中国のアリババが新型AI計画を発表!加速するジェネレーティブAIの開発競争

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中国の技術系企業最大手のAlibaba(アリババ)が、独自のChatGPT型ジェネレーティブAI(artificial intelligence:人工知能)の開発計画を発表しました。

AIの開発には世界中のテクノロジー企業が注目しており、同時にその進化に危機を訴える声もあります。イギリスBBC放送のレポートから、AI開発の最新情報をお届けします。

※1ドル=133.7円で換算
※ジェネレーティブAI(生成的AI): データを分析することにより、そこからディープラーニングで学習し、テキストや画像などを生成する人工知能。その代表がChatGPT

ChatGPTのライバルTongyi Qianwen(通義千問)

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Alibabaのクラウドコンピューティング部門は、近い将来自社のビジネスに進化型AIを統合する計画を明かしましたが、その詳細はまだよく分かっていません。

この数ヶ月で世界各地のテクノロジー系企業は、独自のジェネレーティブAI計画を明らかにしており、Alibabaも2023年はじめに、ChatGPTのライバルとなるAIの開発を進めていることを公表しました。

 AlibabaのジェネレーティブAI「Tongyi Qianwen(通義千問)」は、大まかに言うと「千の質問をして答えを探す」という意味です。

同社の会長兼CEO(最高経営責任者)であるダニエル・チャン(Daniel Zhang)氏はTongyi Qianwenの開発について、「我々は今、ジェネレーティブAIとクラウドコンピューティングによる、テクノロジーの分岐点に立っています」と述べています。

 Tongyi Qianwenは英語と中国語に対応しており、まずはAlibabaのメッセージアプリDing Talk(ディントーク)に統合される予定です。

初期機能としては、会議でのやりとりを文書化したり、ビジネスの提案書を作成したりすることがメインになりそうです。

 さらに、AmazonのAlexa(アレクサ)と同様のスマート・スピーカーであるTmall Genie(ティエンマオジンリン)にも統合される予定です。

世界各地で進むジェネレーティブAI開発

ジェネレーティブAIに対する関心は2022年11月に、Microsoftが支援するOpenAI(オープンエーアイ)がリリースしたChatGPTによって火がつきました。

ChatGPTは2021年のインターネット環境をデータベースとして、自然で人間的な言語で質問に答え、さまざまな書き方のスタイルを真似することができます。

Microsoftはその開発に数十億ドル(数千億円)を投じており、2023年2月には同社の検索エンジンBingにChatGPTが統合されました。さらに今後はMirosoft OfficeにもChatGPTが統合される予定です。

 ChatGPTに対抗して、Googleも「Bard(バード)」を、そして中国のBiadu(バイドゥ)も「ERNIE Bot(アーニー・ボット)」をリリースしています。

AIの進化に対する危機感も

4月11には、中国のサイバースペース管理局(Cyberspace Administration of China)が、ジェネレーティブAIを扱うための規制草案を発表しました。

それによると、開発企業にはAIテクノロジーを進化させる上で、法的裏づけのあるデータを利用する、という責任が求められることが示されています。この提案に対して一般市民は、5月10日までにフィードバックを提出することができます。

テクノロジー産業界を代表する企業グループは、3月に「強力なAIシステムの開発・進化を保留にするべきだ」という意見を表明し、人間社会の脅威となりうるAIの進化をストップするように求めました。

TwitterのCEOであるイーロン・マスク(Elon Musk)氏と、Appleの共同創設者であるスティーブ・ウォズニアック(Steve Wozniak)氏も、AIの潜在的な危険性を指摘する公式文書に署名しており、AIシステムの開発競争がコントロールできなくなる可能性に危機感を表明しています。

さらに、投資銀行のGoldman Sachs(ゴールドマン・サックス)も、最近発表したレポートにおいて、AIが3億人の正規雇用者から仕事を奪う可能性を指摘しています。

4月はじめには西側諸国の間で、プライバシーに関するデータ保護の観点から、イタリアが初めてChatGPTをブロックすることを発表しました。今後もAIの進化に関しては、さまざまな国で議論を呼ぶことになるでしょう。

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