レイヤー2ブロックチェーンのポリゴンが機能性改善のためハードフォークを実行

レイヤー2ブロックチェーンのポリゴンが機能性改善のためハードフォークを実行

Ethereum(ETH)のレイヤー2ブロックチェーンであり、現在暗号資産(仮想通貨)の時価総額ランキング第10位のPolygon(MATIC:ポリゴン)は、システム上の問題点を改善するため、2023年1月17日にハードフォークを実行すると発表しました。

※1ドル=128.7円で換算

ハードフォークに至った背景

ポリゴン

Polygonは、数万のdApps、2億700万にも及ぶアドレス、そして23億にも達するトランザクションを有しており、Uniswap(ユニスワップ)やAave(アーベ)などのWeb3プロジェクト、Robinhood(ロビンフッド)やAdobe(アドビ)などの大手企業にサービスを提供しています。

さらに現在長期的なアップグレードとして、「並列化(parallelization)」と「Polygon zkEVM」を進めていますが、その前に改善すべき問題を抱えていました。それがガス代(取引手数料)と、チェーン再編成の問題です。

Ethereumのガス代問題は有名ですが、Polygonにもそれとは異なるガス代問題があり、早期的な改善が求められていたのです。

ハードフォークによるガス代問題の改善

ガス代問題の改善に関しては、「BaseFeeChangeDenominator」と呼ばれる数値を、現在の8から16に変更します。この数値は取り引きの基本手数料を決めるためのもので、変更によってガス代の極端な上下動を抑えることができます。

改善の理由

Polygonの基本手数料は、Ethereumのプロトコル改善提案EIP-1559に従って決められます。しかしPolygonチェーンの需要が高まった時に、手数料が急激に上下する現象が発生していました。これはPolygonのPoSと、EIP-1559との組み合わせが引き起こす問題と考えられています。

改善後の見通し

BaseFeeChangeDenominatorの変更は、Polygonメインネットのデータを使ってすでにテストされていて、手数料は滑らかな上下幅に平均化されることが分かっています。その結果、基本手数料は現在の12.5%から6.25%に抑えられる見込みです。

チェーンの需要が高まった場合、やはりガス代の上昇はありますが、Ethereumのガス代変動とほぼ同調することになります。Polygonでは今後もさらに改善を加えて、手数料の変動をより滑らかにしつつ、スムーズなトランザクションを可能にする予定です。

ハードフォークによるチェーン再編成問題の改善

チェーン再編成(Reorganizations)とは、チェーンを新しくするためのスペース確保のタイミングで発生する処理のことで、チェーンの正当性を確認する必要が生じ、バリデータによる検証が難しくなります。

今回のハードフォークでは、バリデータが連続的に生成するスプリント長(ブロック数)を64から16に減らします。その結果連続的なブロック生成の時間が、およそ4分の1に短縮され、チェーン再編成を抑制することが可能になります。

改善の理由

チェーン再編成は、PolygonのPoS構造により発生します。1つのトランザクションのファイナリティ(完了処理)は、有効なブロック数をカウントしてから行われます。PolygonのPoSでは、約50個のブロックを確認するまで、アプリケーションはファイナリティを行いません。

バリデータがより長く高位のバージョンのチェーンを認識した時に、チェーン再編成が発生する可能性が高まります。検証難易度が極めて高いチェーンは、「規準チェーン」と呼ばれますが、さらに難易度の高いチェーンが認識されると、それが新たな規準チェーンになります。

この時にチェーン再編成が発生すると、トランザクションのファイナリティに重大な影響を与え、バリデータの検証にも遅延が生じてしまうのです。

改善後の見通し

スプリント長を短くすると、チェーン再編成の頻度と強度を抑えることができ、トランザクションのファイナリティ処理を向上させることが可能です。また、バリデータが生成するブロックの数と、生成に要する時間はハードフォーク後も変わりません。

今回のハードフォークにより、Polygonユーザーに影響することは何もありません。成功すれば、より快適にPolygonを利用できるようになるでしょう。

また、Polygonではネットワークの改善に向けて、この先数ヵ月以内に次のハードフォークを予定しています。詳細はコミュニティ向けの公式ページで確認してください。

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