イーロン・マスク氏がツイッターコインを開発中？ロゴマークのリークで広がる憶測

Twitter社の買収以降、人員カットや事業の高収益化を進めるなど、相変わらず世間を騒がせるイーロン・マスク(Elon Musk)氏ですが、オリジナルのTwitter Coin(ツイッターコイン)を開発中という情報が流れました。

Twitter Coinの開発情報は単なる噂にすぎないのか、真偽と業界の反応をレポートします。

※1ドル＝139.4円で換算

Twitterによる情報リーク

Twitter Coinのいきさつは、技術系ブロガー兼アプリ研究者のジェーン・マンチュン・ウォン(Jane Manchun Wong)氏がTwitterに投じた1つのロゴ・デザインです。

黄金のコインの中に、Twitterのトレードマークである鳥のデザインが、白く浮かび上がっているロゴですが、これがTwitter Coinのロゴではないかという憶測を呼んでいます。この噂を打ち消すように、ウォン氏のツイートはわずか数分後に非公開に設定されました。

しかし、ウォン氏のもう1つのツイートでは、Twitter APIのヒント設定に、「Coins(コイン)」のアイコンがある画像が投稿されています。これも、近いうちにTwitter Coinが導入される証拠だという憶測につながりました。

暗号資産(仮想通貨)コミュニティでは、Twitter Coinの登場がBitcoin(BTC)とDogecoin(DOGE)というマスク氏お気に入りの通貨に、どんな影響を与えるのかという議論が広がっています。

一見するとTwitter Coinは、2つの仮想通貨がTwitterで果たす役割を、打ち消してしまうように思えます。実際には、Twitter Coinを中心にBitcoinとDogecoinが補足的役割を果たす、複合的な仮想通貨プラットフォームを、考えているのではないかとする意見もあります。

マスク氏は11月27日に、彼が「万能のアプリ」と呼ぶTwitter2.0に、デジタル決済システムを統合する意図があることを公表しました。

この時にDogecoinに対する言及はなかったものの、マスク氏のツイート後にDogecoinの価格は急上昇しました。コミュニティでは、DogecoinがTwitterの仮想通貨プランの一部になる可能性が高いと考えられています。

さらに10月には、Twitterに関する別な憶測も広がっていました。これもウォン氏が10月27日に投稿したツイートからですが、Twitterでは独自のウォレットまで開発中で、すでに試作品段階でテストが行われているということです。

BTC送金サービスのスタートアップStrike(ストライク)のCEO(最高経営責任者)であるジャック・モーラーズ(Jack Mallers)氏は、Twitterの決済アプリにBitcoinが採用される可能性について言及しています。

これはTwitterにライトニング・ネットワークが導入されることも示唆しており、その場合Twitterでは決済ビジネスも可能になるということです。

今までのTwitterでは、借金・規制・固定費などに関わる金融部門のビジネスに参入することができませんでしたが、これでその障壁が取り払われる可能性があります。

今後Twitterのユーザーは、スターバックスでコーヒー代を払うことから、国際送金に至るまで、Twitterのアプリだけでできるようになるかもしれません。

イーロン・マスク氏に、既存の金融システムを大きく変える意図があるのかどうか、Twitterの動きに引き続き注目する必要があるでしょう。