アルトコイン市場で高騰するリップル|ピンチが一転してチャンスに!

アルトコイン市場で高騰するリップル|ピンチが一転してチャンスに!

アメリカに拠点を置くリップル(Ripple)社が開発するRipple(XRP:リップル)は、2013年に発行が開始され、2023年現在時価総額では第5位にある代表的なアルトコインです。

このリップル社は米国内での暗号資産(仮想通貨)訴訟問題に巻き込まれていますが、その進展に動きがありました。

※1ドル=148.4円で換算

SECとリップルとの対立

米証券取引委員会

米証券取引委員会(SEC)は2020年12月、仮想通貨Rippleが未登録の有価証券であるとして、その発行元であるリップル社を提訴しました。SECはその後も複数の仮想通貨発行者を提訴し、アメリカ国内では仮想通貨を巡る法的闘争に発展しています。

2023年7月13日には、ニューヨーク地方裁判所がSECの提訴に対して略式判決を出しています。それによると機関投資家向けのRippleは未登録有価証券にあたる一方で、個人投資家向けのRippleは有価証券ではないという判断でした。

判決を不服としたSECは、中間控訴の申し入れを行いましたが、10月に入ってその流れに大きな一石が投じられました。

Rippleの価格が高騰、市場全体も上昇傾向に

10月4日のアルトコイン市場では、Rippleが適度な修正に入る前に5.3%という価格上昇を見せました。価格は0.53ドル(約79円)程度で推移し、3日から4日にかけて時価総額は9億ドル(約1,336億円)から17億ドル(約2,523億円)へとほぼ倍増しています。

Rippleに関しては、3日に裁判所から重大な発表がありました。リップル社に対してのSECの中間控訴が棄却されたのです。

アナリサ・トーレス(Analisa Torres)判事によると、SECは控訴の法的要件を満たしておらず、Rippleの違法性に関する強い根拠も示せていないということでした。

この発表を受けて、韓国最大手の仮想通貨取引所UpBit(アップビット)では、直近24時間の取引総額が2億8,000万ドル(約415億5,000万円)に達しました。世界最大の取引所Binance(バイナンス)でも、取引総額が2億7,100万ドル(約402億2,000万円)にまで大幅に増加しています。

一方でリップル社はシンガポール金融管理局が保証する、主要決済機関としてのライセンスを取得しました。リップル社は今後もこの地域で、デジタル決済トークン・サービスを提供することができます。

リップル社は6月に予備的な承認を得てから、シンガポールの子会社(Ripple Markets APAC Pte Ltd.)を通じて公式のライセンス取得に成功しました。

アジアは低い税率と適度な規制環境にあり、仮想通貨ユーザー数も多いことから、この先アメリカ企業の先駆けとして、リップル社はサービス拡大を目指すと見られます。

社会的評価もリップルの追い風に

リップル社は、クロスボーダー決済における取り組みが高く評価され、2023年度の「フィンテック100(Fintech 100)リスト」に選出されました。

ほかにもシンガポールの国際送金サービスNium(ニウム)や、世界中でデジタル決済を提供するイギリスのTerrapay(テラペイ)などが選出されています。

さらにリップル社はフォーチュン誌が選出する、「テクノロジー分野で最も働きやすい職場」の2023年版でも13位にランクインしています。

同時に、世界最大の通信機器メーカーCisco(シスコ)、American Express(アメリカン・エキスプレス)、Master Card(マスターカード)などと共に「従業員と社会を大切にする企業100」にも選ばれました。企業ブランドと企業価値も高まっていると言えるでしょう。

仮想通貨Rippleは、XRP Ledger(リップル・レッジャー)と呼ばれる国際送金ネットワークで使用され、その高速性と手数料の低さから世界各国で利用されています。

今回の裁判騒動でSECに一矢報いたことにより、アルトコイン市場のけん引役として影響力を強めるかもしれません。

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