アメリカの金利引き下げが迫る?ビットコイン価格への影響を分析
2024年9月の会合で、アメリカ連邦準備制度理事会(FRB)は政策金利を引き下げると見られています。近年、暗号資産(仮想通貨)市場に対するアメリカの金利政策の影響が強まっており、今回利下げが実施された場合も、相場が大きく変動することが予想されます。その影響について、大手仮想通貨取引所Bitfinex(ビットフィネックス)による分析結果を紹介しましょう。
※1ドル=147.0円換算
利下げの材料は出そろった?
アメリカ経済はインフレから脱しつつあり、家計消費も上向いて賃金上昇率もインフレ率を上回っています。FRBがインフレの判断基準にするPCEインデックス(個人消費支出を基に算出される物価指数)も、7月には2.5%上昇して、インフレの終息と物価の安定が見えてきました。また経済成長も予想を上回り、第二四半期のGDP成長率は直前の予測2.8%から3.0%に上方修正されました。
仮想通貨業界でも、取引環境と市場の拡大が大幅に進むと同時に、政治と規制の影響が強まる傾向にあります。さらに共和党の大統領候補ドナルド・トランプ(Donald Trump)氏は、アメリカを仮想通貨界のリーダーに位置づけるという戦略を打ち出し、World Liberty Financial(世界自由銀行)と銘打った分散型金融(DeFi)構想も明らかにしています。これは業界全体にとって、かなりの追い風になるはずです。
金利引き下げが市場に与える影響
9月に利下げが行われるとすれば、Bitcoin(BTC:ビットコイン)の短期的変動性と長期的価格推移に多大な影響を与えるでしょう。
まず25ベーシスポイント(0.25%)の利下げの場合、典型的な緩和サイクルが始まる可能性が高く、流動性が高まり不況のリスクが低下することで、Bitcoinの長期的な価格動向がプラスに転じるかもしれません。
一方で50ベーシスポイント(0.50%)の大幅な利下げが実施された場合、Bitcoinは一時的に価格が高騰する可能性がありますが、今度は不況への不安が高まり価格が修正局面に入るかもしれません。
直近の1週間では、現物取引でのリスク回避の動きがあったと同時に、パーペチュアル(永久取引)市場では押し目買いが続いていました。今後もBitcoinパーペチュアルでの大量の建玉を、注意深く見守る必要があるでしょう。
実際に利下げの影響を推測すると、9月に実施された場合Bitcoin価格は15~20%下落し、底値が40,000~50,000ドル(約588万円~735万円)をつける可能性があります。
これは根拠に基づいた数字であり、価格サイクルにおける利益率は60~70%減少し、強気市場での価格修正も減少することが考えられます。ただしこのシナリオは、マクロ経済の状況により大きく変わる可能性があり、投資家にとってはかなり予測が難しいといえるでしょう。
リスク資産との相関性が強まる
歴史的に見ると9月はBitcoinにとって不安定な時期であり、平均的リターンは-4.78%で、ピークからボトムへの下落パターンは24.6%程度です。この不安定性が利下げ後の「噂で買って事実で売れ」のリアクションと結びつき、投資家にとってはリスクとチャンスが同時に訪れるかもしれません。
その一方でBitcoinとS&P500などのリスク資産との相関性は強まっており、今後も世界的なマクロ経済の影響が大きく価格に反映されることになるでしょう。
主要な中央銀行の動向、例えば低成長下における欧州中央銀行(ECB)の利上げ停止、景気回復傾向の中での日本銀行の慎重な利上げ、さらに成長が鈍化した経済を支えるための中国人民銀行の流動性対策なども、Bitcoinなどのデジタル資産に影響を与える可能性があります。
世界が注目するアメリカの金利政策は、9月17~18日に開かれる連邦公開市場委員会(FOMC)の会合で決定される予定です。
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