大手仮想通貨取引所がカナダでの運営強化をアナウンス!規制強化のアメリカからシフト

大手仮想通貨取引所がカナダでの運営強化をアナウンス!規制強化のアメリカからシフト

アメリカで暗号資産(仮想通貨)業界に対する締め付けが強まる中、いくつかの大手仮想通貨取引所は、カナダでの活動を強化する動きを見せています。

カナダでも規制強化が進んでいますが、なぜ今カナダが注目されるのか?今回の記事ではKraken(クラーケン)とCoinbase(コインベース)の事例をもとに、業界内部で進む新戦略について検証します。

※1ドル=133.1円で換算

カナダでの仮想通貨規制事情

カナダ

カナダでは、昨年12月にカナダ証券管理局(CSA)が仮想通貨事業者に対する規制を強化することが発表されました。その一環として、カナダでの事業を継続する企業に対しては、事前登録制度(PRU)の適用を義務づけています。

こうした方針は、FTXの破綻をはじめとする仮想通貨業界の混乱を重く見て、投資家や消費者の保護を目指すカナダ政府の意思を表しています。

※CSA:Canadian Securities Administrators / PRU:Pre-Registration Undertaking

カナダ国内の仮想通貨市場

カナダでは、仮想通貨市場が急速に拡大しており、オンタリオ証券委員会の調査によれば、カナダ人の38%は仮想通貨が重要な金融サービスだと考えており、今後1年以内に購入予定がある人も31%にのぼっています。

現在仮想通貨を保有している人は13%で、そのうちの少なくとも27%は週単位で取り引きを行っています。カナダ経済と政府による規制状況から見て、カナダは仮想通貨投資家にとって魅力的な市場であり、今後数年で主要な仮想通貨市場になると考えられます。

CoinbaseもPRUを申請

Krakenに先がけて3月24日には、大手仮想通貨取引所のCoinbaseもPRUを申請しました。Coinbaseはアメリカでの事業を継続しながらも、同社の世界戦略の一環として、カナダでの事業拡大を計画していることを発表しています。

Coinbaseは、オタワをベースに、カナダ担当責任者にルーカス・マセソン(Lucas Matheson)氏を迎え、カナダ国内での仮想通貨取引をさらに加速させる戦略に出たようです。

Coinbaseはカナダ国内の各拠点に、世界的実績のあるエンジニア200名以上を配置し、今後は世界戦略チームが繰り返しカナダを訪れて、規制当局や提携企業、コミュニティなどと協議を続けることも明らかにしています。

その上で、カナダにおいて最も信頼性と安全性が高いプラットフォームを構築し、規制の整備に協力し、政府関係者や政策立案者との結びつきを強める方針も表明しています。

仮想通貨取引所の今後の取り組み

Krakenは、すでにカナダ国内での活動を強化しています。信頼性と安全性が高いプラットフォームを求めるクライアントに対して、カナダドルとのスポット取引ペアをサポートし、24時間対応のアシスタント・サービスも提供しています。

いずれにしても大手仮想通貨取引所は、カナダでの顧客獲得のため信頼性と安全性を前面に出しており、それを証明するためにPRUの規制を有効活用する戦略を立てています。

経済規模は決して大きいとは言えないカナダですが、香港などと同じように、今後は仮想通貨市場の中心地として注目されるかもしれません。

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