NFTマーケットの縮小、人員削減... 仮想通貨の冬は厳しさを増すのか?

NFTマーケットの縮小、人員削減...-仮想通貨の冬は厳しさを増すのか?

FTX破綻の余波が収束しない中で、一時は急激に市場を拡大していたNFT(非代替性トークン)も、取引額が大幅に縮小しています。また、歴史ある大手取引所は、遂に従業員のリストラに踏み切りました。

2022年も残りわずかですが、このまま暗号資産(仮想通貨)市場は厳しい冬の時代を迎えてしまうのでしょうか?

※1ドル=139.4円で換算

NFTマーケットは16ヵ月ぶりの低水準

大損失を被ったソラナ財団

大手仮想通貨Binance(バイナンス)によると、NFTの売上は2021年のブームから一転、急落から回復する兆しすら見えません。さらにFTX破綻の影響下で、12月には16ヵ月ぶりとなる低水準にまで落ち込んでしまいました。

NFT市場の現状は、OpenSea(オープンシー)が唯一の大手NFTマーケットプレイスだった、2021年7月のレベルにまで縮小しています。この年の10月にOpenSeaの売上は2億2,600万ドル(約309億1,700万円)に達しましたが、翌11月には1億7,400万ドル(約238億300万円)に低下。ここがNFT市場の転機だったのでしょう。

そして現在、マクロ経済の圧力と仮想通貨市場の弱気傾向により、OpenSeaの市場占有率も大幅に低下して、今年7月には全従業員の20%をリストラしています。

大手取引所が1,100人の従業員をリストラ

一方で大手仮想通貨取引所Kraken(クラーケン)も、11月30日付けで全従業員の30%にあたる、およそ1,100人をリストラすると発表しました。CEO(最高経営責任者)であるジェシー・パウエル(Jesse Powell)氏による公式発表です。

パウエル氏によると、ここ数年でKrakenは数百万人の新規ユーザーを獲得し、そのサービス体制を整えるため、従業員を3倍以上にまで増員しました。しかし年頭からのマクロ経済や地政学上の要因などにより、金融市場は大きく変化しました。その結果仮想通貨取引も停滞し、新規ユーザー登録もほとんど見込めなくなっています。

2011年に創設された歴史ある取引所として、Krakenは市場サイクルの形成に貢献し、戦略的にコストマネジメントを実践してきました。しかし金融市場の深刻な状況とその影響により、Krakenでも大胆なコストカットが必要になったのです。
ただし今回のリストラにより従業員が減るとはいえ、それはわずか12ヵ月前のレベルに戻るだけです。

パウエル氏は発表の最後に、「私は、今回我々が選んだ道が正しかったことを信じている。これからも我々は、世界が求める新たなニーズに対して、忠実にミッションを遂行するだろう」と述べ、仮想通貨業界とKrakenの未来に強気の姿勢で取り組むことを約束しました。

NFTに活路を見出すKraken

Krakenは12月9日に、新しく8種類のNFTコレクションを取り扱うことを発表しました。今年初めに最初の70のコレクションを公開してから、直近の数週間に十数種類のコレクションを追加、さらに今回連続してNFTを追加することになります。

Krakenでは慎重にコレクションを選んだ上で、今後は最新のプロフィール写真やゲーム体験など、毎週幅広いタイプのNFTをリリースする予定です。基本的にはEthereum(イーサリアム)とSolana(ソラナ)のブロックチェーンをベースにし、手数料も無料にする方針です。

Krakenはこの企画にかなり力を入れているようで、次に追加されるコレクションは直近まで極秘にし、ユーザーの興味を高めた上でNFTをリリースするようです。最新のNFTコレクションはKrakenのNFT Twitter上でのみ公表され、直接問い合わせても回答は得られないそうです。
尚、KrakenのNFT全コレクションは公式サイトで確認することができます。

仮想通貨業界では、大手取引所の破綻が連鎖反応を引き起こし、通貨そのものの価格も上昇する気配を見せていません。また最初に紹介したように、NFTのマーケットも縮小を余儀なくされています。

そんな中で、従業員の大規模なリストラに踏み切ったKrakenが、積極的にNFTマーケットプレイスを拡大する意図はどこにあるのか。今後の動向を注視する必要がありそうです。

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