米利下げ後も足踏みするビットコイン!ステーブルコインは回復基調に

ニュース194

9月18日にアメリカで0.5%の利下げが決定してから、Bitcoin(BTC:ビットコイン)は22%上昇して9月6日以来初めて64,200ドル(約919万円)を記録しました。しかし予想された値動きは見えず、8月25日以降65,000ドル(約931万円)突破に成功していません。

※1ドル=143.2円で換算

期待された利下げにも手応えなし

ニュース152

もしも65,000ドルラインを越えられないと、最高値の更新に失敗しながら局面的な底値をつけるという、好ましくないパターンが形成されることになります。これは3月の過去最高値以降、Bitcoinが下降トレンドを継続していることを意味します。

確かに短期的にはプラスの値動きに見えますが、Bitcoinの未決済建玉の増加は価格上昇のペースを上回っています。おそらく値動きの中心は、現物市場ではなく先物と永久取引市場にあるのでしょう。

一方アルトコイン市場では高騰するパターンも見られ、注目すべきコインは8~9月の底値から100%以上上昇しています。しかしここでもBitcoinと同様に、市場全体での明確な価格上昇がないままに、未決済建玉が直近での最高値を記録しました。

時価総額トップ10のアルトコインを除いた、アルトコイン市場のパフォーマンスを示すOTHERS指標は、ここ1ヶ月下降トレンドを継続しています。

仮想通貨を取り巻く環境変化

ところがこの状況の中でも、持続的なBitcoin現物ETFへの資金流入がBitcoin価格を支えているようです。前週の新規資金流入額は3億9,720万ドル(約569億円)に達しました。

S&P500などの伝統的な市場がさらに活気づけば、Bitcoinの価格上昇にもつながる可能性があります。8月後半からのレジスタンスレベルを越えることができれば、夏の間の低い流動性から脱して新たな高値をつけるかもしれません。

ただし資金流入が持続しない場合は、持ち合い状態か部分的な修正に入る可能性が高まるでしょう。

暗号資産(仮想通貨)を取り巻く環境は、機関投資家の動きや規制取り締まりなどの要素から、急速な進化を続けています。

MicroStrategy(マイクロストラテジー)は4億5,820万ドル(約656億円)相当のBitcoinを新たに購入し、同社のBitcoin総資産は252,220BTCで158億ドル(約2兆2,630億円)に達しました。

ドイツでは規制強化が進んでおり、当局は巨額のマネーロンダリングに関わったとして、47の仮想通貨取引プラットフォームを解体しました。

底力を見せるステーブルコイン

大手仮想通貨取引所Gemini(ジェミナイ)のアナリストは、市場全体に向かい風が吹く中で、ステーブルコインが堅実な回復力を見せている点に注目しています。

2024年に入ってから、仮想通貨市場の時価総額は持ち合いのまま横ばい状態が続いています。しかしステーブルコインに限っていえば、第一四半期に記録した2兆7,000億ドル(約387兆円)に向かって、現在2兆ドル(約286兆円)程度にまで回復してきました。

この回復力にはいくつかの要素が考えられますが、まず1つめは成長傾向が続いていることです。ステーブルコインの総供給量は、8月末で1,610億ドル(約23兆円)を超えており、2022年の最高値に迫る勢いです。

またアメリカの利回りが低下すると、ステーブルコインの取引が増加するという逆相関がありますが、現在2年もの利回りが3.5%程度に下がっており、それがステーブルコインの取引に影響していると考えられます。

もう1つは、レイヤー1と2でのスケーリング問題解消のため、ステーブルコインでの取引が増加していることです。決済およびトランザクション処理への、新たなスケーリング技術と統合が、現実的な金融取引でのステーブルコインの貢献度を大幅に高めているのです。

直近1週間では、Bitcoinは6.3%ほど上昇して、現在64,000ドル(約917万円)程度で推移しています。この値動きを維持したままで、重要な65,000ドルラインを突破できるのでしょうか?

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