苦境がつづくビットコイン!投資家はアルトコイン狙いの戦略か?

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9月に入ってから、Bitcoin(ビットコイン)のパフォーマンスが低下しています。その要因は既存の金融市場との相関性にあると見られますが、その一方でアルトコインは回復の兆しが見えてきました。投資家の戦略が変わったのでしょうか?

※1ドル=143.4円換算

パフォーマンス低下が顕著なビットコイン

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9月の第1週は8月末の下落トレンドを引きずり、Bitcoin価格は10.7%の大幅な落ち込みを記録しました。価格は5月1日以来はじめて56,700ドル(約813万円)レベルにまで下がり、売りが先行してレバレッジのポジションが減少、市場はボトムに近づいているように見えます。

最近はBitcoinと金融市場との相関性が指摘されていますが、アメリカの株式市場も2023年3月以来最悪のパフォーマンスを見せています。S&P500銘柄の時価総額は、9月第1週に何と2兆ドル(約287兆円)以上減少しているのです。その影響は当然Bitcoinの短期的な値動きにも及んでいるでしょう。

Bitcoin現物ETFでもかなりの資金流出が続いており、投資家の間では暗号資産(仮想通貨)のリスクを避ける動きも見えます。実際8月27以降BitcoinETFからは7億600万ドル(約1,012億円)の資金が流出しました。

アメリカ経済情勢がビットコインに波及

Bitcoinの売り先行は、アメリカ経済の影響を強く受けていると考えられます。まず8月の米雇用統計は期待された数値に届かず、雇用者数は予想を下回ったうえ、失業率は7月の4.3%とほぼ同じ4.2%でした。

製造部門が5ヶ月連続で縮小し需要の伸びが弱いことも、米連邦準備制度理事会(FRB)による利下げ材料になると見られます。さらに企業は利益率を守るために製品の製造を抑制しており、それが幅広い経済活動にブレーキをかけています。

建設部門も同様の状況であり、米商務省の国勢調査局(USCB)の報告では、6月と7月の建設投資額は共に0.3%下落しました。この数値も予想を下回っており、広範な住宅市場での販売不振を示しています。需要が弱まる中で売れ残った住宅が増え、建設業者は新規着工をためらっています。アメリカ市場は一部に改善の動きが見られるものの、全体的には活動が減速傾向にあるといえるでしょう。

徐々に回復するアルトコイン市場

直近のデータでは、Bitcoinの時価総額ドミナンス(占有率)が1.3%縮小したのに対して、アルトコインが回復の兆しを見せています。Bitcoinを含むトップ10を除いたすべての仮想通貨の時価総額は、4.4%増加しているのです。この状況を分析すると、投資家がBitcoinへの集中投資から、アルトコインへの分散投資に戦略を変更した可能性が考えられます。

ただしアルトコインの未決済建玉が、過去最高値から55%も減少していることは、投機筋の無関心と売り手の疲弊を表しているのかもしれません。アルトコイン市場の指標となるETH/BTC比率も、依然として365日単純移動平均線を下回っており、大型アップグレードMerge(マージ)以降のEthereum(ETH:イーサリアム)の不振を裏付けています。

とはいえ、Bitcoinドミナンスが一時的なトップに到達すれば、その数ヶ月後にはアルトコインのパフォーマンス向上が見られるかもしれません。さらにマクロ経済の圧力が弱まれば、第四四半期には強気市場が到来する可能性があります。

こうした状況の中で、日本の三大メガバンクである三菱UFJ、三井住友、みずほの各銀行は、「Project Pax」と呼ばれる試験プログラムのローンチを進めています。

これはブロックチェーンを基盤にしたステーブルコインを、国際的な決済手段にするという一大プロジェクトです。2025年には商業ベースの運用も見込まれており、実現すればアルトコイン市場の拡大につながるかもしれません。

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