仮想通貨技術と科学研究との融合!分散型サイエンスDeSciとは?

仮想通貨技術と科学研究との融合!分散型サイエンスDeSciとは?

分散型サイエンス(DeSci:Decentralised Science)とは、暗号資産(仮想通貨)分野で培われたブロックチェーンやスマートコントラクト、さらにAIやロボティクスなどの技術を、科学研究の分野に応用する取り組みです

DeSciの進歩により何が変わるのか、その可能性についてリポートします。

※1ドル=150.8円で換算

科学研究を根本から変えるDeSci

DeSciという取り組みの中核は、科学研究の分野とWeb3を統合して、今までよりも進歩的な研究環境を創造することです。その内容は協力関係の構築、研究資金の調達、データの共有など多岐にわたります。

既存の科学研究は、中央集権的な機関によって統制されるケースが多く、知識の共有は一部に制限され、資金調達にも多大な時間と手間がかかり、研究する分野も伝統的に限られてきました。

DeSciとはこうした既存の環境を覆す概念であり、ブロックチェーンの透明性、スマートコントラクトの機能性、分散型自律組織(DAOs)の機動性を科学と融合させ、よりオープンで公平な科学研究エコシステムを構築する取り組みです。

DeSciが果たす具体的な役割とは?

DeSciの重要な役割の1つが、研究資金の調達方法を多様化することです。政府の補助金や民間組織の出資に頼っている現在の資金調達方法では、研究者の活動や研究テーマが制限されます。DeSciでは可能な資金調達の選択肢が大きく広がります。

まずDAOsの独立性と機動性があれば、個人または団体からの寄付、投資ベンチャーからの出資、医療関係(患者)団体からの資金提供など、複数のルートから資金を調達できます。その方法はこの先さらに多様化するでしょう。

ブロックチェーンを介したスマートコントラクトは、出資者に対して研究条件を事前に提案し、投資判断の自動化を可能にします。その結果強い権限の介入を排除し、透明性を大幅に高めることができます。

またDeSciのシステム構造は、データへのアクセス方法にも変革をもたらすでしょう。科学データへのアクセスは、これまでのように有料サイトや、特定機関による閲覧許可などを必要とせず、すべての研究者は研究結果を自由に発表したり検索したりできるようになります。

さらにデータ処理に関しても、ブロックチェーンが大きな役割を果たします。研究結果・査読・信用証明などは、書き換え不能なデータとしてチェーン上に記録され、研究者の成果は独立的な検証が可能になり、科学分野における知識の再構築が促進されるでしょう。

その先の未来に続くDeSciの可能性

DeSciが本格的に稼働すれば、幅広い科学分野で研究が活性化し、分野を越えた研究者の交流も盛んになるでしょう。ヘルスケア分野では、長寿関連研究、薬物関連研究などの発展が予想され、研究者と患者グループや出資者などが直接交流できるようになります。

例えばVitaDAOのようなプラットフォームは、アンチエイジング研究に出資していますが、今後は分散型金融(DeFi)やトークン発行を活用して、さらに迅速で透明性の高い医療研究が、十分な資金を得て伸展することも考えられます。

DeSciとAIまたはロボティクスの融合も、革新的な研究活動を創出する可能性があります。

AIによるマシンラーニングを取り込み、現在は一握りの企業に独占されているAIモデルをオープンソースにすることで、自由な研究環境が提供されるかもしれません。また実際の研究現場では、ロボティクスによる自動化も可能になるでしょう。

多くの科学者は、現在のように一部の民間組織や政府による統制が続くと、科学の発展とイノベーションは鈍化すると考えています。

こうした制約から解き放たれて、科学研究が自由に幅広く行われるためには、分散型自律型システムであるDeSciの構築が急務なのではないでしょうか。

©NFTゲームプレス All rights reserved.
※当サイトに掲載しているゲーム画像の著作権、商標権ならびにその他の知的財産権は、当該コンテンツの提供元に帰属します
※当サイトに掲載されているデータ、画像等の無断使用・転載・変更・改ざん・商業的利用は固くお断りします

攻略メニュー