大きく揺れ動くアルトコイン市場!テザーとイーサリアムが見せた動きとは?
大手暗号資産(仮想通貨)取引所を米証券取引委員会(SEC)が提訴した問題を受けて、アルトコインは全般的に大きく値を下げています。その中でTether(USDT:テザー)とEthereum(ETH:イーサリアム)が、それぞれに目立った動きを見せています。
※1ドル=140.6円で換算
Tetherがチェーンスワップを実行
Tetherは今後サードパーティーの取引所を介してチェーンスワップを行い、7億5,000万USDTをTron(TRX:トロン)からEthereumのERC-20に置き換えることを発表しました。USDTの総供給量は変わりません。
チェーンスワップでは流通している仮想通貨を、あるブロックチェーンから別のブロックチェーンに移動する必要があります。結果的に投資家は自身が保有する資産で、より多くのブロックチェーンを利用できるようになるのです。
Tetherは新規通貨も発行
Tetherは10億ドル(約1,400億円)にあたる新規通貨を、Ethereumのチェーン上で発行することも発表しました。Tetherの技術責任者パオロ・アルドイノ(Paolo Ardoino)氏によると、この新規発行は在庫補充になるそうです。
アルドイノ氏は自身のツイッターで、「在庫補充は新規にUSDTを発行するプロセスであり、発行許可後に未発行の状態で自己資産に組み入れられます。ただし未発行であるため、市場での時価総額にはカウントされません」と述べています。
つまり発行許可は下りたものの未発行であるために、10億USDTは次期の発行、もしくはチェーンスワップのために資産計上されることになります。Tetherはほかのアルトコインから、Ethereumにベースを移している可能性があります。
Tetherは仮想通貨インフラで重要な役割を果たしており、取引所での取引に幅広く利用されています。しかしその発行者は、保有資産と透明性に関して、数年にわたって調査対象になっています。
Tetherのドミナンスが上昇
業界を騒がせた取引所や銀行の破綻を受けて、ステーブルコインの代表であるTetherに資産を移す投資家が増え、Tetherのドミナンス(市場占有率)は大幅に上昇しています。直近の流通量は、830億ドル(約11兆6,700億円)を超えています。
この背景には、ライバル関係にあるステーブルコインの不振も絡んでいます。TrueUSD(TUSD:トゥルーUSD)やUSD Coin(USDC:USDコイン)のユーザーが、投資先をTetherに変更しているのです。
5月にTetherは、CityPay.io.(シティーペイ)という決済処理会社に投資して、米ジョージア州にも進出しました。さらにウルグアイにおいて、Bitcoin(BTC:ビットコイン)の持続可能なマイニング事業を始める計画も明らかにしています。
Ethereumは650万ドルのETHをバーン
6月12日、Ethereumは総額で3,780ETH、およそ656万ドル(約9億2,200万円)をバーンしました。3,780ETHは市場の流通から切り離され、特別なウォレットに隔離されました。
2021年の8月5日、Ethereumのブロックチェーンは、EIP-1159として知られる重要なアップグレードを行いました。このEthereum改善提案により、手数料モデルが大きく変更されました。
現在のEthereumトランザクションには、直近のブロック・スペースの需要に応じて、さまざまな基本手数料が含まれています。この基本手数料部分をバーンすると、その分のETHが流通しなくなり、全体的なETHの供給量が永続的に減少します。
現在Ethereumは年間4%のレートで新規通貨を発行していますが、Ethereum2.0へのアップグレードにともない、レートは0.5~1%にまで下げられる見込みです。
これが実行されると、バーンされる量が新規発行量を上回ることになり、Ethereumはデフレ通貨になることが予測されています。Bitcoinのドミナンスが、再び市場の50%に近づく状況で、今後もアルトコインの存続を賭けた戦略が展開されるかもしれません。
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