Bitcoinマイナーの売りがストップ！テクニカル指標に表れる強気市場復活の可能性

2022年12月半ば、手持ちのBitcoin(ビットコイン)を次々と売りに出し、それでも経営の限界を迎えていたマイニング企業(マイナー)が、2023年の年明け以降売りの動きをストップしています。もしかすると、今がBitcoin価格の底値なのでしょうか？

データ分析企業が提供するテクニカル指標をもとに、今後の市場動向予測について検証します。

※1ドル＝132.4円で換算

マイナーからのBitcoin放出が沈静化

Digital Currency Group(DCG：デジタルカレンシー・グループ)を巡る問題が拡大する中で、再びBitcoin価格が下落すると推測する人は少なくありません。1月9日時点でのBitcoin価格は、ブレイクポイントを突破して17,000ドル(約225万円)台に乗っています。

しかしDCGの破綻と、それに関わるGrayscale Bitcoin Trust(GBTC：グレ－スケール・ビットコイン・トラスト) の崩壊という大きな打撃が、再度値下がりの要素になる可能性は否定できません。

ところが直近の信頼性の高い指標から、Bitcoinマイナーの動きを見ると、弱気市場の底値が近いという分析結果が出ています。

Glassnode(グラスノード)のデータは、ここ4ヵ月続いたマイナーからの強い売り圧力が現状では沈静化していることを示しています。さらにマイナーのネットポジションの変化から、マイナーが売りをストップしてBitcoinの蓄積に転じたことも見て取れます。

マイニング視点のテクニカル指標

別なテクニカル指標の1つPuell Multipleは、すでにBitcoinが底値に達したことを示しています。

この指標は供給側の動きに注目し、マイニング報酬の市場サイクルを分析するもので、Puell Multiple ＝(Bitcoin1日あたりの発行額)÷(365日移動平均の1日あたりの発行額)の計算式で算出されます。

CryptoCon(クリプトコン)による分析では、現状すべてのサイクルでマイニング報酬はダウントレンドですが、このトレンドにはBitcoinが底値に達すると一時的に上向きになるという特徴があります。

直近のチャートを見てみるとブレイクアウトが起こっており、Bitcoinは15,500ドル(約205万2,000円)で底値に達したと推測できます。

繰り返す4年周期のサイクルから見えるもの

中国のマイニング企業BTC.TOPのCEO(最高経営責任者)ジャン・チューアー(Jiang Zhuoer)氏によると、2022年にFTXの破綻でBitcoin価格が15,476ドル(約204万9,000円)まで下落した時点で底値に達した可能性があるとのことです。

そうだとすると直近の3つの弱気市場は、過去最高値から底値に達するまで、ほぼ同じ期間で繰り返されていることになります。

ジャン氏のBitcoinに対する主張

ジャン氏は、Bitcoinの半減期が4年周期のサイクルを作っており、このサイクルで66%程度値上がりした後で、底値に近づくという動きを繰り返していると主張しています。

さらに市場心理を分析してみても、現在市場は弱気の最終局面で推移していて、DCG破綻のインパクトはすでに価格に反映されているため、今後深刻な影響を受けることはないとも述べています。

ジャン氏の楽観的な見解によると、もしも現在の弱気市場が2018年の弱気市場に同調していれば、今後2ヵ月間Bitcoin価格は平行線のまま底値付近で推移し、その後強気市場が始まる可能性があるということです。

ただし、現在の弱気市場が2014年のパターンに同調している場合、Bitcoin価格は8ヵ月間で底値付近に達し、そこから強気市場に転じるとも予測しています。

さらにジャン氏は、Ethereum(イーサリアム)についても言及しており、次の強気市場ではEthereumがBitcoinに先がけて市場をけん引することになり、それ以後Ethereumの価格は、現在の底値レンジから永久に解放されると予測しています。

今、誰よりもBitcoin価格を注視しているマイニング業界による分析ですから、長い仮想通貨の冬が終わり、ようやく春が訪れる可能性があるのかもしれません。