4月の仮想通貨マーケット・レポート!ビットコイン半減期直後の市場動向
Bitcoin(BTC:ビットコイン)の半減期イベントは、日本時間4月20日午前9時ごろに完了しました。直後に市場では目立った動きがなく、Bitcoinは一時的に下落するかに見えましたが、その後値を戻して22日現在65,000ドル(約1,005万円)前後で推移しています。
※1ドル=154.6円で換算
さまざまな憶測が飛び交う今後の動向
Bitcoinコミュニティは半減期の到来を祝福し、その多くが今後の強気市場に期待を寄せています。
しかしアメリカの著名な経済評論家であるピーター・シフ(Peter Schiff)氏は、半減期による価格上昇は必然ではないと見ており、「Bitcoin保有者は自己資産を半減させるかもしれない」という苦言を呈しています。
一方でマイナーのBitcoin保有量が12年ぶりの最低水準となり、総供給量の0.1%以上を保有するBitcoinクジラが、さらに19,760BTCを購入しました。
このことなどから、オンチェーン分析企業のIntoTheBlock(イントゥザブロック)は、過去の半減期と同様に今後1年以内に本格的な強気市場が到来すると予測しています。
半減期直後に大規模な清算が発生
最新のデータによれば半減期後の24時間のうちに、暗号資産(仮想通貨)市場全体でおよそ1億1,300万ドル(約175億円)のポジションが清算されたようです。
このうちロング・ポジションは3,922万ドル(約61億円)で、ショート・ポジションは7,401万ドル(約114億円)でした。
主要通貨ごとの清算額では、Bitcoinが約2,771万ドル(約43億円)で、Ethereum(ETH:イーサリアム)が約1,753万ドル(約27億円)、Solana(SOL:ソラナ)は約659万ドル(約10億円)でした。
データが示す高いボラティリティとリスクを考慮すると、投資家は市場に参加する前に、十分な調査と注意が必要でしょう。
マイニング収益は予想外の上昇
事前の予測とは異なり、Bitcoinの半減期でマイニング企業の収益が大幅に削られる事態は生じませんでした。その1つの要因は、ほぼ同時にルーンズ・プロトコル(Runes protocol)がローンチされたことでしょう。
ルーンズ・プロトコルはオーディナルズ(Ordinals)の生みの親であり、Bitcoin開発担当者の一人でもあるケイシー・ロダモール(Casey Rodarmor)氏が開発しました。オーディナルズに似ていながらも、ミームコイン(memecoin)に近いトークンを発行できます。
ルーンズのローンチにより、Bitcoinのブロックチェーンには新たなデジタル・トークン発行機能が追加され、幅広いユーザーが注目したことで、ネットワークではかなり重大な取引遅延が生じています。
この一連の動きにより、Bitcoinのトランザクション手数料が記録的レベルに達し、マイナーの収益を一気に押し上げました。4月20日に平均手数料は127.97ドル(約19,800円)にまで上昇しましたが、これは前日の7倍以上であり、2021年に記録した最高値のおよそ2倍です。
その結果マイナーの利益は、ブロック報酬とトランザクション手数料を合計して、1日では最高記録となる1億780万ドル(約166億7,000万円)に達しました。
Bitcoinの設計者とされるサトシ・ナカモトは、周期的な半減期を設定することでBitcoinのインフレ抑制を意図していました。本来なら半減期によって、マイナーの収益は減少するはずです。しかし単純な疑問ですが、それでマイナーのモチベーションは持続されるのでしょうか?
Bitcoin投資企業のTen31(テン31)は、「Bitcoinの長期的セキュリティ予算に対する懸念は筋違いだ」として、今後の市場予測の難しさをほのめかしています。
ルーンズのローンチにより、マイナーの収益が史上最高を記録したとしても、Bitcoinの価格変化の仕組みは新規市場参入者にとって複雑すぎるということでしょう。
日本時間4月22日になって、トランザクション手数料が急落しているというニュースも入ってきました。今後の市場がどのような展開を見せるのか、まだ誰にも分かりません。
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