お騒がせのミームコイン！大ブレイク中のPepeコインの正体に迫る

半分ジョークで発行されていたミームコイン(meme coin)が、現在暗号資産(仮想通貨)市場を席巻しています。

その中でも、Pepeコイン(PEPE)は登場してからわずかの間に、爆発的な値上がりを見せて、仮想通貨ランキングの上位に躍り出ました。一体Pepeコインとは何者なのでしょうか？

※1ドル＝136.4円で換算

コミックキャラの大ジャンプ

仮想通貨の種類

4月19日にローンチした仮想通貨プロジェクトは、マット・フュリー(Matt Furie)氏の漫画シリーズ「ボーイズ・クラブ」に登場する「カエルのペペ(Pepe the Frog)」がモチーフになっています。

登場以来すぐにインターネット上でセンセーションを巻き起こし、仮想通貨コミュニティでもソーシャルメディアでも、PEPEの姿を見ない日はありません。

Pepeコインを開発した個人、もしくはグループは不明です。多くの仮想通貨やトークンが、匿名の開発者によって発行されており、Bitcoin(ビットコイン：BTC)もその1つです。

PEPEの公式サイトによると、Pepeコインは原作者のマット・フュリー氏とは何の提携関係もないそうです。Pepeコインは純粋にファンが運営するプラットフォームであり、このカエルをさらに有名にすることが目的だそうです。

1.初期ローンチ	CoinGecko(コインゲッコー)やCoinmarketcap(コインマーケットキャップ)のリスト入りと、プロジェクトの知名度アップ
2.仮想通貨取引所への上場	各仮想通貨取引所への上場を果たし、ほかのプロジェクトとの提携、ニュースレターの配信、メンバー専用ディスコードの開設などを進める
3.運用の拡大	Pepeコインの商品販売、ツール開発、アカデミー開設などを行い、さらに多くの取引所に上場して、ユーザー数10万人以上を目指す

Pepeコインは一般的な仮想通貨と同様に、ボーダーレスに高い秘匿性で運用できますが、そのほかに特別な機能はなさそうです。なお、開発者のロードマップによれば、時期未定で3ステップのフェーズで開発を進める模様です。

Pepeコインは、Ethereum(イーサリアム：ETH)ブロックチェーンの、ERC-20トークンをベースに開発されました。つまり、PoSのバリデータによってトランザクションが処理されるということです。そのためPepeコインの売買には、ETHのガス代がかかります。

2023年4月17日、Pepeコインは仮想通貨市場で公開されました。ネイティブ・トークンの当初の価格は1PEPEが0.00000006036401729083ドル(約0.000008円)でした。

4月30日ごろまでには、ソーシャルメディアで報じられたことから取引価格が上昇、5月5日には過去最高価格の0.000004213ドル(約0.00057円)を記録しました。何と、当初の価格から6,879%の上昇です。

Pepeコインの総発行量は420兆6,900万枚で、すでにその93%にあたる391兆7,900万枚が流通しています。発行チームはこれらのトークンを流動性プールに送り、彼らのLPトークン(流動性提供者トークン)をバーンしました。

さらに彼らは、契約に関する所有権を放棄したことも明かしています。この決定が意味するのは、コードの書き換えも含めて、もはや彼らにはPepeコインを管理する能力がないということです。

こうした手法は仮想通貨業界で徐々に主流になりつつあり、資産の持ち逃げ(rug pulls)や詐欺被害を防止する効果があります。しかし投資家は完全に安全だとは言い切れず、こうしたプロジェクトを扱う上ではそれなりのリスクもあります。

未発行のPepeコインは、プロジェクトの開発者が、マルチシグ・ウォレットで所有していると見られています。おそらく、今後の開発と上場プロセスで使用されるものでしょう。開発者によれば、このウォレットはEthereumネームサービスで、簡単に特定できるそうです。

最後に、Pepeコインのみならず、すべてのミームコイン・プロジェクトで売買する場合にも、ほかの仮想通貨やトークンと同様に、さまざまなリスクがあることを頭に入れておいてください。