ポジティブ派vsネガティブ派!2つに割れるビットコインの動向予測

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迷走する暗号資産(仮想通貨)市場を前に、2つの大手仮想通貨取引所が独自のビットコイン(BTC:Bitcoin)価格動向分析レポートを公開しました。

興味深いことに、一方はポジティブな予測であり、もう一方はややネガティブな予測です。どちらの予測が、今後現実味を帯びるのでしょうか?

※1ドル=155.9円で換算

バイビットの予測|市場では回復の兆候?

大手取引所のバイビット(Bybit)は、デリバティブ分析企業ブロックショールズ(Block Scholes)と共同で、仮想通貨デリバティブ分析レポートを公開しました。

大筋では、不安定なスタートとなった12月の市場において、現在回復のサインが見え始めているという内容です。

分析結果ではまず、現状は複数の国の中央銀行による政策転換や、市場のボラティリティに対する不安の高まりなどから、仮想通貨全体に逆風が吹いていると断じています。

しかしアメリカの利下げへの期待感や、世界最大の資産運用会社が仮想通貨に対する立ち位置を変えたことなど、いくつかのポジティブな要因から、以下のような4つの注目すべきポイントを提示しています。

①市場は回復傾向

12月始めの下落から市場はやや持ち直し、ビットコインは約1,450万円(93,000ドル)に手が届き、イーサリアム(ETH:Ethereum)も約468,000円(3,000ドル)レベルを回復していることから、最悪の状況は乗り越えたと見られます。

②下落の恐怖は和らぐ

市場が下落リスクを警戒している指標となるプットコールスキュー・プレミアムは、12月始めの10~13から現在は2~4まで急激に低下しました。つまりトレーダーの心理は、上向きつつあると考えられます。

③レバレッジは低下

無期限先物の未決済建玉は、10月10日の暴落前のレベルにまで増加しています。レバレッジ過剰の典型的な清算の連鎖も見られず、レバレッジ・ポジションが低下していることが分かります。

④弱気心理は後退

ブロックショールズが提供するリスク選好指数(Risk Apetite Index)は、まだ強気の回復とは言えないものの、市場心理はポジティブであることを示しています。

ビットフィネックスの予測|需要低下が継続する危険性

片や大手取引所ビットフィネックス(Bitfinex)の定期レポートは、スポット取引の需要が弱気局面にあり、市場の構造的な弱さが継続していることもあり、仮想通貨市場は安定化しつつあるものの、健全な状態にはほど遠いという見解です。

ただし、先週紹介したレポートでは前向きな意見でした。

ビットコインが足踏みしている約1,310~1,420万円では、市場全体の相関的な弱気局面と、既存のリスク資産からの分離傾向には、歯止めがかからないというのがビットフィネックスの主張です。

さらにオンチェーンデータが示す、ビットコインの700万以上の未確定損失は、2022年のはじめに見られた持ち合い状況と酷似しており、サイクル中盤の疲労と完全な弱気市場突入との間で、ビットコインが苦闘している現状を浮き彫りにしています。

また、アメリカのビットコインETFは、以前とは打って変わり継続的な資金流出が記録されています。

買い注文と売り注文の傾向を示す、主要取引所の累積出来高デルタ(CVD)も、完全にマイナスを示していることから売りが優勢で、トレーダーが蓄積よりも売却に動いている点が不安材料だということです。

市場ではポジティブな動きも

2つの大手取引所は、それぞれに異なる見解を示していますが、世界最大の資産運用会社であるヴァンガード(Vanguard)の動向には同じように注目しています。

ヴァンガードはこれまで、仮想通貨の取扱いは投機的過ぎるとして拒否していました。しかし現在のタイミングで態度を変え、サードパーティーによる仮想通貨ETFと、その他の金融商品の取り扱いを始めたのです。

同社は独自の仮想通貨商品を扱う計画はないと表明していますが、仮想通貨が成熟した金融商品になったという認識であるのは間違いないでしょう。この動きが仮想通貨市場の流れを変える可能性は高いかもしれません。

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