ビットコインETFへの準備か?活発化するマイナーの資金調達
2023年11月以降順調に値を上げているBitcoin(BTC:ビットコイン)は、12月4日に2022年4月以来となる4万ドル(約586万8,000円)を突破しました。市場が強気の様相を見せる中で、マイナーの活動も活発化しています。
※1ドル=146.7円で換算
マイナーの収益が急伸
暗号資産(仮想通貨)メディアのThe Block(ザ・ブロック)のデータによると、11月のBitcoinマイナーの収益は、10月の8億8,500万ドル(約1,298億3,000万円)から30%増加して11億6,000万ドル(約1,701億7,000万円)に達したということです。
一方でEthereum(ETH:イーサリアム)のブロック・バリデータの収益も、11月は1億4,500万ドル(約212億7,000万円)に達し、トランザクション手数料も3,431万ドル(約50億3,000万円)でした。
資金調達に動くマイニング企業
同じく仮想通貨メディアのBlockworks(ブロックワークス)によると、マイニング企業は2024年初のBitcoin現物ETF承認に備えて、金融資産を増強しているようです。
ツイッターの共同創設者でビットコイン信者でもあるジャック・ドーシー(Jack Dorsey)氏は、BitcoinスタートアップのMummolin(ムーモリン)社のシードラウンドを先導し、620万ドル(約9億1,000万円)の資金調達に成功しました。
同社はこの資金により、OCEAN(オーシャン)と呼ばれる分散型マイニングプールを立ち上げました。
OCEANは非カストディのマイニングプールで、マイナーはASICインターフェースによりコンピューターのパワーをOCEANに貸出しできます。その時に採掘されたBitcoinはOCEANの管理にはならず、直接Bitcoinネットワークからマイナーに対価が支払われる仕組みです。
ドーシー氏はOCEANの立ち上げイベントにおいて、Bitcoinマイニングの独立性と自主性をさらに高めることの重要さを強調しました。ドーシー氏は5月にもシードラウンドを先導し、Bitcoinクーポン・プロバイダーのAzteco(アステコ)社の資金調達を成功させています。
世界各地で大規模な資産変動も
一方、カナダのマイニング企業Bitfarms(ビットファームス)社は、アメリカの機関投資家向けに6,000万ドル(約88億円)の非公開株式を売却しました。
同社はケベック(カナダ)、ワシントン(アメリカ)、アルゼンチン、パラグアイなどでマイニング施設を運営しています。
また同社は、2024年1月に発売される新型マイニング・マシン「Antminer T21」を35,888台購入することも発表しました。T21は1秒間に190兆回の計算をこなす強力なマシンです。
11月はマイナーの資金調達が非常に活発な月でした。アブダビ(UAE)に拠点を置くPhoenix Group(フェニックス・グループ)は、アブダビ証券取引所(ADX)への上場前に、新規公開株(IPO)で3億7,000万ドル(約542億8,000万円)という巨額の資金調達に成功しています。
ドイツのNorthern Data Group(ノーザン・データ・グループ)は、Tether Group(テザー・グループ)から6億2,300万ドル(約914億円)の負債金融融資枠を確保し、一部をマイニングの運営に充てる見込みです。
ほかにもWarner Music Group(ワーナー・ミュージック・グループ)が、CMT Digital(CMTデジタル)やWinklevoss Capital(ウィンクルボス・キャピタル)と共に、ブロックチェーン・ファン交流プラットフォームのMITH設立のため、350万ドル(約5億1,300万円)の投資に参加するなど、業界を越えた資金が仮想通貨市場に流入しています。
イーサリアムでも大規模な需給調整
Ethereumネットワークは11月、70,655ETHを発行する一方で、105,248ETHをバーンしました。トータルでの供給量は34,579ETH減少したことになります。
低い供給量はしばしば需要増と価格上昇につながるため、今回の減少もEthereum価格に影響する可能性があります。
Ethereumネットワークが進化し発展する中で、需給量の変化が長期的に市場全体に与えるインパクトと、Ethereum価格に及ぼす影響にも目を向ける必要があるでしょう。
いずれにせよBitcoin現物ETF承認への期待感もあるのか、2023年のラストに向けて、仮想通貨市場に活気が戻ったことは事実です。
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