ミニ弱気市場か反転前の底値か?資金流出が続く仮想通貨市場

直近の1週間で、暗号資産(仮想通貨)市場は無残にも縮小し、ほとんどの通貨は大幅な値下がりにあえいでいます。
ビットコインも10万ドル(約1,550万円)を維持できなくなり、下落は今も継続しています。この状況をアナリストはどのように分析しているのでしょうか?
※1ドル=155.3円で換算
資金流出が続くETP市場
コインシェアーズ(CoinShares)のウィークリーレポートによると、先週1週間でETP(上場取引型金融商品)市場からの資金流出額は約3,100億円(20億ドル)に達したということです。これで3週連続の流出超過となり、総売却額は4,970億円(32億ドル)を記録しています。
この急激な調整により、デジタル資産ETPの資産運用残高(AUM)は、10月ピーク時の約41兆円(2,640億ドル)から、約29兆7,000億円(1,910億ドル)へと30%近くも減少しました。
流出額の97%は依然としてアメリカ市場からですが、スイスや香港も流出超過の状態になり、資金の流出傾向は全世界的に広がっています。
主要通貨ではビットコイン(BTC:Bitcoin)からの流出額が約2,143億円で、ビットコイン総AUMの2%に達し、イーサリアム(ETH:Ethereum)の流出額も約1,070億円となり、イーサリアムETPのAUMの4%に到達しています。
それに比較すれば小規模ではあるものの、リップル(XRP)やソラナ(SOL:Solana)もかなりの流出超過の状態です。
アナリストは現状を資産の再割当と見ており、仮想通貨クジラなどによる大口売却によって、資金が単一資産投資から複数資産投資にシフトしていると推測しています。
一時的なミニ弱気市場?
イギリスのファーサイドインベスターズ(Farside Investors)によると、先週のビットコインETFは3週連続の流出超過であり、しかも過去4番目に多い流出額を記録したようです。
仮想通貨サービスプロバイダーのマトリックスポート(Matrixport)は、需要の弱まりと市場心理の低下により、現在の仮想通貨市場は「ミニ弱気市場(mini bear market)」の状態にあると分析しています。
マトリックスポートは上昇傾向が止まった理由を、以下のように3つ挙げています。
・ETF市場の弱体化
・長期的投資家の市場離れ
・値上がり推進力の枯渇
ここ数ヶ月はETFへの資金流入や、ストラテジー(Strategy)社などによる戦略的投資が、ビットコインの上昇を支えていましたが、現在は重要な分岐点として、一時的なミニ弱気市場が形成されている可能性が高いというのです。
いずれにせよ、この状況を変えるのは、米連邦準備制度理事会(FRB)による金融政策の確定しかないとアナリストの大多数は考えています。それまでは仮想通貨市場に下向き圧力がかかり、ビットコインも不安定なまま推移するというのが一致した見解です。
底値から反転する可能性?
一方で大手仮想通貨取引所ビットフィネックス(Bitfinex)は、現在の売却ペースや確定損失の規模から推測して、投資が安定感を取り戻し持ち合い局面に入る可能性が高いと分析しています。
短期的保有者(STH)の基準価格と標準偏差を考慮すると、下落リスクはまだ持続するかもしれません。
確かにSTHの確定利益損失比率は0.20にまで下がっており、これはオンチェーンで売却されるビットコインの80%が損失を出していることを意味します。しかしこのゾーンは歴史的に局所的底値と一致します。
さらに利益が出ているSTH供給も、7.6%という低い数値にまで下がっていますが、これは前回のサイクルで見られた底辺レベルに一致します。
今後新規の需要増が必須ではあるものの、こうした数値から判断すると、投資が近いうちに安定感を取り戻し、継続的な基盤を再構築するというのがビットフィネックスの予測です。
この潜在的な安定が持続されれば、第四四半期の後半に向けて再び市場が活気を帯びてくるかもしれません。
©NFTゲームプレス All rights reserved.
※当サイトに掲載しているゲーム画像の著作権、商標権ならびにその他の知的財産権は、当該コンテンツの提供元に帰属します
※当サイトに掲載されているデータ、画像等の無断使用・転載・変更・改ざん・商業的利用は固くお断りします















NFTゲームプレスは東証スタンダード上場の株式会社コレックホールディングスが運営しています。