動き始めたコインベースの新国際市場戦略|ドイツを人材拠点にEUへ

動き始めたコインベースの新国際市場戦略|ドイツを人材拠点にEUへ

アメリカの大手暗号資産(仮想通貨)取引所Coinbase(コインベース)は、米国内での拡大戦略を見直し、現在世界各地で新たな拠点づくりを進めています。そしていよいよEUでの市場拡大を視野に入れ、まずはドイツを人材拠点にする構想を発表しました。

潜在的な可能性を秘めるドイツ市場

Coinbaseは国際市場戦略の第2フェーズとして、「Go Broad,Go Deep(より広く、より深く)」という戦略構想を展開しています。

EUはその構想で極めて重要な地域であり、Coinbaseは10月16日に、ドイツに新たな人材拠点を設けることを発表しました。

世界市場でブロックチェーン企業への投資が減少する中、ドイツ国内での資金調達は堅調な伸びを見せています。

2021年にCoinbaseは、初めてドイツ連邦金融監督庁(BaFin)から、カストディと取引に関する仮想通貨ライセンスを取得しました。

このライセンスは2020年1月に、BaFinの新体制のもと創設されたもので、EUでは初めての取り組みです。ドイツはEUの中でも早くから、Web3がもたらす可能性を認識していた国です。

その後Coinbaseはドイツでの運営を強化し、ここ1年間ではオフィスを拡充して人員も2倍以上に増員しました。今後は地域の人材拠点として、EUでの仮想通貨関連人材の採用と育成に必須の存在になるでしょう。

Coinbaseの新たな国際市場戦略

CoinbaseのビジネスチームEMEAの本部長兼地域マネージング・ディレクターのダニエル・セイファート(Daniel Seifert)氏は、「EU市場に参入してから、我々は規制の透明性に驚いており、ドイツの先進的なテクノロジーと活気に満ちたWeb3エコシステムにも驚嘆しています。」と述べ、この地域でのビジネスへの期待感を見せています。

また彼は、「9月8~17日に開催されたベルリン・ブロックチェーン・ウィークでは、Coinbaseのレイヤー2 “BASE” に関する説明会において、この地域で商品やサービスを展開する中で、ドイツの人材開発プールが極めて魅力的な取り組みとして評価されました」とも述べています。

ドイツに人材拠点を創出することは、Coinbaseの最新運営モデルを提案し、重要な国際市場での成功に向けた第一歩になるでしょう。8,300万人というEU最大の人口を抱えるドイツでは、その6%以上が仮想通貨投資を行っており、市場の将来性は十分にあると言えます。

ドイツを中心に拡大するEU市場戦略

2023年の現時点までにドイツのブロックチェーン分野は、ベンチャーキャピタルから3億5,500万ドル(約531億8,000万円)の資金調達に成功しています。

この分野への投資は2022年は世界の0.9%だったものが、2023年には2.4%に増加し、世界における取引額も2022年の1.9%から2.5%にまで増えています。総合的に見るとドイツのブロックチェーン取引額は、EU全体の10.3%を占めている状況です。

Coinbaseの国際・事業開発本部長のナナ・ムルゲサン(Nana Murugesan)氏は、「Web3企業のアメリカからの移転にともない、EUでの人材開発シェアが高まっており、この地域は徐々にWeb3分野でのリーダーシップを確立しつつあります。

ドイツは我々にとって世界で2番目に大きな市場であり、この国の人材が秘めた能力は驚嘆すべきものです。我々にはドイツを人材拠点にする以外の選択肢はないでしょう」と自信を持って語っています。

国際市場戦略の第2フェーズとして、ここ2週間のうちにアイルランド、ベネルクス三国、北欧諸国、スペイン、イタリアの各国において、Coinbaseは運営と人事に関する発表を順次行う予定です。Coinbaseの「Go Broad,Go Deep」戦略は、将来に向けて確実に進んでいます。

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