仮想通貨クジラが大量発生！ビットコインとミームコインに圧力か？

Bitcoin(ビットコイン：BTC)草創期から休止状態にあった「クジラ(whale)」が動き出しました。アドレス「1H1Ab6」という大口のウォレットから、139BTCをSegWitウォレットに送金。この動きに暗号資産(仮想通貨)コミュニティの注目が集まっています。

※1ドル＝136.0円で換算

動き出したのは「太古のBitcoin」

 今回のBitcoinクジラは、2011年6月に2,250ドルでBitcoinを購入しました。ところが現在その価格は、350万ドル(約4億7,600万円)にまではね上がっています。

 アナリストによると、少なくとも7年以上前に購入されたものは「太古のBitcoin」と呼ばれており、2023年になって市場に出回る量が増加しています。

2023年当初から3,200BTCのBitcoinが休眠状態から動き出し、そのうちの1,100BTCは2013年以前のものです。さらに最近Bitcoin草創期のアドレスから、412BTC(約960万ドル＝約1３億円)という多額のBitcoinが送金されています。

太古のウォレットからの出金は、しばしば悪い前兆としてとらえられます。例えば仮想通貨の保有者が、巨額の利益を得るために売りの準備として、取引所にBitcoinを送金するケースです。

今回がもしもそのケースだとすると、これだけの仮想通貨が売りに出された場合、市場でのBitcoin価格に強い圧力をかける可能性があります。

ただし、仮想通貨保有者は安全性確保のため、時々新規のアドレスに送金することもあるので、一概に売りのサインと見なすことはできません。

長期的投資資産化するBitcoin

仮想通貨市場データプロバイダーのGlassnode(グラスノード)の分析によると、155日間を超えてBitcoinを保有している場合、それを売りに出すチャンスはかなり少ないとのことです。

現在Bitcoinのアドレスのうち69%は、加重平均保有期間が1年を超えています。これは多くの保有者が大きな利益を狙っており、すぐに売りに出す意思がないことを表しています。

また最近の調査によれば、長期的に保有された状態にあるBitcoinの数は、毎月10万BTC以上増加していることが明らかになりました。これは長期的投資資産として、Bitcoinへの関心が高まっていることを示すものです。

Bitcoinは5月12日に25,850ドル(約351万6,000円)の安値を付けましたが、市場の不安定さにもかかわらず、15日には27,450ドル(約373万3,000円)へと値を上げました。依然として市場でのBitcoinに対する関心は高いようです。

ミームコイン市場にもクジラが登場

ブロックチェーン分析企業のLookonchain(ルックオンチェーン)は、Milady Meme Coin(ミレディミームコイン：LADYS)の高額保有者リストをツイッターで公開しました。

それによると複数のLADYSクジラが合計で、総供給量の20.3%にあたる180兆LADYSを保有しており、投資会社のDWF Labs(DWFラボ)もおよそ3.5%を保有しているとのことです。

これらのクジラのうちトップ3は、最近LADYSのブラックリストに載せられており、その中のアドレス「0xAf23」は、Pepe(ペペコイン：PEPE)のブラックリストにも載っています。

このクジラは制裁が科せられる前に、Ethereum(イーサリアム：ETH)で52ETH、およそ97,000ドル(約1,300万円)を売りに出す準備をしていました。

また残る2つのクジラは、インサイダー取引の疑いでブラックリストに載せられています。アドレス「0x44F9」は9.78ETHでLADYSを購入し、「0x3c7A」はBinance(バイナンス)から10.89ETHを引き出し、それをすべてLADYSの購入に回しています。

DWF Labsは約30.7兆LADYSを2つのアドレスに保有しており、LADYSの価格がピークに達したタイミングで、仮想通貨取引所に2.2兆LADYSを送金しました。保有資産を売りに出す可能性がありましたが、DWF Labsは単なるマーケットメイクだと説明しています。

LADYSの値上がりで最も利益を上げたクジラ「0x53e6」は、2.42ETHで8兆LADYSを購入し、投資した4,526ドル(約61万6,000円)の216倍にあたる118万ドル(約1億6,000万円)を手に入れています。