるだろうね」と答え、サブスクリプションをベースにしたステーキング（預け入れ）と、その他の商品が準備されることを示唆しました。

コインベースは現在クラウドサービスと、独自のサブスクリプション商品「コインベース・ワン（Coinbase One）」を提供しています。これはまだベータ版ですが、より高いレベルの顧客サポートと、その他のサービスを可能にするものです。

またアームストロング氏は、コインベースが手数料に依存する体制から脱却するためには、アメリカ中心の見方からも抜け出す必要があるとして、「過去を振り返ってみると、我々はアメリカというレンズ越しに世界を見渡していた。実際その見方が、ここ数年で我々が作り出した過ちにつながっていたかもしれない。我々はそれを変革するだろう」と述べています。

現在コインベースは、北米やヨーロッパの一握りの先進国で売買サービスを提供していますが、それでは真にグローバルな取引所とは言えません。

2012年に創業したコインベースは、これまで4度の弱気市場サイクルを経験してきました。驚くべきことではないと言うものの、すでにコインベースは、今年はじめに全社員の18%に当たるスタッフをレイオフしています。また12～18ヵ月に及びそうな弱気市場対策として、コスト削減計画を順次進める予定です。

次のレイオフの可能性についてアームストロング氏は、「決してないとは言えない」と答えていますが、「前回のレイオフが、1回限りの事例になるだろう」とも付け加えました。